【映画 嘘を愛する女】感想。優しい嘘ならいいんじゃない。

なんでも正直じゃなきゃいけないの?

知らなくてもいいことはある。

それをあえて知って幸せなことなんてない。

言えない過去を知るのは罪ですか?

高橋一生がほんとにいい

東日本大震災のその日、長澤まさみ演じる川原由加利は電車のホームで体調を崩していた。

そこに通りかかる高橋一生演じる小出桔平と名乗る男。

小出は由加利がヒールであることを気遣い自分の靴を差し出す。自分は靴下で歩いて行ってしまう。

由加利はその靴を履いて会社に向かう。

二人は5年後同棲していた。

由加利の母親と会う約束をしていた日、桔平は現れなかった。

その代わり、自宅を訪れたのは警察だった。

桔平は近くの公演でクモ膜下出血で倒れて救急搬送されていた。

そこで警察から告げられた事実。

それは、免許証が住所以外偽造されたものであるということ。

桔平のことを何も知らない由加利。

仕事の出来る由加利は桔平を囲っている状態であり、裏切られたと傷つく。

意識の戻らない彼についてどうしていいのか。

由加利は桔平のことを調べて欲しいと吉田鋼太郎演じる海原に依頼する。

そこに部下としている木村が・・・ロン毛のDAIGO!?これが一番驚く。

これまでの大根ぶりがないくらいしっくりしている。

そんな時、自分の自宅のポストを勝手に明けてる女子を見掛ける。

川栄李奈演じる心葉。

心葉のバイト先を突き止め、桔平の写真を見せ、知っているかと聞く。

心葉は勝手に想いを寄せているのだが川栄李奈の演技が可愛いのだ。

桔平はそのバイト先の喫茶店でパソコンで小説を書いているという。

パソコンなんて知らない由加利。パソコンはコインロッカーにあった。

木村がパスワードを解析し、パソコンを開くとそこには700ページを超える小説が書かれている。

そこに桔平を知る手がかりがあるのかもと由加利は小説に描かれている瀬戸内に向かう。

そこで黒木瞳演じる女将の小料理屋で見掛けたことがあるという情報。

そこで海原に応援を頼む。

由加利は「嘘を愛する女」であると同時に「感謝をしない女」だな。

海原に感謝を述べることなく振り回す。

小説に描かれている灯台をめぐり、小説の中にあった「宝物」を探し出す。

そこには桔平が欲しがっていたおもちゃもあった。

ここに桔平が居たことの証明でもあった。

でも由加利は気持ちがどんどん沈んでいく。

桔平を知ってどうすればいいのだろう?揺れ動く。

そんな由加利に振り回される海原。

お互い言ってはいけない一言を言い合ってしまう。

大体さ、なんで人を探そうって人がパンプスで行く?な感じだわ。

瀬戸内での情報は空振りだった。

似ていただけで別人だった。

でも、その人はある情報を持っていた。数年前に同じように自分を訪ねていた人が居たと。

それは2010年で広島の警察だったと。

その情報で木村に調べるように依頼する。

木村はある新聞記事を探し出す。

広島でパスワードの日にちに親子心中という記事。

そこに桔平の過去があった。

桔平には妻子が居た。しかし、その頃の桔平は優秀な外科医で忙しく妻子にかまってあげられない。

そんな状況で妻は壊れていく。

子供がお風呂場で溺死し、妻は雨の中を裸足でトラックの前に飛び出して死んでしまう。

そしてそのまま行方不明になっていた。

桔平は広島の生活から逃げるように自分を消すように東京に来ていた。

そこで由加利と出会い、由加利と生活をしていた。

由加利に過去の自分を重ね合わせていた部分もあったのではないだろうか。

仕事仕事で夜中まで仕事に没頭する由加利を心配する桔平。それでもそれを咎める言葉しか言えない由加利。

由加利は男の子が欲しいと言ってみたが、自分にはその資格がないと言う桔平。

そんなやり取りが実は小説となっていた。

小説の中に出てくる登場人物は過去の桔平だと思っていた海原と由加利であったが、由加利のことであった。

桔平は過去を精算して未来向かって歩きたいと書いていた。

それを見た由加利は桔平の元へ戻る。

過去なんていいじゃんと何もなければ思えるけど、いざその場になったら私も由加利のように発狂乱になる要素はあるなと思う。

感謝を知らない女

そうなってる場面もあるんだろうな。

とても自分に重ね合わあせて反省する内容だったわ。

由加利は意識の戻らない桔平を待つ。

季節は春になる。

桔平が意識を取り戻したところで終わる。

エンディングテーマが松たか子「つなぐもの」

つなぐもの

つなぐもの

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  • provided courtesy of iTunes

聞き入った。

映画の世界観そのままの感じがとても良かった。

優しい嘘を咎める世の中にはならないで居て欲しい。そう思った。