【映画 空飛ぶタイヤ】感想。それぞれの立場で守るべきもの。

豪華すぎる俳優陣

エンドロールを見ていても豪華よ。ほんと。

久しぶりの長瀬智也の主演映画ってことだけど、他の豪華俳優陣に負けないインパクトで引っ張ってたと思う。

原作を読んでいたけど、登場人物がカッコ良すぎる。

「相棒」の登場人物が多数出演

まぁ最初に出てくるのは長瀬智也が社長を務める赤松運送の整備士の谷岡役の六角精児。

原作は三菱自動車のリコール隠し事件をモデルとしている。

マークが日野自動車?って感じだったけど、財閥系ってことで。

大企業のリコールを暴くことの大変さが本当にわかる。

まず事の発端は赤松運送のトラックのタイヤが脱輪し、歩行者に当たって即死してしまったこと。

事実だけを見たら、運転手、トラックの整備不良の過失で片付けられてしまう。

リストラ候補だった阿部顕嵐演じる門田は見た目が金髪でチャラいイメージのため、整備不良の責任を負わせられる。事故の前、門田のリストラを止めた社長ではあったが、死亡事故が起きてしまい、その整備をしたのが門田だったことで、責めてしまう。

門田が辞めたロッカー。

そこには会社の規定以上の整備項目が記されていた。

彼の整備不良ではないことが誰の目にも確かだった。

それでも人が一人亡くなっている事件。警察は会社に家宅捜索に入る。

あ、刑事の高幡役寺脇康文よ。久しぶりの薫ちゃん。しかも刑事役。

相棒よりもしっかりしているけど。

事故のせいで契約を打ち切る企業も出てきて、ホープ銀行には融資を断られてしまう。

それどころか、貸し倒れ前に全額返済を求めてきていた。

家宅捜索が入ったものの、社長が逮捕されない状況に専務宮代役の笹野さんは群馬でも同様の事故があったことを社長に伝える。

原因は何なのか?

漠然とした状況の中、赤松は模索する。

群馬の運送会社の社長野村役の柄本明は言う。3年前にもリコール隠しがあった。じゃあ変わったと言えるのか?と。大企業が変れるはずがない。と。

車両の構造に欠陥があったのでは?

赤松はホープ自動車に再調査を依頼する。

販売店にはなぜかTKOの木下隆行。あれ?相方の木本武宏どこに居た?

嶋本って何の役だっけ?増えすぎててわからない。

ホープ自動車の誰かだよね。きっと。

販売店に掛け合ってもしょうがないことを知った赤松は直接ホープ自動車の販売部に掛け合う。沢田役のディーン・フジオカ登場。

大企業の課長ってことで最初は赤松からの電話に対応しない。

それでも会社を守らなければならない赤松はしつこく問い合わせる。

顔の見えない相手に。

ここで自分たちが罪を認めるわけにはいかない。そうしたら会社は潰れる。社員も家族も守らなければならない。

しかし、被害者の夫柚木役の浅利陽介には不誠実にしか映らない。

相棒キター。

もうさ、浅利陽介見ると、青木にしか見えなくて。まぁ今回は可哀想な夫役なんだけどね。

「あなた達はそれでも人間ですか!」

守るべき家族を失った悲痛な叫びしかない。

沢田は品質管理の室井から質問される。「赤松運送から何か言われてないか?」

自分が無視し続けている会社からの問い合わせを気にする品質保証部。

何かあるのか?

同僚の車両製造部の小牧役のムロツヨシを呼び出す。

そこで何か動きがあるのではないかと聞く。

ムロツヨシこういう役合ってるわぁ〜。

小牧は品質保証部の杉本役の中村蒼を連れてくる。杉本は内部事情を知っている上で何が行われているかを告げる。

「リコール隠し」

T会議を言われる会議で行われていることを認識する。

ホープ銀行ではホープ自動車の常務取締役狩野役の岸部一徳が融資の申し込みに来ていた。

岸部一徳来たよ。

まぁちょっと悪いおじさん役も合ってるわね。

そして融資の稟議をあげるのが本店営業本部の井崎役の高橋一生。

井崎は前回の融資を通してしまったが、その後下方修正がありすぎることを理由として稟議をあげようとしなかった。

井崎の元彼女役で週刊誌の記者榎本役で小池栄子。久しぶりに小池栄子観た気がする。

榎本は井崎にホープ銀行の融資情報を聞き出そうとしていた。

まぁ企業秘密だからそんなことは言わないが、同列会社の自動車からはどうか?と聞かれて根拠を聞く。

榎本はリコール隠しのときの同じような事故が続いていることを伝える。

ホープ自動車のリコール隠しの可能性を知る井崎は稟議を上げようとせず本店専務取締役、課長代理に交代させるとも脅されるが、本店営業部部長役の津田寛治から「俺がどうにかする」と言ってもらう。

井崎は赤松とも接触する。井崎の雑誌が出れば会社はどうにかなるのではないだろうか。

沢田は赤松と直接会うことにする。雑誌が動いていることを知った沢田は赤松にお金を補償することを提案する。

喉から手が出るほどお金の欲しい状況の赤松は持ち帰る。

しかし、そのお金を受け取ることは自分たちが罪を被ることだと言うことに気づく。

雑誌にリコール隠しが出る。

沢田は販売部の保身を考えた対策を実名入で社長へ提出する。

事情を流している人間の犯人探しで品質補償部の杉本の名前が浮かぶ。

解雇しようと考える品質保証部部長役の木下ほうかだったが、常務の狩野はそんなことをしたらリークされ放題になる。と、違う方法を伝える。

沢田には内部告発をしないように品質保証部への移動。杉本は地元大阪へ左遷人事が下る。

雑誌の発行はなかった。

財閥系を敵に回す記事を掲載することは事実上不可能だった。納得のいかない赤松は出るはずだった記事を見せてくれと榎本に迫るが、断られる。

しかしその代わりに過去にあったホープ自動車の車体での事故で整備不良を疑われた事故のリストをもらう。

そのリストを1件1件訪ねて情報を集める赤松。

ある会社でリストに載っていない会社のことを聞く。それは富山ロジスティクスだった。

元整備課長役の佐々木蔵之介が自分の整備不良ではないと主張し、いろいろな資料を集めたが、社長が元ホープ自動車ということでそれ以上何も出来なかったと。

その資料を持ってホープ自動車へ。そこには沢田から交代された販売部の課長が。

やっと顔が見えたと思った相手がまたいなくなった赤松。

赤松は集めた資料を見せる。それは整備不良と言われたものが新車であり、整備不良ではないことが明確なものであった。

その資料を持って、自分たちの家宅捜索に来た刑事のもとへも行く。

刑事にとっても一度家宅捜索した相手からの資料をどこまで信じられるか?とプライドが揺れる。

大阪へ行く前に杉本が1台のPCを沢田に渡す。厳重な管理がされているはずのパソコンだが、数ヶ月前に故障で廃棄処分としたものだという。

そのパソコンにはそれまでのリコール隠しの資料が経理されていた。

沢田に託す杉本。

いろんなところでいろんな形の正義が繋がっていく。

大企業の中でも腐敗を許すまいと動く彼ら。

やっと警察が動き出した。ホープ自動車への家宅捜索が始まった。

そして例のパソコンは高幡の元へと行っていた。

取調室の狩野と高幡。

私からしたら薫ちゃんと官房長でしょ。

全てが明らかとなり、赤松運送は晴れて新しい銀行から融資を引き受ける。

そのまま、ホープ銀行との取引を取りやめる。

「コンプライアンスがあるので」

苦しい時に助けようとしなかった銀行を切った赤松であった。

柚木家を訪れるとやっとお線香をあげさせてもらえる。

柚木も自分が言った数々の言葉を謝る。そして民事での訴訟も取り下げたと。

守るべきもの。

簡単に自分たちが整備不良と言ってしまうことは結局は事件を曖昧にし何が悪いのかの根本解決にはならない。

もっと早く他の会社が自分たちの整備不良に反論すべきだったのだと思う。

そうすれば防げた事故なのかもしれない。

三菱自動車はまだ生きている。

まだまだリコールがあるイメージではあるが、少しは変わってきているのだろうか?

この映画のエンディングテーマがサザン・オールスターズの「闘う戦士たちへ愛を込めて」

闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて

闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて

  • サザンオールスターズ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

うーん、予告ではサビの部分だけだったから余計に違和感だったのだけど。

最後までしっくりとはこなかったなと。

企業のコンプライアンス、それでも潰れない企業。

社内に正義がきちんと生きていればと思うばかり。

赤松の妻役で深田恭子が出てたのだけど、肝っ玉母ちゃん的で「社長さん頑張って」って。

社長なんだから弱さを社員に見せちゃだめとか、鼓舞する感じが良かった。

まぁ出演者多数過ぎてどこに誰がいたのかもわからないくらい。

「万引き家族」に勝てるか?

「ワンダー君は太陽」の方がオススメしたい1本になってしまうのだけど。