6章からなる短編小説
伊坂幸太郎作品。過去に映画化された「ゴールデンスランバー」を読んだが、映画と小説が結構イメージが合っていた。
が、今作は何も読まずに行き、人の絡みがわかりづらいなぁという印象。
多部未華子は?
予告で観た多部未華子目的で実は行った。
だから内容とかはあまり知らなかった。
小説だと章が分かれ目になり、前の章との関わりがそこで繋がるのだろうが、映画では最初と10年後という2つの大きな区切りで分かりづらい。
三浦春馬演じる佐藤。
大学時代の同級生で適当な性格の矢本悠馬演じる一真。
その妻由美の森絵梨佳。
最初はまずこの3人の人間構成からスタートする。
が、反面、なぜか美容室のシーンでこの3人とはまるで関係のない美容師の美奈子役の貫地谷しほりと客の板橋香澄役のMEGUMIの話がある。
普通に見てたら、この5人に関係があるのかと思っていたが、まるで何もない。
変な話し、多部未華子の演じた本間紗季という役は小説の紹介の主要キャストではない。
だから登場も印象に残るほどもない。
一番印象に残るのはまぁベースとなっている斉藤和義の「小さな夜」だ。
仙台駅。
アンケートを取りたいのか、不審者なのか?な佐藤。
街頭テレビ?で放送されているボクシングの世界戦。
路上で歌う「小さな夜」
そこでその場面に至る経緯がフラッシュバックされる。
一真に彼女ができないことを聞かれ「出会いがない」と答える佐藤。
まぁこんなことを言っている人間は自分から行動をしない。他力本願で物事に流されたいタイプなんだろう。
一真はちゃらんぽらんだが、「出会い」ってなんだ?と自分の見解を述べる。
その影響で佐藤は出会いのきっかけを見つけようとする。
会社の上司、藤間が原田泰造。
同級生の結婚式の二次会の幹事を頼まれた佐藤は、藤間に相談するが、返答がない。
パソコンに向かい固まった状態の藤間。
そうすると突然、パソコンをなぎ倒し椅子から落ちる。
驚いた佐藤はそこに手に持っていたコーヒーをかけてパソコンを壊してしまう。
藤間が壊れた原因は妻が出ていったことだった。
人と人との関係が理解できていない佐藤にはまだ難しい話しだったんじゃないか。
データは復旧出来るとは言え、街頭アンケートをさせられることになった。
美容室。
客のMEGUMIから「格闘技は好きか?」とか「彼氏はいないのか?」聞かれる美奈子。
うーん、いい迷惑だろうな。
そしていきなり弟を紹介すると言い出す。
「えー(迷惑)」って感じだよね。客商売だから無下に断れないだろうし。
まぁ電話がかかってくる。
弟は「姉に彼女が用事があるから電話するように」って言われたってことで電話がくる。
まぁきっかけ的にかなり強引な感じだな。
それでもずっと電話のやり取りが続いてた二人。
そして、仕事でしばらく電話ができないことを伝えてくる。
姉の香澄に伝えると弟はある勝負に会うことを掛けていることを聞き、「そんな他力本願な」と困惑する。
そして、オープニングのボクシングの試合になる。
試合は最後に勝利を収めるが、物事がつながっていない美奈子に香澄から電話が。
「弟からの電話は遅くなると思う」と。
そして他力本願ではなく、戦っていた本人が弟であることを知る。
そんな前半戦。多部未華子はちょっとしか登場しない。
まぁ普通の群青劇なんですねって感じではあるのだけど、意味がわからない。
そしてボクシングの試合の時に、仙台駅で街頭アンケートで出会った二人。
佐藤にとって気になる存在になっていた。
半年後、世界戦の防衛戦の日。
道路の誘導員をしている紗季を見つけ、そこで一区切り。
場面は10年後になる。
メインは一真の娘の美緒役の恒松祐里になっていた。
高校生になった美緒。クラスメートの久留米和人役が萩原利久。
最近、活躍してるなって思う若手俳優二人。
久留米の両親がぶっ飛びすぎ。
まず母親が濱田マリ。父親が柳憂怜。
柳憂怜って・・・柳ユーレイさんですよね?
って誰だかわかりませんでした。
芸名変わっていたのですね。
高校生の子供が誰しも思うことなのか?
美緒も久留米も父親が情けない存在に見ている。
しっかりしている母親。その母親は父親を悪くは言わない。それが不思議でしょうがない。
久留米はオーダーミスされたのに出されたものをそのまま食べる。久留米にはそんな父親にはならないと言う。
母親はそんな息子に「周回遅れで誰しもが思うこと」と言う。
美緒も父親のちゃらんぽらんさが信じられない。
「お母さん、なぜお父さんと一緒になったの?」
高校生くらいで人を好きになったり、いろんなことが少しずつわかってきた子供にはまだまだわからないことがあるってことだ。
久留米は美緒に誘われる。
仙台市の駐輪場のシステムってすごいと思うのだけど、人の良心で出来ているシステムなのね。
60円払ってシールを貼るだけのシステム。
監視されているわけでもない。督促の札がある自転車。
美緒も自分の自転車が被害にあったから犯人を捕まえたいから協力して欲しいと言う。
久留米は「なぜ僕だったの?」と特別だと言われたいが、「ただ、友達が今日は塾の日だったから」と塩対応。
そこにかなり年配の男性がチケットのシールを購入せずに付け替えているのを見つける。
美緒は躊躇せずその男性を捕まえようとするが、男性は反発する。
何も出来ない久留米。
そこにたまたま通りかかる久留米の父親。
久留米の父親は男性を刺激するようなことはせずに「そのお嬢さんのお父さんがどなたか知っていてされているんですよね?」と伝える。
その言葉で不正をした男性はチケットを購入する。
さて、佐藤はと言うと10年付き合っていてまだ結婚もしてなかった。
見晴らしのいいレストランを予約し料理を楽しむ二人。
それでも何も言おうとしない佐藤。
何事もなかったように同棲する住まいの前でプロポーズする佐藤。
タイミングの悪すぎる男。
紗季は言う。「なぜここなの?」
佐藤曰く「ああいう場所で迷惑だろ?」
うーん。こういう小さそうだけど感覚の違いが将来を考えた場合不安になるよね。
ってことで紗季は実家に帰る。
10年前の藤間の再現。
そうならないために会社を休む佐藤。
10年ぶりに世界戦に挑戦するウィンストン小野。
その試合を見に行く一真と一緒に行ってきてと母親に言われ反発する美緒。
尊敬出来ない父親と行きたいと思えないだろう。
反発する娘に本気で怒る母親。
そうなんですよ。高校生諸君。
君たちが尊敬出来ない親はそれでも君たちを高校に通わせるために日々頑張ってくれているんですよ。
なに、それを当たり前のように思っているのですか?
頭を下げてくれているから外食が出来ているんですよ。
まぁそんなこと大人になれば気付けるのかもしれないけど。
家を出た美緒は佐藤とバッタリ会い、サーティワンアイスで話をする。
美緒は自分の母親がなぜ父親と一緒になったのかを佐藤に聞く。
佐藤も一真に一目おいていた。
一真は美緒を身ごもったと知ってすぐに大学を中退し、働き出したことで決断の良さを知っていた。
自分のために父親は大学を中退して守ってくれたってことだわね。
まぁ計画的じゃないとも言えるけど、それでもしっかりと責任を取ったわけで。
父親のことを知り、少し見方が変わっていった美緒は親友を誘ってボクシングを見に行く。
その親友は藤間の娘であり、敗けた防衛戦を観ていた。
10年ぶりの世界戦、セコンドが仙台出身ってことでサンドウィッチマンの二人が付いている。
10年前と同じ日。
佐藤はウィンストン小野の勇気に便乗して紗季を探す。
最初に出会った場所。
すれ違う二人。
バスに乗った紗季を見つけた佐藤はバスを追いかける。
あと少しというところで倒れた子供を見つけ、助ける。
その間にバスは行ってしまった。が、佐藤に気づいた紗季はバスを降りる。
バスから降りてきた紗季を見て「まだ降りるところじゃないよね?」と変な質問をする。
なんのために追いかけてきたの?と私なら言うだろう。
そして何もないまま次のバスに紗季を無理やり乗せる。
うーん、空気読めない男子との結婚は厳しいぞ。
翌日、帰宅すると紗季が帰ってきていた。
そこで改めてプロポーズをさせられる。
まぁ紗季に言わされている格好。
人間として悪くないが、それでも苦労するなぁ。
相手に何かを求めすぎなのかもしれないが。
相手に何かを求めるとき「自分だったらこうするのに」と思ってしまうから相手がそうじゃない場合にカチンとくる。
「なんで気づいてくれないのだろう」と思ってしまう。
最近、やっと気づいたが、他人は自分じゃない。
だから100伝えたことが1通じたらラッキーだ。
そのくらいでいなきゃいけない。
まぁいろんな人間模様の要素があって最終的には「出会った相手が君で良かった」と思えることが最高ってことなんだと思う。
が、多部未華子がヒロインなんでしょ?
少なすぎだわ。