原坊の歌声が映画の雰囲気にピッタリ
予告映像ではサビの部分と映画の一番キレイな部分がマッチしていてとてもいい雰囲気だった。
最近、バカな青年役が多い、野村周平とイケメンなんだけど、最後は変態の犯人になる成田凌と。
まぁどの映画にも出ている黒木華と。
過去のモノクロモードの部分はとてもいい雰囲気だと思った。
ドラマ版との比較
ドラマは11話で、もっと多くの本にまつわることを1話完結でやっていた。
栞子を剛力彩芽、大輔がAKIRAで。私はそっちのほうが好きだったな。
まぁ映画では栞子を黒木華、大輔を野村周平がする。
そして夏目漱石の「それから」と太宰治の「晩年」を掘り下げる。
漫画を当時読んだ気もするのだけど、もう忘れてしまっている。
鎌倉に本当にある建物なのだろうか?
というくらい雰囲気のある「ビブリア古書堂」行ってみたいと思わせてくれる。
話は大輔のおばあさんのお葬式から始まるわけで。
食堂を営んでいたおばあさんのカツ丼には梅干しが乗っている。
珍しいなぁと思うがそれは伏線。
大輔の中のおばあさんは優しいが4歳の時に激しく怒られたことで活字が読めなくなってしまった。
それは夏目漱石大全集の中の「それから」を手にとったから。
亡くなって遺品整理をする中で「それから」を見ると、そこには
夏目漱石 田中嘉雄 様
と書かれていることに気づく。
中にはおばあさんの若い頃の写真と「ビブリア古書堂」の値札が入っていた。
大輔は「ビブリア古書堂」に本を持っていき、サインが本物かどうかを教えて欲しいと言う。
店主の栞子はサインは偽物だと言う。
栞子は「それから」にはおばあさんの秘密が隠されていることを言う。
気になる大輔は自分が怒られた原因がそこにあるのでは?と栞子に教えて欲しいと言う。
そして、男手が必要ということでアルバイトをすることに。
東京オリンピックの年、「ごうら食堂」に東出昌大演じる田中嘉雄が訪れる。
対応をする夏帆演じる絹子。二人の対面は普通だった。
絹子は「おすすめはカツ丼です!」と売り込む。今みたいにメニューがあってってことではなかった時代なのか?
嘉雄はカツ丼を注文する。
まぁよくタバコを吸うわってくらい吸っているシーンが多いが、とても似合っている。
小説家を目指しているということで雰囲気はあると思う。
カツ丼が出てくると上にのっているグリーンピースに難色を示す。
カツ丼にグリーンピースって・・・昔は何にでも彩りでのっていた気もする。
絹子はそのグリーンピースを取り除き、自分で食べてしまう。
おおらかだ。
テレビでは東京オリンピックのマラソン中継中という感じで他のお客はみんなテレビに熱中している。
嘉雄は自分の身長を気にしないまま店を出ようとして思い切り頭をぶつけて気を失ってしまう。それを介抱する絹子。
気になる嘉雄はそれからたびたび訪れてはオススメの本を貸している。
50年前と現代を行き来する流れだけど、50年前の雰囲気がとてもいいなぁと思った。
現代では大輔に栞子が言う。「あなたの名前はおばあさんがおつけになったのですか?」
大輔は母親に聞くとそうだと言う。
そして栞子の推理を聞き、自分のルーツに疑問を持つ。
祖父母が結婚したのは1960年だと言う。そして「それから」が贈られたのは64年だろうと。そして母が産まれたのは65年。
母の父親は本当に祖父なのか?
50年前の二人は本を通じて距離が縮まる。
絹子は夫が居る身でありながら気持ちが揺れる。
お店で本を読み合っていたが、さすがに気まずくなり朝夷奈切通りで待ち合わせることに。
嘉雄は家族に反対されながらも小説家を目指す。そして西伊豆に一人籠もりながらも絹子に用事を頼み持ってきてもらう。
ってさ、北鎌倉から西伊豆って50年前にそんな容易に行ける場所だったの?がとても疑問で、二人は結ばれて、写真も当時撮られたものだった。
足を怪我した栞子を助けようとする大輔は買い出しにも付き合い、そこで成田凌演じる稲垣と対面する。
稲垣は積極的に栞子に近付こうとする。
本好き同士ということで話しの合う二人を邪魔したい大輔ではあったが、本にしか興味がない栞子には届かない。
まぁ頭のいい役ではないから、イライラするのだけど。
稲垣は漫画専門のネット通販をしているが、「人造人間」を盗まれたと言う。ネット通販なのになぜ?と聞くと買い取りをしている時にその客が本ごといなくなったのだという。
その住所を見て栞子は「お家がわかるかもしれない」と書きかけの住所を見て家を探し出す。
「煙突のある家」
暖炉のある大きな窓のある家を見つける。そこに「人造人間」を持ち去った人物がいて反省している。
しかし、栞子はその相手の気持ちも汲み取る。目が見えなくなると思ったら自分も同じことしてしまうかも・・・と。
いや、これは犯罪でしょ?と正論を言っている大輔。
稲垣は「この本、貸しますから」と。一人納得できない大輔。
そして栞子は自分の秘密も打ち明ける。
「私の秘密も共有してくれますか?」大輔としたら舞い上がるセリフ。
そしてなぜかボタンを外し始める栞子。
首からかけた紐の先に鍵があった。
それは金庫の鍵でその中には大切に包まれた太宰治の「晩年」があった。
それはお店で一番高い本だった。
初版でアンカットの本はもう実在してないのではないだろうかと。
その本を狙っている人に突き落とされて、足をけがしたこと。
そしてメールがどんどんエスカレートしていること。
大輔は助けますと言う。
狙われているのにお店を開けてラーメンを食べに行くか?の間に放火される。
ボヤで済んだが、偽装本を出されボロボロにされる。
そこには稲垣もいるのに、平気で秘密をことを言い出す。
「原本ありますか?」って。馬鹿か?こいつはってつぶやいてたわ。
そして「僕に任せてくれませんか?」と持ち帰る。
家に入って、鍵もかけずに本を確認しようとする。ほんと馬鹿でしょ?
そして後から入ってきた人物にスタンガン押し付けられて気絶して盗られちゃうというお決まりのコース。
アホでしょ?
翌朝、謝りに行ってそれもニセモノだったことで「自分まで騙してたんですか?」ってアホでしょ?
もう一人外野がいるところでなぜ言うかな?
そして犯人が決まったと思わないのかな?
それで裏切られたって勝手に思ってお店を辞める。器の小さい役ばかりって気もするが、似合ってるわ。残念ながら。
犯人は稲垣だった。
稲垣は幼い頃に祖父の古書堂が火事で燃えてしまっていた。その最後に祖父から渡されたのが「晩年」であったが、一緒に燃えてしまい、他人の「晩年」ではあったが初版本ということで「自分のもの」と思い込んでいた。
大輔は喫茶店で「人造人間」のときの人物が普通に見えていることを知る。そして「稲垣に頼まれて火を付けた」ことも聞き出す。
やっと犯人の正体に気づき、お店に向かう。
そこには稲垣が既に自分の正体がバレたことに気づき、直接脅しに来ていた。
栞子の妹の機転で稲垣の動きを止めて大輔の運転する車で逃げる。
逃げるはいいけどさ、なんで窓を開放した状態で?
別に窓閉めて、ロックしてたらスクーターで追ってくる人間なんてそこまで怖くないでしょ?
それなのに、なぜか埠頭の先端まで行って車からわざわざ降りてスクーターに追われる。
アホでしょな展開。
しかもスタンガン持ってる相手に普通に向かってくし。
突き落とせばいいだけなのに、足止めしようとしかしなくて結局蹴られて、首を絞められて窮地におちる。
栞子はこの本が原因だからと本を海へと投げる。
結局はさ、この大輔という人間に秘密を共有したことで招いたことで本は海の藻屑となったわけだ。
そして稲垣は嘉雄の孫であり、二人は同じ祖父だったってことなんだろうけど。
嘉雄の子を身ごもった絹子は嘉雄と一緒になろうと家を出ようとするが、そこで言われてしまう。「そのお腹の子は俺の子だ」とその一言で踏みとどまる。
そして「それから」に全てをこめて50年生きてきたわけだ。
おじいさんは全てを知りながら許したってことなんだろうか。
それがすごいと思う。
食堂なんかしているとさすがに夫婦でしなきゃ成り立たないからってことだったのだろうか?
おじいさんがあまりにも気の毒だと思ってしまった。
東出昌大と夏帆の部分が一番良かった。
現代はね・・・うーんちょっとバカすぎな展開すぎてねイライラする。
最高だったのはエンディングのサザン・オールスターズの「北鎌倉の思い出」だな。
鳥肌が出るくらい良かった。
原坊の歌声がほんと良かった。