向井理という人物
向井理という俳優さんを知ったのは阿部寛さんの主演ドラマ「新参者」で三浦友和の息子という役。それが印象的でファンになった。
よくよく知ったら「暴れん坊ママ」で保育士さんしてたのもそうだったねって感じだけど、「新参者」以降、注目していた。
ゲゲゲの女房は見ていない
向井理の代表作はやっぱり「ゲゲゲの女房」になるのかな?
水木しげる先生の役をされてたわけだよね。
自分はドラマだと「ホタルノヒカリ2」「江〜姫たちの戦国〜」 「サマーレスキュー〜天空の診療所〜」「ハングリー!」 「遺産争族」「そして誰もいなくなった」
映画だと「ハナミズキ」「BECK」「Paradise Kiss」「僕たちは世界を変えることができない。」「劇場版SPECシリーズ」「きいろいゾウ」「天空の蜂」
を観てきた。最近はドラマをあまり見ないからその流れの映画も行かなかったりして彼の活躍がわからなかったんだけどね。
この映画のことも映画館なんだけど、いつも行っている劇場での上映はないから予告もない状態だった。
このブログをしてなきゃ知らなかったかもしれない。
最近、テレビを見ている余裕もないからね。今朝は「すなっくモッチー」に出てたのは知ってるけど。
私の見てきた向井理という俳優さん。
明治大学で遺伝子工学を学んだのにバーテンダーに就職したという異色な感じの人。
でも、スカウトされた俳優という仕事に対して真剣に取り組む姿勢が良かった。
その頃はブログもしていたしね。
「世界ウルルン滞在記」で訪れた場所カンボジアに深い思い入れを持って活動をしたたこと。今はどうなってるんだろう?
ドラマ「ハングリー」で共演した国仲涼子さんと結婚しちゃったからってわけじゃないけど、なんか見かけない感じだった。
今回の映画。
ノンフィクションであればすごい話だと思う。
まずお祖母様とお母様の関係。
お母様の幼いころにお祖父様が亡くなっている。そのためにお母様は長いことお祖母様に「捨てられた」と思って成長していた。それでも孫である向井理はお祖母様のご自宅に様子を見に行くことをしていたってことなんだろうか。
でも、彼だったらしそうな気がする。
お母様の中の何らかのギクシャクを幼心に感じながら彼だって成長していたと思うけど、それでも彼の持ってる優しさの行動だったのだろうか。
その行動でお祖母様は救急搬送されて軽度の病気で済む。
彼はお祖母様がやっていたことを自分が引き継ぐことを提案し、またお祖母様のお話を聞こうとする。
お祖母様にとってお祖父様はまさに「いつかまた、君と」という存在だったのだろうか?
一緒に居た時間は本当にわずかだったように思う。14年くらいだろうか。
その後の苦労の方がきっともっと大変だったはずだが、お祖父様と過ごした日々はかけがえのない時間だったのだろう。
第二次世界大戦直前、南京へ行くというお祖父様について一緒に行くことになる。
そこでお兄さん2人が誕生する。
お祖父様は学力があり筆の力で平和をと願ってた人。それでもお酒に弱く、もしかしたら自分にも弱かった人なのかもしれない。
お祖母様のご実家へ戻ってもそれまでしたことのない農作業に身体も何もついていかない。それでも婿養子だから逃げ出せないという思いがあった。
それでもお祖母様のお父様は婿に見下されてるという感覚があり、うまくはいかない。
戦後の日本のごく普通の一般的な家族の様子がわかる場面だと思う。
都会への流入ができないとなればどちらかの実家を頼るしかなかったのだろう。しかし、お祖父様の実家はもうない。お祖父様の家はかなり複雑で心に傷をもった状態だったと言える。
お祖母様はとても優しい強い女性だ。当時の女性の強さをとても感じる。
働けない夫に対して責めることはしない。一緒に居られる時間が長いからなどポジティブ思考で応対する。
お祖父様はどんな気持ちだったのだろう?
お祖父様の人生は本当に波乱万丈だったと思う。
何をしてもうまくいかない。自分の血が影響しているのだろうとネガティブになる。
それでもお祖母様はお祖父様が必要だった。支えてでも一緒に居たい相手だった。
大阪では一瞬の幸せが待っていた。
向井理も母親に「なぜ、最初から大阪に行かなかったんだ?」と聞く。
母親から「戦後すぐは都会への流入制限があって誰でも行けたわけじゃなかった」ということを聞く。
お祖母様にとって大阪は悲しい場所になるわけで。
束の間の幸せがあったのだろう。きっと。
それでもそれも長くは続かない。
お祖父様が突然亡くなる。突然だったのか予兆があったのかは映画ではわからない。それでもまだお母様は4,5歳だったはずだ。
昭和29年になっていたと思う。
戦後の成長し始めた日本。まだまだ生活は大変だったはず。大黒柱を失ったお祖母様はその後の生活をどうしようかと思考を停止していたはず。
それでもそこに病院でお祖父様が書いた遺言のような言葉が届く。
そこで自分が今度は子供を育てなきゃを意識する。
しかし、女が一人初めて仕事に出るのは大変なことだったのだろう。
お母様をご自分の実家へ預ける。それがお母様には「お母ちゃんは私を捨てた」という意識を植え付けたまま大人になって関係が結べなくなっている。
向井理が完成させた手記でお母さんは当時のことを知る。
手記を残してくれたこと、宝物をくれたこといろんなことを思い出し、やっとお祖母様とのわだかまりがほぐれる。
映画として見ているが、これは向井家で本当にあった話なんだよね?って思って見てた。
彼が7年前に出版した手記ってことだった。自分のルーツを知るなんてことはそうそうあることではない。それでも、彼が俳優になったのは必然だったのではないだろうか。
お祖父様はとても絵が上手な方で、お母様はお母様のお祖母様の元で育てられ、貧乏だったと回想していたが、向井理のWikipediaには元英語教師となっている。
努力をされた方ということを感じる。
お母様とお祖母様の関係がいつ改善したのかは本当のところはわからない。なぜなら晩年はお祖母様と一緒に居たということであったし、おばあちゃん子だったと書かれているので。(wikiね)
それでも向井理の人間性は悪いとは思えない。とてもいい環境で育ってきた人オーラを感じるんだ。
お祖母様は自分の中にずっとあったお祖父様への思い、想い出をいつ書いたのだろう?
それでも素敵だと思う。
忘れたくなかったんだと思う。
今の夫のお義父さんもワープロにお義母さんへ送ったラブレターを起こしていた。あれは完成したのだろうか?
昔の人は気持ちの伝え方が上手だったのではないだろうか?
人生の中のわずか14年を胸にしまいこんで人生を送ってこられたことが素晴らしいと思った。
私にはとてもそんな気持ちになる今も過去も未来もなさそうだ。
でも、この配役はとても涙なしでは見られなかった。
もし、お祖母様役の野際陽子さんが亡くなられていなかったとしても泣いたと思うし、涙が溢れてきたと思う。
お祖父様が亡くなるシーンは泣くことはなかった。なんだろう?吾郎さんはこれで不幸の連鎖から開放されるんだって思っちゃったんだよね。
でも、お祖母様とお母様が和解するシーンは野際陽子さんと岸本加世子さんだけど、もうそのままを見ているようで良かったぁ〜しかなかったから。
向井理がまた大人の俳優になったなぁって感じでまた次が楽しみだ。
今度は舞台なんだろうか。それでも彼の活躍を期待している。