この1年
樹木希林さんの訃報から丸1年。
それでも、その数年前までは1年に1作品って感じの出演だったのが、昨年3本、今年になって2本の上映。
期限を知り、それでもなお、「生きた証」を残した演技が素晴らしかった。
それでもこの作品は難しい
この作品がどんな作品かを知らずに観た。
かなり多くの年配の方が、樹木希林さんの遺作として観に来ているのではないのか?と思った。
作品のメインの舞台はドイツ。
予告編では樹木希林さんが登場するシーンからだったり、日本向けにしているけど、希林さんが登場するのは最後だ。
それまでの話はアルコール依存症で人生を棒に振っているカールの話。
まぁカールが主演で、最後の関わりを持つのが樹木希林さんって流れなのだけど。
アルコール依存症は世界どこでも共通で厄介なものだ。
人としての弱さなのか、最近、アルコール依存症がキーとなる映画が多い気がする。
あぁ、エルトン・ジョンの「ロケットマン」とかがそんな感じだったからか。
カールは離婚しているが、娘に会いに行ってしまい、追い出されてしまう。
なぜ、そうなるのか。わかっているのだろうが、アルコール依存症は簡単には抜けない。
アルコール依存症の中で幻想を見る。
そこに日本人のユウと名乗る女性が突然現れる。
彼女はカールの父、ルディの知り合いだと言う。
二人で故郷に戻る。
そこにはカールの思い出したくない感情がうごめいていた。
ユウは悪霊とも会話をする。
カールには兄と姉がいた。
兄弟の仲が悪いことを気にする両親の魂が見える。
全てがカールの妄想なのか?
ユウとの生活の中で、徐々に自分を取り戻そうとするカール。
が、死の淵に立たされることが起き、そのことで少しだけ近寄るが、ユウが居なくなった。
そこからユウを探しに日本を訪れるカール。
カール自身も10年前に日本で就職していたらしく、新宿、渋谷といった風景が映り込む。
カールは茅ヶ崎のお寺でユウを見かけて追いかける。
そこにあったのが「茅ヶ崎館」
樹木希林さんが女将の旅館。
そこでユウの影を感じる。
そこで聞いたのはユウは既に亡くなっているという事実。
樹木希林さん演じる女将はユウの祖母だった。
女将との関係で生きなきゃと思ったのか、ユウの亡霊に海に沈められそうになるが、引き返す。
ピンク電話・・・どんだけ長いコードだと思っていたが、そういうことか・・・。
これって海外の人はどう思うんだろう?
そんなことを思いながら観てしまった。
樹木希林さんの遺作。これで終わってしまったのかな。
ほんと最後の最後まで撮影されていて、ただただご冥福をあらためてお祈りいたします。