【シェイプ・オブ・ウォーター】感想。彼はそのままの私を見てくれる

小物がオシャレ

物語は主人公イライザの隣人のジャイルズの回想のような形でスタートする。

二人の住む場所は映画館の上の部屋。

部屋の造り、小物それぞれがとてもいい感じ。また靴に対するこだわりもあっていい雰囲気。

どこの話?

アメリカが舞台だと思いながらも50年くらい前のアメリカ?もっと前?

街の雰囲気もネオンも高度経済成長期の日本のような感じ。

イライザは政府の極秘研究施設の夜間清掃員として働いている。

イライザは声を出せない。耳が聞こえないわけではないだけでトラウマで声がでないらしい。

彼女の生い立ちが影響しているのか?

同僚の黒人女性のゼルダは何かにつけて彼女をフォローしている。遅刻ギリギリの彼女を自分の前でタイムカードを押させるとか。周囲のブーイングを厭わない。

イライザは夜間作業に行く前になぜかバスタブで自慰行為をして夕食にサンドイッチを作り、隣のジャイルズに渡して出かける。ジャイルズの方が年が上だけど、二人の関係は?と思ってしまう。

ジャイルズは家族の絵を描いている。

画家なのか?

イライザはあるとき、清掃しているところに極秘に運び込まれた「彼」に魅了される。

南米では神と崇められていた足のある人魚の姿。

グロテスクに思える姿だが、イライザは彼のところで食事を摂り始める。

そして持ってきていたゆで卵を与え、手話で「Egg(卵)」を伝える。

それから、イライザはレコードプレーヤーを持ち込んで一緒に音楽を聴いたりする。

しかし、責任者のストリックランドは彼を痛めつける。そして元帥に彼の今後を提案する。

彼を実験道具として解剖することにすることになる。

イライザは唯一の話し相手のジャイルズに助けを求める。

ジャイルズはゲイであった。彼女を伴って興味のあるキーライムパイ屋さんへ行き店員さんと楽しく会話する。

そしてキーライムパイを持ち帰ってくるが、すごい着色料のパイは食べ切れずに冷蔵庫に増えている。

ジャイルズは自分を首にした会社の上司の元へ絵を持っていっていた。

が、認めてもらえずにイライラしている。

自分はまだ働ける。

いつの時代にもあるジレンマだろう。

そしてジャイルズは一度は強く拒否したイライザの助けをすることにする。

実験道具として殺されては困る人がもう一人、ホフステトラー博士だ。

彼は実はロシア側のスパイでもあった。

そして彼を解剖される前に殺してしまうようにと命令される。

ホフステトラー博士はイライザと彼が心の交流をしていることを知っていた。

そして当日。

イライザは監視カメラの向きを変える。そして彼をタオルで隠してジャイルズの運転する車に乗せる。

そこにはイライザを心配して事態に気づいたゼルダの姿も。彼女はイライザにこんなことはいけないと一度は邪魔をするが、最終的には協力する。

ストリックランドは自分の身分の高さを鼻にかけている。

トイレに入って用を足す前に手を洗って用を足してからも手を洗うものは弱者だと言う。

どんな理屈だ?

で、用を足してすぐにキャンディーを口に入れる。

あり得ないって。

そう、そこには掃除をしているイライザとゼルダが居て、ゼルダが夫の愚痴を言っているところだった。

ストリックランドはその後も口のきけないイライザを気にする。

二人を呼び出して生い立ちにまで言及する。そんなこと普通しないでしょ。

ま、ストリックランドは彼の調教をしようとして失敗して彼に指を2本食いちぎられていた。その指を発見して袋に入れたのがイライザだった。

彼の指は骨と腱をつなぐ手術をしてたらしいが、最後には腐って自分で取っちゃうんだけどね。

ストリックランドは汚い手を使ってイライザと関係を持とうとするが、イライザに拒絶される。

そんなイライザに対して彼が逃げた後の全員の聴取の中で侮辱する。

そんなストリックランドにイライザは手話で「くそったれ」と返す。さすがに手話が読めなくてもいいことじゃないことは感じたらしい。

ストリックランドはいよいよ自分の首が危なくなり、ホフステトラー博士の跡をつける。ホフステトラー博士は結局自分の国に消される。そこにストリックランドが居合わせ、国の人間を殺し、ホフステトラー博士に彼を逃したチームの名前やランクを聞き出そうとする。

ストリックランドは彼の奪還が敵対する組織のものだと思っていた。

しかし、ホフステトラー博士は「清掃員だ」と言う。

ストリックランドはまずゼルダの自宅に行く。

って住所とかそんなにすぐにわかるもの?

ゼルダの家では何もしない亭主がふんぞり返っている。そこにストリックランドが来て、ゼルダを嚇して彼の居場所を言わせようとしている。

「知らない」の一点張りを決め込むゼルダ。

そこに黙っとけな夫がペラペラと喋りだす。

「しゃべれない女が何かを盗み出した」と。

ほんと使えない人間は使えないの代表のような夫だ。

イライザは自宅の浴槽に水を張って彼を住まわす。

そして二人は・・・結ばれる?

木造の建物なのに、お風呂場のドアにタオルを挟んでお風呂場全体をお湯でいっぱいにしてしまう。

当たり前のように下の映画館には雨漏りがすごいことになる。

怒られたジャイルズが様子を見にドアを開けると裸で抱き合う二人。

その姿に魅了されたジャイルズはそっとドアを閉める。

彼を見張っていたジャイルズが寝てしまい彼が部屋をウロウロし、ジャイルズの飼い猫を殺してしまう。

そんな彼はジャイルズも傷つけ、下の映画館で映像に見入っている。

そんな彼を連れ戻すイライザ。

彼に寄り添い彼も寄り添われることを知る。

彼はジャイルズの頭に手を当て、傷跡に手を当てる。

翌朝、何もなかったジャイルズの頭皮に髪が生えてきている。傷跡もなくなっている。

彼はやっぱり「神」なのか?

浴槽で衰弱していく彼。

雨が降り、彼を海に返さなきゃと思う反面、一緒にいたいと思うイライザ。

しかし、ゼルダのばか夫のせいで危険ということで桟橋に行き、お別れをしようとしているところにストリックランドが現れる。カレンダーに場所を書いていたし。

ストリックランドが彼とイライザをピストルで撃つ。倒れる二人。

最初に気絶させられたジャイルズが気づき、ストリックランドを棒で倒す。

イライザを抱きかかえるジャイルズ。そのうち彼が蘇生する。

蘇生した彼はストリックランドの言葉をかき消すように首を傷つける。

ゼルダがパトカーとともに到着する。

そのままで居られらない彼はイライザを抱きかかえた状態で海の中へ。

海の中で蘇生するイライザ。

海の中の情景をどう撮影したのだろう?

とても穏やかで素敵な二人の姿だった。

今もどこかでこんな話は実際にあるのかもしれない。

米露の冷戦真っ盛りの頃のことだったのだろうか。

それにしてもちょいちょいシモネタやらセックスシーンやらが入ってくる状態が驚く。バスタブで自慰行為も。

アカデミー賞に最多13部門にノミネートされている。

どの賞が受賞できるだろう?