【映画 新聞記者】感想。現代の内閣というところとメディアのあり方

どこまで報道は許されているのだろう?

現政権の問題を取り上げていると思われる題材。

加計学園問題は本当に獣医学部の設立だったのか?

獣医学部なのになぜあそこまで国会を揺るがすほどのものになったのか?

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キム・ウンギョン

韓国の女優さんと松坂桃李のW主演の作品。

新聞記者の吉岡がキム・ウンギョン。上司が北村有起哉。そんな新聞社。

各報道機関での熾烈なスクープ争いはあるものの、後追いがなければそれは「誤報」とされてしまう。

それが「誤報」でなくても情報操作でいくらでも「誤報」が作り出されることがわかる作品だ。

内閣情報調査室の官僚杉原が松坂桃李。その上司が田中哲司。

どちらも立場的に自由ではない。

何かしらの脅迫を受け、それでも自分がどうしたいのかを模索する。

新聞社に届いた内閣府が設立を目指す新設大学の情報。

その真相を知るために吉岡は奔走する。

最初はまるで接点がない二人。

杉原は上の命令のままに「国の平和を守る」という正義のもと、情報操作を行う。

本当にしているのか?

twitterへの追加の後追い情報。

世論を操作しているのが今の内閣情報調査室というところのようだ。

あくまでもそれが真実かどうかではなく、内閣が安泰であることが目的の部署。

日本の官僚はきっとそんな感じで長いものに巻かれる文化があるのだろう。

でも、自身の良心の呵責に耐えかねてリークをした結果が新聞記事になる要素になるのかもしれない。

そして長いものに巻かれない人種も出てきているのかもしれない。

それが最近の「2000万円不足」問題だったりするのだろう。

政府としては公にしたくなかった問題だろうが、官僚が黙っていられずに公になった。

新聞記者も「調べておけ」と言われて地道に調べてれば、上からの圧力で「するな」と言われる。

これはきっと今の内閣の姿なんだろうと思える。

杉原は外務省から内調への出向であり、外務省に戻りたいという気持ちを支配されているようだ。

意に介さないことも命令どおりにするしかない。

それでもそれが明るみになった時にとかげの尻尾にされるのも実は彼らなのだろう。

そんな中、外務省時代の上司が飛び降り自殺を図る。

なぜ?

杉原の中にも疑念が湧き出す。そして吉岡と接点が生じ、元上司の自宅で上司が残した資料を見て、もっと隠されていることがあるのでは?と協力することを決心する。

そこには生まれた子供に対する呵責だったのだろうか?

情報を写メで撮ってそれを吉岡の上司陣野に説明する。

だが、それだけではまだ弱い記事だと言う言葉に「自分の実名を出してもらって構わない」と言う。

記事が公になった。

吉岡の記事には上からの圧力もありながら他社の後追いがあるという状況。最後の手段に出たいと杉原に連絡するが通じない。

その頃、杉原は上司の多田に呼び出され、恐喝のような対応を受けていた。

惑う杉原。

最後は二人が横断歩道を挟んで対面した状態で終わる。

その後はどうなったんだ?はきっと想像させるような作りだ。

杉原は自殺を選択しかねない状況ではあった。守りたい正義と守らなければならない家族と。

まぁいろんな問題を提起している内容だ。

まだ日本でこのような作品を作れる環境があることだけでも喜ばしいと考える。

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