「セックス」を演じること
AV男優、AV女優ではないわけで「本番」をしているわけではないのだろう。
人によって性描写は違う。
特に日本人に性描写は性教育がほとんどないからきっと多方面に向いているのではないかと思っている。
予告もR15作品ってないのね。ってことに気づいたわ。
いきなりのセックスシーンから
既に舞台「娼年」でもやっているとは言え、舞台と映画では違うと思う。
感じ方。
感じさせ方。
濡れ場シーンって難しいだろうと想像できる。
松坂桃李演じる領。
領は今の芸能界だと松坂桃李以外適役に思えない。
領に通じる部分を素の松坂桃李に感じる。
最近の出演作品もカッコイイだけの役から影のあるというか影のありすぎる役が多いように思う。先月の「不能犯」とか。
領は幼い頃の母の記憶に縛られて大人になる。
小学4年生の領。熱を出し学校を休んでいるのに、キレイな格好で「温かくしていい子で居て」その言葉を残し、心筋梗塞で外出先で亡くなっていた。
そんな領は「女はつまらない」と名門大学生でありながらも学校へも行かずバーテンダーをしている。
同級生の恵はそんな領を心配する。
ある時、中学時代の同級生でホストをしている進也が店外デートだと真飛聖演じる御堂静香をバーに連れてくる。
真飛聖・・・顔は40過ぎには思えない。ただ、首に年齢が出てきていて残念。
静香はコースターの下にメモを書いた名刺を入れていた。
「お店の終わる頃にお店の近くに居ます」
進也の店外デートは・・・不発ってことだな。
そして店を出た領に横付けするように静香の車が。乗り込む領。
静香は領に興味を持っていた。
しかし「女はつまらない」と言う領に「あなたに女の何がわかるの?」と言い、自宅に連れて行く。
そこには静香の娘のサクラが下着姿で現れる。
「あなたのセックスを見せなさい」
サクラを相手にセックスを始める領。生まれつき耳の聞こえないサクラに気遣う素振りもなく自分勝手なセックスをする領。
静香は領のセックスに5000円の価値だと言う。
それは失格だった。
静香は会員制ボーイズクラブ『Le Club Passion』のオーナーだった。
そこでは最低でも1万円だと言う。
そこにサクラがもう5000円を追加し、領は合格となる。
それを受けるか受けないかは領次第だ。
領は「セックス」とはと考える。そして女性はどう考えるのかを恵に聞く。
恵は「愛情がなければ嫌だ」と答える。
領は静香に電話をし、パッションに加入する。
最初のお客は最初は喫茶店でお茶をしてすぐに帰ってしまう。
どうしていいのかわからない領だったが、静香に電話をすると「成功だ」と言う。翌日にも指名をしてきたという。
じらされる気持ちを味わう領。
そしてじらすことが好きだと言う客。
二人はそのまま熱い気持ちのままホテルへ。
エレベーターの中からずっとキスしてる客って嫌だな。
しかもホテルに辿り着く前に本能のままにって感じでしょうか。
大変なことになっております。
でも娼夫。付けるものはきちんと付ける・・・
性教育にいいかもよ。どんなに盛り上がっても付けるものは付けろ!と。
まぁ娼夫って段階でR15になるのかもしれないけど。
様々な女性の性を目の当たりにしていくうちに領の中の影のある部分がなくなっていく。
人と人の部分。
その表現が松坂桃李はとてもうまい。
すごく喜びを表すことの方が苦手なタイプだろうと感じる。
そしてVIPクラス対応に成長していく。
女性は真飛聖と客の江波杏子以外は私は知らないのだけど、夫婦役でなんと西岡徳馬さんが登場。年の離れた奥さんを満足させられないからと領が呼ばれてカメラで撮影されながらのセックスだ。
まぁ歪んだと思うが、多いのかもしれないな。現代社会では。
そして録っている夫も自慰行為を始めちゃうと言う展開。
ここまでメジャー級の俳優でセックスしまくりは昔観た大島渚監督「愛のコリーダ」の藤竜也以来だわ。藤竜也のお尻には勝てなかったな。松坂桃李。
ちょっとお肉が足りない。
全盛期の藤竜也の裸はお願いしたくなるくらい出来上がってたわ。
VIPになった領を最初に売れっ子になると言っていたのがVIPクラスだったアズマだった。アズマ自身はマゾヒストのため、変態客がついていることでトップだったが、領はいい意味で「普通」だからだという。
娼夫をする人間はどこかズレている部分があるが、領は「普通」だからだと。
そして、アズマは領をもてなす。演技とは言え、男性同士でキスすることってどうなの?そして舐められることって。。。
俳優さんってすごい。
松坂桃李がそのままバイになってしまったら・・・もともとだったら関係なし。
恵に娼夫だということが進也からバレることに。恵はお金で身体を売っている行為をなじる。
そして静香とも寝ているんでしょと言い放つ。
領は「恵と寝てないのと同じで静香とも寝ていない」と言う。
これはおばさんになると大切なものには手を出さないということの裏返し?と思ってしまうが、自分には見向きもしてもらえない恵はお店を出ていく。
気持ちの拠り所を求めていたのか?領は静香に「欲しいものをあげる」と言われ、静香と付き合いたいと言う。
無理やり身体を求めるが、拒絶される。
そして領はもう一度サクラとテストをして欲しいと申し出る。
そこに領指名の電話が入る。
仕事のあとでテストをするということで仕事に向かう領。
そこには恵が居た。
領をほしいがために大金を払っていた。
そして「娼夫なら抱いてよ」と無理やり迫る。仕事と割り切る領。
最後は「落ち着いたらまたバーに来て。いつでも無料だから」
本当に大切なことってこんなことなんだってもうちょっとすると思えるけど、20歳の女子には難しいことらしい。
仕事の終わりを待って静香が迎えに来る。
そのまま自宅へ。
そこで静香は話し出す。
自分も元娼婦で、客と恋に落ちてサクラを出産したこと。サクラに障害があることを知って夫は逃げて行ったと。
そしてサクラが大人になって「自分もお母さんのお手伝いをしたい」言い出し、セックスのテストをしているのだと。
そして自分は出来ない身体なのだと。
自分はエイズウィルスに侵されているのだと。。。
悲しい事実。
それが領を拒まなければならなかった理由だった。
領は全てを理解し、静香の前でサクラとセックスを始める。
前とは違う優しいセックス。
それを見て一緒にエクスタシーを感じる静香。
うーん、役者ってすごいわ。
ある時、サクラ一人でバーを訪れる。手紙を持って。
そこにはパションが摘発されたことが書かれていた。
資料は全部処分したから領までは捜査の手は届かない。
そしてその手紙には領のお母さんについても・・・
領のお母さんも娼婦だった。亡くなったときも仕事をした後に道路で倒れて亡くなったと。
娼婦のお母さんの縁で自分たち親子も巡り合ったのかもしれないと。
1年後、江波杏子演じる老女のバースデーに訪れる領。領達はまた「パッション」を再開していた。サクラをメインにして。
女性の性も男性の性もいつまでも無限なのか?
自分はもういいなぁって今は思っていても変わるものなのか?
もうさ、面倒だと思っちゃうんだよね。女であること、男を求めること。
今日はそれなりに人が入っていた。全員が一人。
隣の隣の隣くらいにおじさんが座っていたのだけど、この人が花粉症なのだと思うのだけど、鼻息は荒いし、声は出すし・・・
こういう映画では最悪だよって感じ。どの映画でも。
松坂桃李の演技はすごかった。自分の理性と演技と一緒になっちゃわないのかしら?
本当にそうなっちゃうことはなかったのかしら。
まぁ人に見られてそうなる人って言うのも奇特か?
松坂桃李の今後の活躍も楽しみだ。