【映画 億男】感想。お金の正体を考えてしまう

もし億女になったら?

お金の正体とは?幸せとは?

「教誨師」では死刑囚が借金を出来たことを喜んでいた。何もない自分にお金を貸してくれるところはないから。借金が出来るということはお金を貸してもらえることだってことだと。まぁ連帯保証人だけど。そしてそこからどんどん落ちて死刑囚になってるようなのだけど。

突然億のお金が入ったら?

考えるし、全てのセリフに重みを感じた。

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1万円札と1円玉の重さは1g

1万円札と1円玉の重さは同じ1g。

でも価値という重みはまるで違う。

九十九役の高橋一生と一男役の佐藤健。

二人のクランクインがモロッコってことでオープニング映像がモロッコ。

モロッコというところは案外知らない場所だなっていう感じ。

アフリカの左上なんだ。

マケラッシュってモロッコだったんだ。昔の松田聖子の歌にあったなと。

サハラ砂漠は知っててもモロッコは知らないって感じで。

壮大なサハラ砂漠。それがかなり物語のキーとなることは終盤にならないとわからない。

サハラ砂漠から突然、何かのパーティ。

場違いな雰囲気の一男がその光景を見ている。

九十九がその中心へと一男を連れ出す。

何のパーティなのかもわからないまますごい状態になってくる。

ハイヒールにシャンパンを入れて飲み干す二人。

異様な光景が広がっている。

突然あきらと言う女性が一男のスマホを奪い、一男の指紋でスマホを開き、ラインの交換をする。

セキュリティなんてないのね。

翌朝、その場で目が覚める一男の前に九十九の姿も他の客の姿もない。

突然のことに戸惑いながらも手がかりを探し始める一男はあきらに連絡を取り、九十九の行方を尋ねる。

しかしあきら(池田エライザ)は九十九と直接の繋がりはないという。

そこであきらは九十九の知人を紹介する。

九十九と同じ「バイカム」という会社の元CTOのスーパーエンジニアだった百瀬という男。

北村一輝なんだけど、まぁ太らされてるわ、ひげがあるわ、黒縁メガネだわで北村一輝感はまるでない。

競馬場のVIPルームで九十九のことを聞こうとするが、まずは九十九との関係を話すことになる。

そこでことの経緯が判明する。

豪遊までのいろいろなことが。

まず、借金3千万円があること。借金返済のために図書館司書と夜にパン工場のバイトでただただ借金返済のための生活をしていること。

妻子とは離れて生活していること。

子供との面会でたまたま通りすがりの人からもらった券でガラガラをしたところ、宝くじが当たったこと。

その宝くじで3億円が当たったこと。

突然大金を手にしてどうしていいのかわからず、大学時代の親友の九十九を訪ねたこと。

九十九からお金どこにあるの?と言われて現金化して九十九のところに持ってきたこと。

そしてその場所で夜にパーティーがあって翌朝になったら九十九とお金がなくなっていたこと。

こうやって書いてても他力本願な生き方だなって感じなんだけど、一男は借金を返せたら家族一緒に生活できると信じていた。

本質はそんなことじゃないと思うのだけど。

借金をしてても頑張って生活しているご家族はたくさんいる。でも、妻が子供を連れて出ていく理由は何も「借金」だけではないのではないかと思う。

その話を聞き終えた百瀬はお金を言い出す。コンサル料が1時間何万もするということでこのつまらない話を聞いただけで1万ちょっとだと。

お金の価値とか重みとかということを何も考えない人間には理解できない展開。

そして百瀬は自分の100万で競馬で賭けろと言う。

そこで3連単だったのか?一男は1億を儲ける。運はまだある。

最終レース、その儲かった1億を全部入れろという。

3千万円を返したい

それしかない一男は渋る。そもそもが自分のお金ではない。

そして・・・結局は負ける。

1億が瞬間でなくなる。

百瀬は言う。お金がいってもどっただけだと。

頭の中をただ漂っただけだと。

最初から百瀬は一男の馬券を買ってはいなかった。だから損も得もしていない。

もちろん一男も。

宝くじもそもそもはそんなものだと言う。

人からもらった抽選券でたまたま当たった宝くじが当たっただけなわけで一男自身が何かしたわけではないんだよね。うん。

そして次は元「バイカム」のCFOの千住の藤原竜也に会う。

藤原竜也も貫禄を出すために太らせたのかな?

Tシャツ姿が中年だった。

ってもうそんな年なのか?

CFO=最高財務責任者

結局は千住手動でバイカムは売却された。500億?で売れるということで。

だから九十九が連絡を取るはずはなかったが、ここでもお金の価値がわかる。

カリスママネーアドバイザーと言う立場で怪しいビジネスを行い、「借金で妻子が出ていった。借金を返して妻子とまた生活をしたい」という信者に1万円札を渡し、「破れ」という。

千住が渡した「1万円」であってその信者のものではない。

それでも人はお金に囚われているのか破ることが容易にできない。

お金持ちになってどうなりたいか?

一男は「お金を使う側になりたい」と言う。お金に振り回されるのではなく使うこととなっていた。

最後は十和子の沢尻エリカと会う。元「バイカム」の広報IR。

公団住宅で質素な生活をしていた。

そこにもお金について語る十和子の姿とお金の正体に苦しんでいた九十九を知ることが出来た。

そして九十九から一男のことを聞いたことがあることも。

そこで一男と九十九の出会いが回顧される。

大学生の二人。落研の飲み会の場で一男と初対面だった九十九はいきなり一男に寄りかかり嘔吐してしまう。

介抱し、送り届ける途中で普段はどもってきちんと喋れない九十九が突然落語を始める。

落語は流暢に話すことが出来ていた。

大学時代の二人は落研のエースだった。

九十九 + 一男 = 100点コンビ

お客様の入も満席だった。

二人はモロッコへ旅行する。

ホテルがわからず迷っていると地元の人が寄ってきて「お金はいらない。連れてってあげる」と親切にするが、現地に着くと「ちょっとでいいからお金をくれ」と言い出す。

ちょっとならと出そうとする一男に九十九は断固とした態度で出すことを拒否する。

市場でお皿を見ている九十九に一男は声を掛けながら倒れて商品を壊してしまう。

怒鳴りまくる店主。

目が覚めるとベッドの上だった一男。九十九に謝る。

そしてどうしたのかと聞くと払ったという。

足元を見られたけど、一男をいち早く病院に連れて行きたかったと。

34万円。

簡単に払える金額ではない。

九十九は戻れば保険でどうにかなると言ってくれる。

そしてサハラ砂漠を見学し終わった九十九は大学を辞めて起業すると言い出す。

モロッコ旅行で決意したという。

そしてお金がかかるしどうするんだ?という一男に九十九は「バイトしたお金で株をやって1億貯めた」と言う。

同じ時間を過ごしていたと思っていた人間が突然「億男」だったら?

モロッコ旅行は一男は安い宿、安い飛行機を探したのに馬鹿だったなと言うが、九十九は「じゃあ俺が全部出すと言って君は来たかい?」と言う。

その頃からお金の正体を知ろうとしていた九十九とただお金に振り回されていた一男。そのまま大人になったのだなと。

3億円当たったからまた一緒に暮らそうと妻の黒木華に言うが、「あなたは変わってしまった」と取り合わない。

娘のバレエ教室を辞めさせるとかそれがきっかけらしいが、きっと借金を返すことしか頭にない生き方になった夫に愛想が尽きたのだなと。

そしてバレエの発表会で離婚届を渡す。

その帰りの電車の中に突然九十九が現れる。

お金を1gも変えずに。

そんな九十九に一男は「僕は信じてたよ。きっと何かあるのだろうって。」と言う。

そして「芝浜なんだろう」と。

突然お金を持ってしまった親友が変わってしまうことを案じたことであった。

かつて自分がお金が増え、会社が大きくなったときに社員を信じられなくなっていったことがあり、それを教訓にしたのだろう。

一男は3億円が「運」だけで手に入り、もし何も考えずに手にしたらきっと瞬間でなくなり、人間としても落ちただけだったのかもしれない。

親友を思い出し、その親友の過去の苦悩をその仲間だった人から聞き、お金の正体を客観的に見られたことはとても良かったのだろうなと思う。

話がしたいよ

話がしたいよ

  • BUMP OF CHICKEN
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

エンディングテーマが「話がしたいよ」BUMP OF CHIKENだったのだけど、予告の切り取り方が秀逸だったと思う。

情景とか。

多くの俳優さんが出るわけではないけど、全ての俳優さんが役になりきっていてすごい映画だった。

北村一輝なんて言われても全然そんな感じがしないから。

高橋一生の大学生感とかどもりとか。

お金ってなんだろう?まぁなきゃ駄目だけど、なくてもどうにかなると思ってる。

「金は天下の回り物」

私が信じているのはこのことわざかな。

ピンチの時には必ず救ってもらえている。だからピンチの人には惜しみなく出してしまってきたのも事実。

貸しているお金(あげたと思うようにしている)の方が上回ってるかもしれないけど、でも、ここまで成長するためにはきっと自分の知らないところで多くのお金が使われてきているだろうなって言うことを考える。

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