【50回目のファーストキス】感想。お笑い要素と切ない要素と。

もし今日の記憶が残らなかったら

記憶の定着がないパターンはドラマ化もされた「掟上今日子シリーズ」が思い浮かぶのだけど、今回はまるで別の話し。

ハワイの雄大な景色と星空と。

それだけを見るのも大変良かったと思う。

夢の実現か恋愛か

元々はアメリカで2004年に公開された映画のリメイクなんだ。

初めて知った。

日本版ではオアフ島でツアーガイドをしている山田孝之演じる弓削大輔が変わっていく様子が面白いのかもしれない。

ツアーガイドの大輔は日本からの旅行者と1夜限りの関係を遊んでいた。

お互いに持ち腐れのない関係。

久しぶりの山崎紘菜が大輔の同僚役で出ている。「チア☆ダン」の頃とちょっと感じが違っててわからなかった。

そしてそのツアー会社の上司役が勝矢。地元の人でも十分通じるな。あおの濃さ。

ツアー会社は和気あいあいとしていて最初から面白い。

でも大輔の本当の顔は天文学の研究者。ハワイに来た理由も天文学を研究することだった。

そんな大輔の車がエンストしてしまったことでロードサービスを待つ間に入ったカフェ。

そのカフェで注文は?と言われ、朝食は食べたからコーヒーだけでいいと言う大輔だったが、なぜかスパムバーガーを頼まされてしまう。しかもピーナッツバター入りで。どんな味よ。

その大輔の顔に反射光が当たる。

そこに居たのはワッフルを切る長澤まさみ演じる藤島瑠衣がいた。

瑠衣はワッフルを切って建物を作っている。

一目惚れをする大輔は翌日もまたカフェに行くと瑠衣の姿が。

ワッフルで作っている家のドアをどうしようかとしているのを見て、大輔は爪楊枝で「こうやればいいよ」と助ける。

瑠衣はその行為に感謝し、一緒にどうぞと相席をすることに成功する。

大輔は星の話しで瑠衣を笑わせる。

お互いに自分の車に戻るとそれぞれにいい相手と知り合えたことを体いっぱいに喜びを表していた。間に居た車がいなくなると、お互いちょっと気まずい感じ・・・

そしてまた翌日、カフェに行く大輔。

カフェの店員が大輔に「話がある」と言う。が、その前に瑠衣が来て、前の日の感じのまま瑠衣の前に行く大輔。

突然知らない男に言い寄られた感の瑠衣が騒ぎ出す。

店員は大輔を外に連れ出す。

そして瑠衣のことを教える。

瑠衣は1年前に交通事故にあい、「短期記憶喪失障害」というその日の出来事が1晩でリセットされてしまう状態であった。

自分のことを忘れてしまっている瑠衣に大輔は落胆する。

それでもどうにかして瑠衣と仲良くなりたいと必死になる大輔。

英語が読めないフリをして助けてもらうとか。

瑠衣は荒手のナンパだと思いながらも助けたりしていた。が、それ以上を要求しない大輔に怒り出す。

大輔は慌てて彼女の後を追う。

瑠衣の父親役が佐藤二朗で弟が太賀。この二人がヤバすぎるくらい面白すぎる。

瑠衣は父親の誕生日にパインナップルを取りに行く途中で父親の運転している車が道路に出てきた仔牛を避けて木に激突したことで頭を強打して怪我をしてしまっていた。

その日から父親と弟の努力の日々が始まる。

記憶がリセットしてしまう姉のために、生活もリセットする。

そして毎日が父親の誕生日になっている。

弟の慎太郎はなぜかミートソースを作りながら、鉄アレイを持って筋トレをしている。変な声を出しながら。

それを見た父親の健太郎は心配する。

「え、お前・・・ゲイなの?」

「鍋の中にお前の汗がいっぱい入ってるんじゃないの」

掛け合いが面白すぎる。

瑠衣の誕生日プレゼントはピコ太郎の衣装だった。なんかまだ2年だけど懐かしい感じしかないんですけど。それを来て健太郎がまぁ生のパインナップルとココナッツを持ってするわけですが、何百回も見ている慎太郎が未だに大爆笑することに健太郎は「お前、もう何回も見てるのに何がそんなにおかしいわけ?」とマジツッコミになってる。

カフェの店員は健太郎に大輔のことを電話していた。

そこに大輔が登場し、瑠衣のことをカルテも含めて説明し、「娘には近づくな」と釘をさす。

そこに慎太郎が「僕はいいよ」となぜか自分を売り込もうとする。

健太郎はそんな息子に「顔をこの辺に持ってきて」といい、出された顔にピンタする。

まぁパニックのような感じで面白いの。

この面白さがないときっとしんみりしちゃって家族にとっても苦痛にしかならない。

そして健太郎は大輔に「カフェには行くな」と言う。

健太郎は美術の講師だった瑠衣に真っ白にした壁に絵を描くようにと毎日頼む。そのため、瑠衣が寝た後に健太郎と慎太郎は二人でまた白いペンキを塗って白い壁を作り直す。

新聞も事故の日のもののまま。

事故直前の記憶しかない彼女にはちょっとした違いもパニックになるらしい。

大輔はカフェに行くなという言われたからと今度は彼女が帰ってくる道端で会うようにいろいろと仕向ける。

そこには友人のムロツヨシのウーラも巻き込んで。

熱意に健太郎が折れる。

ある時、カフェにいるときに瑠衣の車が車検切れで取締を受ける。

彼女の記憶ではまだ先のはずの車検が切れていた。

彼女は悲しみの中で家に帰り、健太郎から説明を受ける。きっとこれまでも何度となく繰り返されてきたのだろう。

お医者様にきちんと聞きたい。

健太郎にしたらもう何度となく聞いているからと思うが、瑠衣は聞きたいという。そして大輔も。

病院で大和田伸也演じる名取医師から説明を受ける。

瑠衣は悲嘆しながらも大輔に「今日はありがとう」とお礼を言う。

そして、「明日声をかけるときには "ユリ” をキーワードにしてみて」と言う。

大輔は大輔なりにどうにかしなければと考える。

家族は家族でいかに瑠衣がパニックにならないかという結論で生活をリセットしてきているが、それは重荷である。

翌日、大輔はユリの花束とDVDを瑠衣に渡す。

そのDVDには瑠衣の状態と今をつなぐニュースが散りばめられている。

瑠衣が事故にあったのはトランプ大統領が決まる前だった。だからまだトランプ大統領になったということは記憶にない。そのため、普通のニュースは見られない。

その中になぜか「藤井聡太四段の29連勝」のニュースもある。ハワイに住んでて必要か?

新しい試みで大輔との距離は縮まる。

そして「ファーストキス」する。

瑠衣は記憶の無くなる前に「ファーストキスって素敵」と思っていたのか、記憶がリセットされるから毎日がファーストキスとなっている。

この辺になるとね、大輔の努力がほんと健気でそれまでの行為は1夜限りだからという関係を好んでいたわけだけど、今は自分がそうされている。

しかも自分の中には積み上がっていく記憶。

瑠衣とは別に元々の研究結果が認められる段階まできていた。

でも、瑠衣に「結婚しよう」と申し出る。

そのまま寝ないで朝を迎えられたら・・・夜明けの星空を見せたいと言う大輔。

寝てしまった瑠衣。記憶はリセットされ、パニックになる。

健太郎は大輔に聞く。「ハワイにはいつからいるんだ?」

10年前から天文の研究のために来ていることを告げる大輔。

健太郎は「もしその研究が認められたらどうするんだ?」と問いかける。

それを聞いていた瑠衣は日記に書いたのだろう。

翌日、仕事をしている大輔のもとへ行き、「大輔をリセットする」と告げる。

瑠衣は自分が大輔の重荷になっていることを気にしていた。

瑠衣の気を引くために奔走している大輔。「望遠鏡を覗いたのはいつ?」と聞かれて言葉に詰まってしまう。

夢をとるか、愛をとるか。

瑠衣の希望で日記の大輔の行や、スマホのデータを削除する。

そして「最後のファーストキスを」と言われてファーストキスをして別れる二人。

帰った大輔の元に研究所から招待がきていた。

ハワイから旅立つ日、健太郎と慎太郎も見送りに来ていた。そこで瑠衣が入院していることを聞く。

「これ以上重荷になりたくない」と。

慎太郎は最後の最後までハグしてキスまでしようとして健太郎にピンタされて終わるという一連のコメディ。

飛行機に乗った大輔はパソコンを開く。そこには自動転送されたんだろうね、画像データが削除されずに残っていた。

それを見た大輔は飛行機から降りて瑠衣の元へ。

入院している瑠衣は同じ症状の方へ美術指導をしていた。

そこへ大輔が登場するが、「あなたの名前は?」と冷静だ。

「大輔」と告げると「大輔、ついて来て」と病室へ連れていく。

そこには瑠衣がが描いた大量の「大輔」があった。

瑠衣は誰だかわからないけど夢に出てくる人物をずっと描いていた。

感動しちゃうよね。

で、終わりになるかと思ったのだけど、また瑠衣の寝起き。

そこにはスマートスピーカーの存在があり、DVDをプレイする。

それを見て瑠衣は外へ。

そこには夜明け前の満天の星空と大輔と一人娘が。

もう良かったねぇ〜っておばちゃん気分だわよ。

山田孝之の普通の役?って久しぶりって感じでやっぱりカッコいいわねって感じ。なんか髭面だったりヤクザだったりって感じのイメージが強かったのだけど。

長澤まさみは30であの脚の綺麗さって何なの?ってくらい細いわ長いわ。

最近は「散歩する侵略者」「嘘を愛する女」ときて今回の作品と言い、健気な女性像って感じ。ちょっと強いんだよね、どれも。でも素直に幸せになれない感じで。

オアフ島に移住したくなった。うん。

みんな英語がうまくて驚いたんだけど。長澤まさみなんて中国語まで喋ってたけど。