3カ国の映画
この週末公開の映画はアメリカ・イギリス・ロシアと大国を舞台とした作品ばかり。
どれも遜色なく良かった。
なぜ最後が「レッド・スパロー」かと言えば、特に特色がなかったから。「ウィンストン・チャーチル」は辻一弘さんの作品が観たかったし、「ペンタゴン・ペーパーズ」は俳優陣がすごかった。
でも、「レッド・スパロー」を一番最初に観たかったかも。
ジェニファー・ローレンスの凄さ
彼女はどのくらいのレッスンでプリマ役を演じたのだろう?
ジェニファー・ローレンスの前作「マザー!」が日本の上映が中止となってたらしい。
どんな映画だったのだろう。
ジェニファー・ローレンスで検索した彼女の写真と「レッド・スパロー」とのギャップが違いすぎて驚く。
まぁ笑顔のシーンがなく、目が死んでいる役だったこともあるのだろうけど。
アメリカ人のジェニファー・ローレンスがロシア人を演じるってすごいな。それでもロシア人にしっかり見えた。そこがまずすごい。
映画はジェニファー・ローレンス演じるドミニカがボリショイ・バレエの公演の最中にパートナーとの接触で大怪我を負うシーンから始まる。
この映画のためにバレエの特訓をしたのか?あんなに下半身のしっかりしたプリマはそうそういないだろうと思いながらもプリマしていたことに驚き。
膝下の開放骨折。バレエの道を断念せざるを得なかった。
ロシアという国を知る。ボリショイ・バレエも国営。踊れないダンサーは即クビとなってしまう。そして病気を抱えた母親の治療費も出してはもらえなくなる。
そんな苦境に叔父のワーニャ・エゴロフが家を訪れる。そして、母親の治療を続けるためには君が国家に貢献することだと伝える。
彼の仕事はロシア情報局の幹部であった。
そんな彼の仕事の手伝いはしたくないドミニカだったが、彼はあるものを置いていく。
それはドミニカの怪我が仕組まれたことだった証拠だった。バレエのパートナーが新しくプリマになった女にそそのかされてしたことだった。
新しいパートナーの二人。
シャワールームで性交中にドミニカは二人を殴り殺してしまう。
まぁそう仕向けたのは叔父さんなわけだけど。そのことを盾に叔父さんはドミニカにある大物を色仕掛けで落とすように指令を出す。
ホテルで部屋に連れ込むことに成功したドミニカだったが、そのままレイプされてしまう。その最中にその大物は殺されてしまう。
暗殺の現場を目撃したドミニカ。情報局は生かしておくことに難色を示すが、エゴロフの計らいで生かされる道を示される。
スパイ(スパロー)の養成学校へ送られる。そこでは娼婦としての心理操作のテクニックをとことん仕込まれる。
現在進行中できっと行われているのだろうと想像する。まぁアメリカで作ったロシアを舞台の映画だからどこまでが本当かは不明だけど。
脱ぐことも厭わないジェニファー・ローレンスもすごかった。
男性もね。
あそこまで全裸のモザイクがあるようなないような映画って珍しい。
養成学校の教えは「人間の欲望はパズル。欠けたピースを見抜き埋めれば相手を操れる」
ハニートラップのスパイの心得だ。監視官は生徒へ精神的に追い込みロシアの絶対国家を教え込む。
ドミニカは監視官の指示をあまり聞かない。それでも監視官のどこか奥にある愛情を感じる。
愛国心というもので繋がれた関係。
ドミニカには才能があるとエゴロフは任務を与える。それはロシア情報局の上層部に潜むアメリカとの内通者を探り出すこと。
モスクワでそのモグラと接触していたアメリカCIA調査官のネイト・ナッシュ。
ネイトは情報交換の場に居合わせただけのパトカーに威嚇射撃をして身分を明かしていた。
そしてロシアからブタペストへ。
ドミニカはブタペストへ行き、ネイトとの接触を試みる。
ネイトの情報を元に彼の通っているプールへ。そして尾行。
次の日、髪の毛を染めてプールへ入会するドミニカ。偽名ではなく本名で登録する。
そして接触する。
彼は彼女に見られていることに気づいていた。そして金髪に変えたことにも。
まぁCIAの調査官だから尾行することが仕事だからされることに気づくこともそんな難しいことではないんだろうな。だって、初めての仕事なわけで。
お互いに素性がわかっていることを承知の上で切り出す。
「何が知りたい?」
ネイトはドミニカに率直に聞く。が、彼女の質問に答えるわけにはいかない。
それでもヒントを与える。「高官だ」と。
高官というのは最初からわかっていることで必要なのは「名前」だった。
ドミニカは同室の同じスパイ女性の部屋を探り彼女が得た情報を利用する。
ネイトのミッションの時間稼ぎをしようとしていた。
そのスパイ女性が上司にドミニカの秘密を告げようとした次の場面で殺されている。
そしてドミニカにも仕事をしなければ次はお前だと脅す。
同室スパイがしようとしていたことをドミニカが行うことになった。
25万ドルで情報を受取ること。
ネイトはドミニカをアメリカのスパイにすることを提案する。
アメリカ人男性と接触するうちに同じ仕事をしているのに立場の違いすぎることに気づくドミニカ。
ドミニカは次第にネイトに気を許していく。
そしてドミニカはネイトに情報を出す条件として25万ドルを要求する。
情報はアメリカの情報だった。まぁそうだな。
ブーシェ上院議員からCDを受け取る仕事。それをロシアに渡す前に交換するのがドミニカの仕事となった。
そこにドミニカの上司が来る。そしてCDを受け取り、それを交換する。
1時間後に出るようにと言われたブーシェ上院議員だったが、落ち着かず出ていったところで包囲されていることに気づき、車にはねられて死亡してしまう。
ブーシェ上院議員が死亡してしまいそれ以上の情報は得られなくなったことで、ドミニカはモスクワへ戻される。
そして、ブーシェ上院議員をアメリカに売ったか?と拷問される。
耐えるドミニカ。
エゴロフが来る。そしてドミニカは「愛国心でやっていることだ」と言う。
どこまでが本当でどこまでが嘘なのか?
ドミニカは「アメリカも私が拷問されていると気づいているはずだ。ここで戻ればアメリカの信用が得られるはずだ」と。
エゴロフは納得したのか?
再び、ブタペストに戻るドミニカ。
ネイトはドミニカは死んだと思っていただけに作戦は成功したように思えた。
ドミニカと結ばれるネイト。
しかし、夜中にネイトはロシアの情報局の殺し屋に拷問されていた。
突然、結束バンドでネイトの手足を椅子に括り付けるドミニカ。
えーーー、やっぱりロシア側なの?
なかなか名前を出さないネイト。
皮を剥ぎ取る拷問。私がすると代わりに始める。拷問をされたばかりだし、女性の方がひどいかもね。
油断した情報局の殺し屋に襲いかかるドミニカ。
えーーーーーー!結局、これも罠?
まぁ最初は仕留めきれなくて、かなり斬りつけられて、最終的にトドメをさすドミニカ。
ネイトに言われてアメリカ大使館に電話をする。
入院するネイトとドミニカ。
病院でタバコを吸っているところに突然現れたロシア情報局のワーニャの上司でもあるコルチノイだ。
コルチノイは突然語りだす。自分の妻も昔プリマだったと。でも怪我?病気?をしてアメリカで手術をさせたかったが国が許さなかったと。
そして彼はアメリカに情報を渡すことにしたと。
殺し屋を仕向けたのもコルチノイであった。彼はドミニカに二択を迫ったのだ。
アメリカに亡命するのか、それとも自分を売って祖国の英雄となって母親の元に帰るか。
ドミニカはロシア大使館で名前がわかったと伝えるようにと言う。
そして、アメリカCIAに交換でドミニカがロシアに戻るようになった。
ロシア側のヘリから降ろされたモグラ。それを見たネイトは「そうだ」と言い、彼女はロシアのヘリに乗る。
しかし、そのモグラは別人だった。
それはドミニカの復讐。
自分をスパイにした叔父、ワーニャ・エゴロフをモグラだと告げた。
そこまでにワーニャ・エゴロフを仕立て上げて。
ワーニャ・エゴロフが彼女の部屋を訪れたときにウィーンに行くと聞き、そしてコートを取りに行き、叔父の情報を覚えてウィーンで口座を作った。
そしてネイトにお金を振り込むようにと言った口座こそ、この口座であり、アメリカに亡命する資金と考えられた。
またドミニカから受け取ったCDがすり替えらたことを知らずに上に渡したため、工作したと思われ彼が「モグラ」だと言うことになっていた。
そして、そのまま彼は射殺された。
モスクワに戻った彼女は彼の地位を引き継いだ。
そこには監視官、コルチノイの姿も。
ドミニカは母親と穏やかな日常を手に入れていた。
そこに1本の電話が・・・
電話からはドミニカが初めて踊ったという曲が流れてくる。ネイトだった。
アメリカとロシアのスパイ同士でこの後どうなるのかまでは想像しろってことのエンディングだ。
ロシアのスパイ事情がたぶん変わってないんだろうなぁって勝手に想像する。
情報合戦。
ハニートラップ養成学校なるものまであるとは。
まぁ全てが国家運営。
私には想像も出来ない。
踊ることも仕事することもすべて国家のため。
愛国心なんてこと、言ったことも思ったことも正直ないかもしれない。
そんな国と自由の国の情報合戦。同じことをしていてもアメリカの方が幸せなのか?