【メアリと魔女の花】「感謝 高畑勲・宮﨑駿・鈴木敏夫」に涙する

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ジブリを巣立つ決意の作品

エンドロール、SEKAINOOWARIの「RAIN」をフルコーラスで聴くことが出来た。

RAIN

RAIN

  • SEKAI NO OWARI
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

描き下ろした感じそのものだった。

キャスト、スタッフなどなどがエンドロールに出て、最後監督の名前の直前に出た文字。

感謝

高畑勲 宮﨑駿 鈴木敏夫

最後の最後で思わず涙が出てしまったわ。

それでも私はこの映画に疑問を感じる。

どうしても比べてしまう

もし、これがジブリという看板で作成した作品だったらと思わず考えてしまった。

なぜならジブリだったらこんな思いをしたことがなかったから。

原作を読んでいたこともあり、ベースの話があったから余計いけなかったかもしれない。

それでも

必要だったのだろうか?

原作にはメアリが嘘をつくことはない。

まぁ魔女だと勘違いされる部分は同じだし、もしかすると両親がケンブリッジって件が嘘だったかもしれないけど。

でも、わざわざメアリを嘘つきにするストーリーにする必要があったのだろうか?

違う方法はなかったのだろうか?

要領の悪いメアリを見ていて、ちょっとイライラした。

感情移入しているってことだからいいのか?

大人の自分としたら子供の扱いがわからない家政婦のバンクスさんの気持ちになる。

動きや画、その他もろもろのことではない。それはジブリにも劣らないし、光の使い方、水の描き方、火の描き方はきっと日本で一番上手いんじゃないだろうか?

去年の「君の名は。」は光がちょっと乱反射しすぎてたりと違和感が残るものがあったりしたが、そういう部分はない。

魔法の力を得る場面とかのダイナミックさや魔法のほうきで疾風する様子などは素晴らしいと思う。

でも、やっぱりストーリーが脚本が残念だ。

米林監督が目指した部分かもしれない「変身魔法」

原作ではティブの相棒のギブが犠牲になり、それを助けるということだった。

ピーターは最後に少し出てくるだけ。

それがどうなるのだろう?見る前は思っていた。

ピーターのストーリーがオリジナルだ。

それでも悲しい。

メアリに嘘をつかせなければいけなかったのだろうか?

ピーターをなぜ巻き込むストーリーになってしまうのは本当に悲しかった。

11歳。しかも要領が悪い癖に好奇心だけ旺盛。

最悪なタイプだよ。

しかもちょっとおだてられたら図に乗る。最悪な子供だよぉ〜。って言うのが観ていた自分の思い。

いとうあさこじゃないけど、

イライラする

と言ってましたわ。

それが最後には苦し紛れに何も知らないピーターを教えてしまう。

キャッチコピー

「この夏、メアリは出会う。驚きと歓び。過ちと運命。そして、小さな勇気に――。」

過ちが過ぎる。

これは誰をターゲットにしているのだろう?

子供なのだろうか?

ジブリのアニメは大人向けだと思っている。

これも子供はどの部分を楽しめるの?

魔法の部分とか?

そんな気持ちで観てしまっていた。

米林監督が言いたかったこと。

「変身魔法の目的が原作にはなかった。子どもが『変身したい』と言えばそれは『成長』。でも大人が『変身させたい』と言い出せば、悪意はなくても子どもをいいように操る危険をはらむ。校長らの実験と子どもたちを絡めて、成長について描こうと思った」

それが伝わってきたかと言えばNoだ。

これを読んでも展開が違う展開であってほしかった。

魔法を使うことはいいこともあるし、悪いこともある。

元あるものを変身させることはいけないことだということが伝わっただろうか?

失敗した動物たちの叫び。

カエルとの合体をさせられたギブ。それは失敗だったのか?

研究のために必要なことだったのか?

何かのメッセージがあったのだろうか?

私は子供を観に連れて行くなら、きちんと説明をしてあげて欲しいと思う。

その部分が足りないと思うから。

シャーロット大叔母様がなぜ若い頃に「夜間飛行」を持ち出さなければならなかったのか。

それを見つけてしまって勝手なことをしたことを本来なら戒めなければいけなかったのではないだろうか?

結局、メアリは取り柄も何もないけど、勝手だ。

人の言うことを聞かない。

勇気というけど、それは自分が犯したことだ。

ピーターとギブを助けるのは当たり前だ。

「夜間飛行」で歪みだすマダム・マンブルチュークとドクター・デイ。

まだ夜間飛行はこの森で咲く。

その時、またメアリのような少女が現れたらまたどうなるのだろう?

日本に「魔法」という文化がないから話が唐突過ぎる感も否めない。

返す返すもなぜメアリを嘘つきにした?

それが残念でならない。

声優陣は素晴らしかった。

杉咲花の悲痛がやっぱり私をこんな考えにさせるのかもしれない。

ただの要領の悪い女の子を懸命に演じていて、メアリに罪悪感を抱かせることになった大きな嘘。

もうね、やっぱり許せないんだよね。なぜそんなストーリーにしたのかってことが。

最後はハッピーになった。

うん。

ハッピーエンドにはなったけどね。

大人になっちゃったのかなぁ〜。私。

それだけじゃ済まない感情が残っている。

ジブリだったら、違う切り込み方だったんじゃないだろうか?

ピーターを実験にすることにしなければいけなかったのだろうか?

原作のギブの変身魔法だって結構突き刺さると思うのだけど。

そうか、私は動物実験はしょうがないけど、人体実験が許せないのか?

どっちだって命は命だろ?

そう思うんだけど。

「借りぐらしのアリエッティ」も確かにアリエッティの好奇心に若干イライラする要素はある。

「想い出のマーニー」も。モヤモヤって感じがある。

それでもそれは子供特有の物事に対する幼稚さゆえのこと。

メアリに対するイライラも同じ。

でも、嘘をついてまでのストーリーがどうしても私には許せないらしい。

私だけだろうか?