【映画 空に住む】感想。悲しむことと涙流すことはイコールじゃないよね?

共感する

まず、原作を読みたくなった。

映画は映画として良かったのだけど、物事の捉え方とかがとても共感できたから。

タワマンに住むこと

分不相応な場所に住むことは自分が良かれじゃない場合はどうなんだろう?

多部未華子演じる直美は両親の死で叔父所有のタワマンの高層階に住むことになる。

相棒の猫ハルと一緒に。

黒猫のハルのふくよか感が素敵なんだけど。エンドロールに「りんご」ってあって、「りんごちゃん出てた?」と思ったら、ハルの名前だった。

仕事場所がちょっと田舎の風景の一軒家。旅館?と思ったら、出版社って。カッコいいわ。代表が岩下尚史さんって素敵。

小説家の吉田理役が大森南朋さん。

編集の後輩の愛子役が岸野ゆきの。

結婚間際なのに不倫相手の子供が臨月という意味不明な子。

編集長の柏木役の高橋洋さんって・・・初めて見た気がする。が、とてもいい感じの人。経歴が・・・蜷川さんのところに居て、オフィス北野に居てケイファクトリーに所属で現在に至るってことみたいで。「アライブ がん専門医のカルテ」にも出てたみたいだけど、1話だけじゃあわかんない。

で、ヒーロー的な役どころがスター俳優、時戸役の岩田剛典。

岩田剛典がめっちゃカッコいい役。普通に素に近そうな役。

タワマンに住んだらこんなことになるの!?って世の女性が勘違いしなきゃいいけど。

両親の死を受け止めてないから泣けないのか?悲しいからと言って泣かなきゃいけないのか?

難しいと思うんだ。

交通事故とかだと突然過ぎて。それでも周囲は気を使う。

叔父さんの奥さんの明日子役が三村里江さん。ってだれ?って思ったら、ミムラって言ってたよね?の女優さんだった。

芸名、本名にしてたんだってことを知った。

そう、この明日子という人がかなり直美に気を使う。

気を使われる方は息が詰まる。しかも自分の居ないときに勝手に出入りされていることはいい気持ちがしない。

確かに所有者ではあるかもしれないけど。

直美に時戸は突然「オムライスを作って」と部屋に上がり込み、スマホの番号も交換する。

直美はどういう気持ちだったんだろう?

看板の人ってことから興味を持っていったのだろうか?

そして、彼の存在を受け入れたことの代償は大きかったと思う。

そこになぜか永瀬正敏が登場。これがまたいいんだ。

あんな職業あるんだって気になってしまった。

一番泣いたもんね。永瀬正敏が登場した辺りが。さすがに。

臨月の妊婦が自分の部屋で産むとかって階段で破水する、意味不明な状況。でも、無事に病院で出産。夫が登場で一番驚いたわ。

子供の親については言ってたけど、夫については誰かは言ってなかったよね。

それでも、分不相応なタワマンで生活を続けるのか?

それがとても気になった。

【映画 とんかつDJアゲ太郎】感想。コロナがなければ・・・

どうしても同情が先になってしまう

本来なら6月には公開になっていて、その後に起きる出演者のスキャンダルでDVDの発売などが懸念されるものだったのだろうが、4ヶ月の間に主要人物2人の逮捕。

さすがに主演の北村匠海が可愛そうにはなる。

まぁ主演が北村匠海?な感じだけど

原作通りにするならアゲ太郎は加藤諒が適任。それでもあえて、全然違うタイプの北村匠海にしてってところだけど、やっぱりなんかしっくり来ない。

それでもこれは友情物語なんだって思った。

渋谷円山町で生まれ育った5人が親の跡を継ぐことが既定路線で居て、それでもなかなか認めてもらえないっていう共感で結ばれていて。

アゲ太郎が突然のようにDJをしたいと言っても、そんなところに住んでいても、クラブなんか行ったこともない5人が試行錯誤してとんかつDJアゲ太郎を作ったりして。

私自身もクラブなんて行ったことも行きたいと思ったこともなかったけど(私の頃はディスコ?)まぁ、あんな世界があるのねってことで。

伊勢谷友介ははまり役。あぁいうのは伊勢谷友介だなってしっくりくる。

伊藤健太郎は・・・うーん誰でも大丈夫かなって感じで。

まぁ映画が完成したらそのキャステイングはそれで正解でそれを楽しめば良いのであって。

公開するまでは何が何でもその責務を全うしようとってことか。

余計なことを入れちゃいけないわ。うん。

内容は・・・まぁ原作通りなんだろうなって思う。

ブラザートムさんが顔色悪って言うことしかなかったけど、役柄?

【映画 罪の声】感想。劇場型犯罪の本当の姿

未解決事件の真相とは

グリコ・森永事件

私が中学生時代の一番大きな事件だった。

目的は何だったのか?

昭和の終わり、そして平成。

なんとなく時代は過ぎてしまっていた。

どこまでが真実なのだろう?

脅迫を受けた会社名は変わっていたが、犯人像はそのままだった。

この予告を観たのは夏前か?

自粛が明けて映画館に戻った頃だったような気がする。

あぁ秋かぁ〜って思ってたけど、あっという間に秋になってたね。

小栗旬、星野源のW主演。期待しかない。

原作はあくまでも「グリコ・森永事件」をモチーフにしているということだけど、新聞社に居た方で小栗旬の役のようにきっとすごい事件を掘り起こそうとしたのだろう。

子供の声

当時は本当に子供の声を使ったとは思ってなかった。

当時の技術でも合成は可能なのではないかと思ってたから。

それでも、本当に子供に読ませていたら?そこからこの作品は始まっているのだろう。

テーラーの主人の曽根俊也役の星野源。なんかこんな方居そう・・・

俊也はなんで屋根裏を探したんだっけ?

あ、クリスマスのライトを探そうとしたのか。

市川実日子が・・・妻の亜美役なんだけど、普通の奥さん役って言うのが珍しい感じ。

屋根裏で見つけてしまった手帳とテープ。

自分の声と英語で書かれた手帳。

父親の知り合いだったら知ってるかもと聴くと叔父の字だということがわかる。

火野正平さんがとても良い感じです。

小栗旬演じる阿久津は新聞社の文化部記者なのになぜか未解決事件の特集するように言われる。

お互いがそれぞれの聞き込みなどで同じ人にたどり着く。

二人をつなぐキーマンが橋本じゅんさん。「MIU404」で星野源さんと共演されていたけど、映画の撮影の方が先かな?

橋本じゅんさんの役が唯一のクスっとポイントだったかもしれない。

やっぱりストーリーとしたら重い。

事件に使われた声が自分だと大人になって知った俊也は「どうして?」を求めたのか?

自分同様に声を使われた子供はどうしているのか?という思いだったのか?

阿久津に真実を明るみにする意義などあるのか?と問うものの、真実を知らなければいけないという気持ちになっていく。

俊也に意義を問われた阿久津は自分のしていることに疑問を持つ。

が、互いに真実を追い求めることを選択する。

それはあと2人の子供の今。

俊也は自分が不幸だと思っていた。残る二人はどうしている?はどういう感情なんだろう?

犯人グループのメンバーが解明していく。

そこには暴力団組員の影もある。

ようやく真相をとらえたとき、俊也は残る二人のうちの一人の35年を聞き、自分の半生を問われ困る。

「自分は不幸ではなかった」

なぜか他人が自分以上の不幸の場合、不幸でない自分を責めてしまうのはどうしてなんだろう?

これはあくまでもモチーフとした物語。

本当の真相ってどうだったのだろう?

声は本当に子供だったの?誰の子供だったの?

小栗旬がいい感じ。星野源もいい感じ。

年配世代が豪華すぎ。

火野正平さん、宇崎竜童さん、梶芽衣子さん。

梶芽衣子さん、やっぱり女優さん。顔がお綺麗過ぎ。

可愛そうなのは川口覚さん。宇崎竜童さんの役の若かりし頃の人なんだけど、生年月日が宇崎竜童さんのまま・・・。

【映画 朝が来る】感想。女性だけが背負わなければいけないのか?

特別養子縁組

望まれない妊娠。それでも、ここに出てきた少女にとって、大好きな相手との授かりもの。

中学3年生、守りたいものは何ですか?

授からないという事実

私にとって、子供を授かるということは望まないことだ。

幸いにして授かることがなく人生を過ごしてきたとも言い難い。

あのとき、自分にとってこのような選択はなかった。

気づくのが遅れたことで、既に「産む」選択肢しかなかった少女。

いつの時代でもきっとある話なのだろう。

今や情報が溢れている。それでも日本の性教育の遅れから、感情だけで結ばれてしまい、妊娠してしまう。

今回は、中学3年生で初潮も迎えてないのに、妊娠するということのようだったけど、そんなことあるの?な感じでもある。

河瀬監督の作品って感じ。

ところどころで森、木漏れ日がゆっくりとした時間、流れる。

今回は、そこに海の要素が加わった。

船で自分がいつも意味もなく撮る写真のポイントと同じ場所が何度も出てきて、なんか嬉しかった。

片倉ひかり役の蒔田彩珠。是枝監督作品で重用されてきた彼女が河瀬監督作品に登場って感じね。

主演は永作博美演じる特別養子縁組で母になる佐登子と井浦新演じる清和ではあるのだけど、ひかりのことの方がやっぱり残った。

最初は、栗原家の二人の妊活。それは容易いことではないことが描かれる。

たまたま観たテレビの特集から特別養子縁組のことを知る二人。

子育てをしなければ夫婦じゃないのか?な気持ちしか沸かないような私ではあるのだけど、子育てができる環境があっても子供がないところがあり、子供はいるが子育てが出来ない人が居る。

その特別養子縁組はこれからの日本には必要なシステムなのかもなぁ〜も感じるが、難しい問題。

産みの親と育ての親という存在。

この映画のような産みの親が未成熟で常識やら世間体やらを認識できてない場合は、その親によってすべてが決められてしまう。

親にとっては自分の投資先の成長を妨げるものからどう救うかを考えるのだろうが、心を救えてはいない。

本人以外は出産さえしてしまえばもとの生活に戻れるという根拠のないことで本人を苦しめる。

その相手となった男子とは結局は別れさせられるのだろう。

幼心に好きだった関係が大人によって引き裂かれてるわけだけど、男子は自分の痛みとしてどこまでひきずるものか?

ひかりは結局、もとの生活に戻そうとする家族との軋轢で結局は自分の人生を止めてしまったわけで。

子供が養子であることを周囲にきちんと告げておくことは将来的なことを考えたら大切。

映画の冒頭は義理の母である佐登子が養子の朝斗を信じきれるのかという試されているような状況。

養子縁組を受ける夫婦は年齢が高い。その分、人間として器の大きさはあるのかもしれない。

ママ友に陰口を叩かれても子供のことを信じることを選択する。

謝ってしまえば、その場は繕えることの方が多いだろうが、そうすることで子供の心は殺される。

実子であっても余裕のない親子関係だとつい楽な方へいき、親子関係が崩れるなんてことは多々あるわけで、やっぱりどんな関係でもまず親は子供を信じることが必要だと教えてくれる。

特別養子縁組の浅見役の浅田美代子さんの存在感が大きかった。

望まれない子供を身ごもった人を住まわせ、出産後に希望する家庭へと橋渡しする。

浅見のような立場でも出産後の少女たちの心のケアができるわけではない。

出産したあとの女性はどうしているのだろう?

養子を受けた夫婦はきちんとうまく家族になれるのだろうか?

6年後に「自分の子供を返してください」とお金の要求をしに来るような人生になってしまった彼女の心は救われて、その後の人生をうまく生きていけてるのか?

特別養子縁組はほんとこのくらいの子供だといいと思うが、厚労省の「親を必要としている子供がいます」というコピーには違和感を感じる。

親が育児出来ない子供は児童相談所から養護施設で生活をするようなケースがあるが、既に産みの親の記憶がある子どもに突然育ての親を斡旋するのはどうなんだろう?

特に中途半端な養子縁組は子供を傷つける。養子縁組を斡旋する段階ではいろいろと面談やらするのだるが、その後のケアはどうなんだろう?

子供を授からずにアラフォーになった夫婦が突然思春期や第一次反抗期が終わった子供を引き受けるべきではない。

既に人格形成が終わった子供に新たな概念で自分たち仕様にするのは不可能なんだから。

子供が「親が欲しい」なんて思っていると決めつけるなって感じで。自分の産みの親の記憶だけでも育つはずだ。

【映画 君の瞳が問いかけてる】感想。久しぶりにポロっときたわ。

横浜流星の顔の小ささ・・・

吉高由里子の顔が大きいわけではない。

横浜流星の顔が小さいのだ。

吉高由里子の演技すご!

目が見えてるのに見えない演技は焦点を合わさないようにしなければならないから大変だと思う。

目の焦点を合わせるのって無意識の行為であって、話さないとかは意識をすれば出来るけど、焦点を合わせないようにするのはかなり大変なんじゃないか?

AFじゃないようにしてるってことなんだよね。

まぁそれでも本当に見えない人を見れば全然違うのかもしれないけど。

横浜流星の影のある演技。そして格闘技。

序盤。テレビの中のドラマは・・・横浜流星の「初めて恋をした日に読む話」の時の役のパロディだったのか?このドラマの時、確かピンク頭で深キョンの生徒役で一躍有名になったのよね? な印象。

年上女性がヒロインのストーリーがいい感じ?

吉高由里子ももう32なんだぁ〜って感じだけど、眉も描かない、すっぴんメイクでまぁキレイよ。

吉高由里子演じる明香里は視力が弱くなったという設定だからなのか?白杖ですごい歩いていることに驚く。

が、横浜流星が演じる塁は過去から抜け出せないで居る男だったが、明香里を野間口徹さん演じる尾崎から助けたことで明るくなっていく。

おんぶをするシーンとか、顔が近づくのだけど、まぁ横浜流星の顔小さ!女優さんが気の毒だわってくらい。あごも細いし、おでこが見えてないから余計顔がないように見える。

ストーリーは残酷。

二人がともに未来を描こうとしたところに過去が邪魔する。

それでも、目の手術を受け見える世界を取り戻した明香里のもとに塁は戻れない。

ゴールデンレトリバーのスクがね、いいのよ。

子犬のゴールデンもう最高!そしてどのくらいの月日が経ってたのかわからないけど、2年以上は経過してなきゃあのサイズにはならないのだろうけど、スクは覚えているって設定が泣ける。

見たことのない塁を見ても明香里は気付けるはずもないが、二人をつなぐものがあることを見て、思わずポロっときたわ。

しばらく横浜流星の時代なのかな。

この年代だと一人勝ち状態?

一時期の山崎賢人や菅田将暉のような感じなのか?

まぁ学生モノはもうキツイけど、成人男性のいろんなものが楽しみかも。

動けるし。

極真空手の基礎があるし、身長もそれほど高くはないなぁと。

いい感じ。うん。

あ、野間口さんが珍しく久しぶりに?汚れ役。

朝ドラの野間口さんとは違うキャラね。あと、エールの吟の夫が半グレで、まぁ最近のやさぐれた感じがそのまま同じだったなと。

岡田義徳がちょっとふくよかになった?全然わからなかったわ。

町田啓太が・・・やっぱりカッコいいわ。

【映画 スパイの妻】感想。正義とは何か?

残念なことに

連日のレイトショー鑑賞ってことで開始した途端に、眠気に襲われ、東出の登場シーンまで記憶がとんでいる。

そこに何があったのか?それは何分だったのだろう?

って、感じだったりする。

前回作品とは違う夫婦関係

蒼井優✗高橋一生は去年公開の「ロマンスドール」直後なのに、また全然違う夫婦像になっている。

物語は太平洋戦争前夜の日本。まだ貿易商の仕事が出来ていた頃ってことなんだろうけど、それでも、憲兵の動きはきな臭い気配を帯びている。

まぁその憲兵が東出昌大ってことで、なんだろう?今になると構図が面白い。

どのタイミングで私は目覚めたのだろう?ストーリーを確認するとかなり寝てたのか?って気もしなくもないんだけど。

起きてからも最初のうちは、ぼんやり〜だったからなぁ〜。

神戸の洋館に住む当時としたらかなり優雅な生活をしていることはわかる。

高橋一生演じる優作が満州に行った場面があったのだろうか?

その部分が抜けてる。

優作の甥の文雄演じる坂東龍汰、「弱虫ペダル」の鳴子くん?うわ、全然わかんなかったわ。

そして蒼井優演じる聡子はうーん、当時のセレブな感じってこんな感じかもって女性。

ちょっとお高くて早口。

そこに聡子の幼馴染の憲兵、泰治役の東出昌大。

まぁ物語が歪み始めるのは玄里演じる草壁弘子の死。

泰治は聡子に弘子の死について「優作が連れ帰った女性」と説明する。

聡子は他の女性の存在の登場で夫に対して不信感を抱くようになる。

夫に聞いても安心できる回答が得られず、甥の文雄のところへも行く。

文雄は優作の会社で働いていたのに、突然、執筆活動をすると籠もっていた旅館へ行くが、逆ギレされてお使いを頼まれる。

文雄には憲兵の見張りがついていた。

何が?

聡子は不安になる中、夫に渡す。

それこそが夫が隠そうとしていたこと。

聡子は自分ではない存在を夫が守ろうとしているいたこと、していることに女性としての嫉妬で意味のわからない行動にはしる。

優作はスパイなのか?

優作の正義と聡子の正義。優作は同じであるように思われるような行動を起こす。

が、最後は・・・。

やっぱり最後は聡子を守ったのだろうなってことなんだよね。

一緒に居たいだけ

聡子はそう望んだだけだが、それは難しいよね。

監督賞。でも、日本人はその価値を知らないのだろうな。

【映画 みをつくし料理帖】感想。なんかね、ほっとする映画でした

角川映画

私の十代は角川映画全盛期だった。

監督をした作品はそこまで多いわけではないけど、製作した作品は多数。

そこからスタートした女優さんが今も活躍されている。

音楽は松任谷正隆さん。エンディングテーマはユーミンさん作詞作曲、正隆さんの編曲、手嶌葵ってほんといい感じしかない。

優しい雰囲気

松本穂香、奈緒という女優さん。あぁいい雰囲気な女優さんだなってことがわかる。

松本穂香はドラマなどもあまり前面に出るような役よりは黙って見ているような雰囲気の役のイメージ。

主演はこの若い二人だけど、周りにいるベテラン女優さんは初主演が角川映画の方ばかり。

子役時代の澪と野江もかわいい感じだったけど、名前は出てこない。

反町隆史演じる易者によって運命を決められてしまったような二人と言えるのか?

言われた言葉に自分の運命を当てはめてしまっていたりするのかもしれない。

大阪の大洪水で二人は生き別れになってしまった。澪は野江が探せず、生きているとは思ってなかったのかもしれないけど。

10年後、江戸で料理人をしていた。

そこの店主が石坂浩二さん。こちらも角川映画の人。蕎麦処「つる屋」の店主。上方の味と江戸の味の違い。お客には認めてもらえない澪の味をそれでも出そうとする。

牡蠣の食べ方も違ってたのか。

そこに御膳奉行の小松原役の窪塚洋介。なんか、久しぶりに「あぁ、窪塚洋介だ」って存在感を感じた。

町医者役の小関裕太がとてもキレイな感じ。

この二人の存在が澪を精神的に支えていた感じか。

澪を助けたのが若村麻由美さん演じるご寮さん。変わらずキレイ。

そして隣人が角川映画出身の浅野温子さん。私の好きな役柄の浅野さん。

浅野さんってすごいちゃっきちゃきな感じの「あぶない刑事」みたいな役が好きだけど、真逆のシリアスな役とかだとほんとに怖くて・・・って振り幅がすごい方だけど、私の好きな方の役だった。

常連客で来るのが口の悪い戯作者の藤井隆さん。これがまたすごいポイント高い。

存在感がありすぎる。あれはアドリブではないのか?ってくらいほんと笑ってしまう。そしてその妻が薬師丸ひろ子さん。

まぁ楽しい。

つる屋は澪の努力で人気店になるのだけど、当時もランキングなんて言うのがあったのね、日本橋登龍楼の店主役の鹿賀丈史さんに嫌がらせを受ける。

その頃、たまたま遊郭の料理人である又次役の中村獅童さんがお忍びで澪の料理を求めに来る。

中村獅童さんってこの時代の役が似合う。なんか違和感がない。多くの人がかつらに若干の違和感があるけど、中村獅童さん・・・しっくりきすぎ。

又次はあさひ太夫の料理人であった。そしてあさひ太夫こそ野江だった。

野江はつる屋の料理人が澪であることに気づく。

登龍楼の嫌がらせによってお店を焼失して意気消沈したところへ又次は澪に料理を作って欲しいと頼む。

渡された空の弁当箱には野江の手紙とお金が。

澪はそのお金でお店を復活させる。

お互いに会いたいが、遊郭に入った人間は一般の人には会えなかったのか?

まぁ、二人が一緒のシーンはあまりないのだけど、それでもお互いを思う感じがすごく良く出ててほんと良かった。

遊郭のシーンとかもやっぱりキレイだし。奈緒・・・顔がキレイ過ぎる。

化粧とは言え、あんなにツルンとするものか?

つる屋は御膳奉行のおかげもあって嫌がらせはなくなり繁盛する。

常連客の戯作者があさひ太夫について書こうとしていることを知り、それを止めるために料理対決を行う。そして、書いた戯作を自分に渡してほしいと願い出る。

戯作者は自分の書く結末の上をいく結末をするようにと言う。

小松原を想う澪と澪を想う小松原ではあったが、身分が違いすぎることもあり、小松原は見合いを行い、会えなくなることを暗に告げる。

感じ取った澪。

いろいろ思いが不自由な時代。それでもその思いが切なく良い。

まぁいろいろ良いのだよ。

ほんと久しぶりにこれはオススメって言いたい。

角川映画世代の人には観て欲しい。

【映画 望み】感想。自分の子をどう信じ続けるか

岡田健史の高校生は・・・厳しいぞ

身長は高いし、顔もはっきりしすぎてるから高校生役。しかも高1は正直、見ててかなり違和感しかない。

大学生役なのかと思ったわ。

あぁそれでも2年前に中学生役をしてたわけで・・・それよりはまだ・・・?

幸せな家族の形を継続するには

最近、家族をテーマにした映画が増えている。

その度に思うのは、子供とは投資なんだなってこと。

投資したものが回収出来ないにしても不良債権になったらそれまで築き上げたものが一瞬で終わる。

ただ、子供に投資するとして、子供は成長する。そこにはお金だけではなく人間形成に必要ないろいろなものが求められるが、だんだんと意思疎通が取りづらい時期がくる。

何か起これば親は思うのだろう。

「うちの子に限ってそんなことはない」

普通に投資して育ててたら言いたくなるセリフなんだろう。

自分が信じてきたものは信じたようになっているものとしか見てないのか?

難しいね。

父親が堤真一で母親が石田ゆり子。

息子が岡田健史で娘が清原果耶ってどんだけ出来上がった家族でしょうって感じ。

一級建築士として成功している父親。フリーの校正者をしている母親。

自分がデザインした家で幸せな日常だったはずが、息子の様子がおかしいことに気づきながらも膝の怪我でサッカーを挫折せざるを得なかったからだろうと思うくらいで、深く入り込めない。

顔にあるアザに気づきながらも何も聞けないし、聞いても答えないだろ。

親子とは言え、子供も距離を持つ時期が来る。

突然、息子が帰ってこなかった。

テレビでは同じ学校の生徒が刺殺体で見つかったことがニュースで流れる。

連絡がつかなくなった息子。

マスコミは加害者として報道を始める。

自分の息子は加害者なのか?

被害者となったのは父親の仕事関連の方の孫だった。

報道が過熱し、父親の仕事にも影響が出てくる。

そのうち、被害者はもう1人居るらしいということが流れる。

自分の息子は何も出来ないから被害者じゃないのか?

父親の心境は複雑だ。もし加害者だったら?自分の築き上げてきたものはなくなるのだろう。

娘には「雅は雅でいい」とは言うが、母親は「どうなるかわからないと思ってなさい」と冷たく言い放つ。

現実を見ているのはどっちなんだろう?

母親は生きて帰ってきてくれたらそれでいい。

ということは、加害者でもいいと思っている。

マスコミ報道、そしてSNSという凶器が家族を追い詰める。

なぜ多くの人が正義をかざして凶器を突き立てる?

その権利がある?

マスコミもそうだ。結局、誤報道に対してどう考える?

父親は揺らぐ。

母親も揺らぐ。

それでも、父親も母親も育ててきた自分の子供が加害者である姿をまるで想定出来ない。

そういう育て方をしてきたのだろう。

子供も態度は素直に出せなくなったものの、親の言葉には影響を受けている。

良い家族だ。

【映画 星の子】感想。親の運命を変えたのは・・・

大人になりかけの芦田愛菜

ついこの前まで子供だったのに、もう高校生。

映画の中では中学3年生。まだあどけなさを感じるが、苦しさが伝わる演技に将来が楽しみになった。

信じる力

この映画の軸には「信じる力」というものがあるらしい。

中学3年になった芦田愛菜演じるちひろは、両親は大好きではあるが、自分を取り巻く環境で、両親の宗教観は受け入れられない。

それも自分のせいで宗教に傾倒してしまったという事実。

今の世の中の弱さに宗教が入り込んでいるのだろう。

幼児期の発疹で悩むケースは多いのだろう。

昔だったら、周りにもっと多くの経験者が居て、きっといろいろな相談にのってもらえたのだろうが、核家族化の弊害はなかなか個々のケースにどこまで誰が介入できるのかということだろう。

困りきった若い夫婦。

そこに本来なら「怪しい」と思うものも、タイミングだっただけ?

水道水がただ合わなかっただけ?

それだけのことも視野の狭さで全幅の信用をおくようになってしまう。

親と自分と宗教。

親は自分の信じているものは子供にも信じさせようとするのだろう。

子供は同じ状況の人たちとの交流だけだったらそれを信じ続けられるが、学校へ行けば、友達はそんなことはない。

ちひろの友達はそれでも、そんな彼女の状況を知っていても彼女を特別な目で見てない。素敵な友達。

父親が永瀬正敏、母親が原田知世。

原田知世が母親役をするたびに、あぁそうよねと思ってしまう。

母親の兄の雄三おじさんが大友康平。

雄三おじさんはちひろの両親の洗脳を解こうとするが、成功には至らない。

姉のまーちゃんは家を出ていった。

姉は洗脳されてないということだろう。ただ、洗脳されている両親を見ていることは辛い。

まーちゃんがちひろにコーヒーを飲ませてあげる。

「BLEND」?「BLENDY」じゃないのね。

両親の信じる宗教ではコーヒーは宇宙からのパワーを下げるので嫌煙されるらしいから本来は飲める状況ではない。

宗教は世間と交わろうとはしないものなのか。

他の人の目を気にせず、両親は緑のジャージを着続け、公園で頭に水を浴びる。

ちひろの初恋?の数学の教師南先生役が岡田将生。居そう・・・

ちひろは数学の授業中ずっと似顔絵を描いている。

ある時、ちひろの友達のなべちゃんとその彼氏の新村くんの計らいで、南先生に車で送ってもらえる。

が、南先生はちひろの両親をちひろの親と思わずに変人扱いをし、暴言を吐く。

心を傷めるちひろ。

それでも、両親を嫌いになるわけにはいかない。

が、自分が両親のようになることは出来ない。

南先生がちひろの担任の代わりにホームルームをしにくるが、生徒はまるで何も聞こうとしない。

突然、南は切れる。

その矛先はちひろの行動。授業中にずっと似顔絵を描いていることを非難する。そして、水の存在も。

まぁ学校の先生なんてそんなものよ。

集会?で初めて両親とは別々のバスに乗り、別々の部屋となったのか?

段々と不安になってくるちひろ。

宗教団体のメンバーの黒木華が・・・どうした?ってくらいむくみが気になった。

でも、黒木華のようなタイプ・・・安心させるよね。人を。

施設の中を母親を探し回るちひろだったが、部屋で待ってたら?と言う言葉にやっと部屋に落ち着く。

そこに母親が来て、両親と星を見に森の中へ。

一緒に流れ星をみたいという粘るが、唐突に終わったよね?

うーん、で?どうなるの?がかなり残る結末で。

私は、親は親、子供は子供なんだと思う。

ある一定の年齢に来たら、そこからは子供の自由判断で宗教からも離れられるくらいの距離感で居させるべきじゃないかって。

「私の居場所はここしかない」

ような宗教にしてはいけない。

海外では無宗教の方が珍しいのだろうけど、それでも、日本のようにどっぷりって感じにはならない。

日本は宗教をしている人はなんかみんな「洗脳」されてどっぷりはまるようなイメージしかない。

だって、キリスト教で怪しい水を売るとかって聞いたことないよね?

【映画 浅田家】感想。いつまでもこういう家族が居てほしい

親が子にできること

浅田家の両親は自分の幼少期の両親と同じだ。

母が看護師として夜勤でも働き、父が家事をし、料理を作っていた。

何をしたいのか

二宮和也演じる次男政志は、父親から譲り受けた一眼レフカメラに影響を受けて、写真家を目指す。

が、次男だから?大阪で写真の学校へ入っても通学せずに、なぜか両腕に入れ墨。

どういう思考?

実際にあったって言うのだけど、そんなものを入れて写真家としてどうしたかったの?

風景とかだったらいいと思うけど、最終的に「家族」の写真を撮影ということになれば、一瞬ひかれるよね?な感じ。

学校の卒業作品のために、思い立ったのが、家族との記憶。

そこからなぜか妻夫木聡演じる兄幸宏の災難が始まる。

弟は兄の使い方がうまい!

そして、親は「お兄ちゃんがしてあげて〜」な弟に甘々な感じ。

それでも兄はきっとそうやって洗脳されて生きてきたのだろう。

「そんなのは無理」と一般常識的な部分もあり断るが、最終的には弟のため、家族のために頭を下げる。

なぜかそんな兄に周囲も根負けするのか?次々と承諾を得ていく。

彼女役の黒木華がほっこりする。

なんだろうね。やっぱりこういう役はって感じになっちゃうよね。

そう、政志は周囲の人に守られて生きている人だった。

どこに向かっていいのかわからなくても見守ってくれる家族の存在。

東京に来てもすぐには仕事はない。

出版したいけど出版出来ない。

それでも渋谷のぶえさん演じる編集者の人に気に入ってもらえ、出版できる。

そしてその本が賞をとる。

すごい。

授賞式の場でも取材陣の前にカメラを立てて家族写真を撮る。

その受賞で全国から家族写真の依頼が来る。

最初の撮影は岩手。

満開の桜の下で入学記念の写真。

いいねぇ〜。

子供が病気になってしまった家族の場面のシャッターを切る前のニノの表情がすごい。

あぁ言う表情ができるのがニノなのかもしれない。

個展の準備をしているときに、東日本大震災が発生する。

政志は岩手の家族が気になり、車で駆けつける。

が、そこには瓦礫の山しかない。

あれは再現したのか?

あと半年で発生から10年。いろんな話の中に東日本大震災のエピソードが増えてきている。

避難所の校庭の片隅で写真を吹いている菅田将暉演じる小野くんを見かける。

写真を戻そうとしている彼にプロ写真家の政志は感謝し、手伝いを申し出る。

そして、写真洗浄の方法を伝える。

そこに隣町からボランティアに来ていたという渡辺真起子演じる美智子が加わる。

町にリアカーで行くと、アルバムが山積みにされている。

自衛隊の人が積み上げておいてくれているらしい。自衛隊という存在の尊さってこういうもしかしたら、そのまま忘れされらてしまうかもしれない存在を残してくれることじゃないだろうか?

アルバムから1枚1枚写真を剥がし、洗浄し、多くの人が自分の写真を探し出していく。

でも、まだ行方不明の人がいる人にとってはそんな活動が目につくのだろう、北村有起哉演じる渋川は小野くんに掴みかかる。

行方不明は小野くんにとっても同じだ。

小野くんは親友が行方不明になっていた。

そして、政志が探している家族も。

美智子がかけあって、小学校の1階が提供される。

渋川が来る。

娘が見つかったが、遺影にできる写真がないと。

全員で探したいが、どれが本人かわからない。

途方にくれたところで卒業アルバムの存在をひらめき、そこに娘さんを見つける。

それを見ていた少女、内海莉子は自分の父親の写真も見つけてほしいと言い出す。

遺影のためとは言え、探していた自分たちの姿。子供には「自分のも」と思うのは自然だろう。

亡き父の腕時計をしている少女。

莉子は政志について知り、「自分の家族写真も撮って欲しい」と言う。

莉子の家に行くが、そこには土台しかない。

政志は「撮れない」と伝える。

実家に帰った政志。父親が脳梗塞で倒れる。

幸宏と父の見舞いに行く前に祈願に行き、小さい頃に父親に撮ってもらったことを思い出し、父親の役割に気づき、見舞いにも行かずに東北に戻る。

父親が一命をとりとめたとは言え、先が見えない状況でそんなワガママな行動に母親は初めてビンタする。

が、その時のセリフが素敵すぎる。

まぁいい家族よ。

東北へ戻り、莉子一家に「家族写真を撮りましょう」と提案し、夏の思い出が楽しかったということで、冬?なのに水着にして写真を撮る。

莉子は父親が居ないのにどうやって?と思うが、政志は莉子から時計を借りる。

莉子も気づく。それが「家族写真」なんだと。

そして、それぞれの探し人の行方を知り、それぞれの場所へ戻る。

浅田家ではオープニングの父親の臨終シーンに戻る。

遺影は父親の消防士のコスチュームの写真。

そこで終わるのかと思ったら・・・

ニュー浅田家の形。

すごい家族が居るんだなぁ〜ってちょっとホッコリする話。

うん。ホッコリする。こんな家族いいなって。