【映画 焼肉ドラゴン】感想。私には理解ができないとしか言えない。

映画だから?

舞台がとても大反響でって言うことを大泉洋が言っていて、ストーリーもなんとなくは知った感じだったけど、見ていて「不快」以外の感情がわかなかった。

それが違う人には「感動」とかがあるのだろうか?

私には最後まで意味がわからないとしか言えない。

思いやりの欠片も感じない

登場人物の全ての演技が過剰。

そういう脚本であり、世界観なのだろうけど、私が感じたのは「エゴと見栄と自分本位と」のぶつかり合い。

1969年の高度成長期。国有地を不法占拠した集落。

大阪伊丹空港の脇辺りなのだろうか。

在日朝鮮人の家族の話。

複雑な人間関係。俳優陣も韓国人と日本人とって感じで。主演は長女の静花役の真木よう子。真木よう子のその前の役が「虎狼の血」の印象だったからとても健気だけど、これまた自分のエゴを押し付けた感じが好きになれない私。

そして次女の梨花役の井上真央。井上真央の中では一番今までで一番わがままな役じゃないだろうか?今までの役を考えると長女と次女の性格が逆って感じがする。

そのくらい梨花ははっちゃけ過ぎている感じがしてこれまた嫌い。

思いやりという言葉の欠片がどこにあるのかわからない。

その夫になるのが大泉洋の哲夫。喧嘩っ早くて婚姻届を市役所に持っていって相手の態度が気に入らないと破ったということから始まる。

ただただうるさい。

父は第二次世界大戦に従軍して左腕を失い、故郷を失い、次女と長女を男で一つで育てており、三女の美花役の桜庭ななみを連れたオモニと再婚し、二人の間に長男となる時生が生まれる。

時生は「あーーーー」としか言わない。ナレーションは時生だが、会話をしない。

屋根の上で時間を潰す。

父は焼肉店をしていた。

焼肉店では常連の方も集まって結婚祝いをしようとしたところで大喧嘩で帰る二人。

在日朝鮮人ということへの差別などがあったのだろう。

哲夫は仕事もせずにプライドばかり高い夫ってことでほんと嫌なタイプだ。

それをただ嫌味でネチネチ言う梨花も。それをたしなめる長女の静花。

静花と哲夫は幼馴染で哲夫は本当は静花との結婚を願っていた。それを知っていながらなぜ梨花は結婚したのか?

姉のものを欲しがる妹の心理か?

静花は怒る梨花を気遣って「てっちゃん謝って」と言う。それがほんとに嫌な女だよ。私の言うことは聞くからとでも言いたいのか?

美花は美花でナイトクラブの社員の長谷川役の大谷亮平と不倫関係であった。

ナイトクラブには長谷川の本妻で美根子役の根岸季衣が歌手としているのに、見えるか見えないかの場所でキスをしている二人。

別にね、不倫することをどうこう言わない。でも、本人の前でってどういう神経してるんだ?ってことだ。

嫌い〜。

時生は時生でなぜか私立中学へ通わされていた。

今だってやっぱり私立に行ったら、貧富の差でいじめがある。それに在日朝鮮人ってことは標的にしかならない。

そんな時生は結局、失語症にまで追い込まれる。

それなのに、父親は「そんなので逃げてたらここで生きていけないんだ」と自分のエゴを押し付ける。

どこにも逃げ場所がない時生。

学校へ行けば、徹底的にいじめられる。

それを見た母は「やり返しに行く」といじめに対しての対応が最悪なことしか思いつかない。そして哲夫は「なぜやり返さない」と言い出す。

勝手なことばかり言ってんじゃないよ!と思わず言いたくなる。

時生は学校へは行かずに逃げていたのに、出席日数が足りないことで父が学校へ呼ばれる。

このままだと「留年」になると言う。

学校は「公立に行けば義務教育だから行かなくても卒業できる」と言われたのにもかかわらず、父は「留年させる」と言う。

ただのエゴでしょ。

自分が日本で存在する立場が低いことで子供には教育を与えてどうにかと思っているのだろうけど、全然理解していない。

追い込まれた時生は結局、橋から飛び降り自殺をする。

追い込んだのは誰?

学校?

友達?

家族でしょ?父親に対して誰も意見を言えず時生の意思を誰も慮ろうとしていなかったでしょ?

これでどこが「絆」を感じる映画なの?としか思えないんだよね。

仕事もせずにいる夫にイライラする梨花はなぜか他の客と不倫を始める。

泣きながら店に来た男性を慰めているうちにキスをし始めるか?

展開がおかしすぎる。

そして堂々と不倫。

静花にも他の男性が。その男性の存在が許せない哲夫はお酒を進める。

駆けつけ3倍から返盃を繰り返す二人。

その行為の愚かさは私には笑えない。

ヤカンが空になると代わりのヤカンを持ってくる静花。そこで笑いが聞こえたけど、どこが笑えるんだ?って思ってしまった。

静花と男性が婚約するという。

哲夫は不倫を続ける梨花じゃなく、静花に「北に帰る」と告げる。

そして「一緒に来て欲しい」と。

男性と大喧嘩となる。そして止めた静花のかばった相手は哲夫だった。

ちゃんちゃん。

「え、俺の存在は?」一人外に置いていかれる男性。

本当に意味がわからない展開。

思いやりとかそういうものの欠片もほんとない。

結局、静花と哲夫、梨花と不倫相手というカップルが成立し、美花も長谷川の離婚が成立し、結婚をさせて欲しいと言いに来る。

オモニの娘。

いなくなった時生。オモニは反対する。

父は「大事にしてやってください」と言う。

自分の本当の子じゃないから?

美花にはお腹に子供が出来ていたこともあったのか?

そして焼肉店は立ち退きを迫られる。

元は国有地。父は誰かから買った土地だと主張するが、元が国有地であるわけで売買が成立するわけもない。

そして家族がそれぞれの家族になり別れる。

うーん、高度成長期とは言え、在日朝鮮人の就職は厳しい時代だったのだろうか?

見ていてモヤモヤしかない。

これはただ好き嫌いってだけの問題だろう。

感動するって人がいるかもしれないが、私には理解できない。それだけ。

洋ちゃんが出てなきゃ見なかった。それだけ。

わざわざ豊洲まで行った映画、2作目。どっちも豊洲しか近場で上映がなかったからなんだけど、意味がわかるわ。

豊洲でも一番大きなスクリーンで初回上映回で何人入っていたのだろう?

一番大きいスクリーンは迫力があっていいなって思ったけど、そこまで大きいスクリーンじゃなくても良かった感もある。

あくまでも私の主観。私の嫌いな世界観だったってこと。