【映画 ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス】感想。ニューヨークという単位の図書館。

日本の国会図書館以上の豪華さ

川越スカラ座という戦後からある昔ながらの映画館で10分休憩のある長丁場の作品を観るという暴挙。

最初の2時間でブチっと切れ、10分休憩があり、持ち込んじゃいけないとかって言うこともないから慣れている人はお弁当を食べだす。

それでもわざわざこの映画館で観るって人ばかりだから上映中のマナーはいい感じ。たまにガサガサ、ビニル袋の音が気になったりはしたけど。

そんな中でも後半が1時間25分。

苦痛はなかった。(あ、突然隣の席の人が柑橘系のハンドクリームをつけたのには閉口。っていうか、息が苦しかったけど)

公共という名の官民共同図書館

ドキュメンタリー作品。

公共図書館という立場で予算を考えた場合に、市からの予算と民間からの寄付で何ができるかということがメインテーマのようだ。

それでも、私が知っている図書館という形態とは違う。

私が知っている図書館は「蔵書置き場」という位置づけだ。

それでも子供向けのイベント、読み聞かせなどをしているのかな?

私の住んでいる市には中央図書館と分館と2箇所存在しているが利用しているかと言われたら、昔ねって感じで今は全然行くことはない。

このドキュメンタリーでは著者の話を聞く機会が多い。

そこには、宗教であったり、奴隷制度であったり、教育であったり、また就職セミナーのようなものまである。

ニューヨーク公共図書館の予告を観たときにはもっと建物についてとか、蔵書についてのドキュメンタリーなのかと思っていたが、どちらかと言えば、人と人。

人種差別の問題。

奴隷差別の過去について。

が一番印象に残っている。

それでも、就職セミナーの場面は今の若い就活をしている人に観て欲しい場面だなって思った。

とてもいいことを言っていた。

どこの国でも根底にあるものは同じだなって思った。

就職セミナーを図書館という場で行っている。

多くの会社・団体が「人が足りない」「優秀な人を求めている」と言う。

そこには軍隊の人も居る。

日本だと一般の就職セミナーに自衛隊の広報が来ているような感じだろうか?

<公共図書館>だから出来ること。

これが公立図書館になってしまうと、きっとかなりの制約が発生したり、役所の出張機関のようなものになるのだろう。

まぁ日本なんてそんな感じが多いように思う。

それでもTSUTAYA図書館が続々と発生している。

ただ蔵書するだけの施設から人が集う施設への転換。それを実現しようとしているのだと思う。

ニューヨーク公共図書館は4つの図書館と88の分館がニューヨーク市内にあるらしい。

利用は原則無料。まぁ有料の図書館はあまり聞かないが、(あ、六本木ヒルズの上にあるか)それでもこれだけの蔵書と建物、人を考えたら素晴らしいことだ。

ニューヨークに興味はないが、この本館には行ってみたいと思った。

研究目的の図書館、「黒人文化研究図書館」の存在。

黒人の人と奴隷制度が必ずしもイコールということではないと思うが、それでもアメリカ教育で奴隷制度について未だに正しい教育はされていないということが語られる。

それでも、この図書館の存在があることで正しいことは後世まで伝えられるということにもなる。

教育についての役割についてもかなりの時間が割かれているように思った。

学校のあとに来ようと思える場所にするには?そういうミーティングでは男女比が女性の方が多いように思えるほどだった。

そして発言も女性の方が多い。

男性だから女性だからがあまりないのかもしれないし、女性の方が多い分野なのかもしれない。

ニューヨークでも電子書籍化と紙媒体についてはまだ結論が出ているわけではない。

ライセンス契約の問題などまだ問題があるのだろう。そして、電子書籍化によって作者や編集者が損をしてしまうシステムは違うと思ってしまうのだが。

日本にもこのような図書館が誕生するだろうか?

終の棲家を考えたとき、「図書館に歩いていける」を優先順位の上にしたいと思った。

ニューヨーク公共図書館のような蔵書に囲まれたとしてもそれを必要とするだけの向上心や知りたいと思う気持ちがなければいけないのだが。

最初の方に司書さんが電話でやり取りをしている。まるで「OK.Google」状態でいろんな提案をしてくれる。

すごいな。

また無料のWifiのレンタルまである。

ネット格差の問題。ニューヨークでさえ、まだまだ多いということは、日本はあと何年後に真剣に取り組むだろう?

既に私の年齢でもFacebookに登録しているのはほんの一握りだ。

まぁFacebookじゃなくてもSNSなどをしているかと言えば、ほぼしていない。

しかし子育てのツールとしてLINEだけは必須要素のようでLINEは出来るらしい。が、それ以外はまるでわからない人間が多い。

iPhoneを持っているけど、使うのはLINEとカメラ機能だけというなんとももったいない状態だ。

図書館はネットワーク社会で今後どのように変遷していくのだろう?

変わらないでいることが求められているような気もするのだけど。

日本の国会図書館のイメージはほんと蔵書置き場だけど、国家図書館の役割はそんなものなのか?