【映画 いつまた、君と〜何日君再来(ホーリージュンザイライ)〜】ネタバレ。野際陽子さんに涙が止まらない。

いつまた、君と

向井理の本気

原作となっているのは向井理のお祖母さんが残した手記を通して知った自分の祖父母の姿。そこから自分まで続く運命を感じ、1冊の本にしただけでなく、この映画の企画を持ち込んだことで話題でした。

先月には「ラブレターコンテスト」があったことでも話題だった。

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野際陽子さんの遺作

野際陽子さんが出演されていることもあり、最後の作品となってしまったことがとても残念でならない。

きっと、公開初日は皆さんといっしょに舞台にいらっしゃるんじゃないかと思うのだけど。

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「何日君再来」(ホーリージュンザイライ)は元々中国の映画の挿入歌のタイトルだったようです。

意味は「いつあなたに会えるの?」

とても興味深い言葉です。

何日君再來

何日君再來

  • テレサ・テン
  • C-Pop (チャイニーズポップ)
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

テレサ・テンさんも歌われていました。

今回主題歌は高畑充希さん。女優さんというイメージが大きい高畑充希さんですが、最近は歌手としての活動も多いですよね。ってミュージカル女優さんだから歌もお上手なんですね。

物語は戦前から戦後にかけての普通にあったお話なんだと思う。

野際陽子さん演じる今のお祖母さん朋子さんが自分の手記をパソコンに入力していることを知る向井理が代わりをすることから始まる。

若い頃の朋子さんを尾野真千子さんが演じている。南京へ行くというお祖父さん吾郎を向井理本人が演じている。

南京へ行くという吾郎についていく決心をする朋子さん。当初は順調だったようですが、戦後、上海から引揚船で日本に戻ります。

その道中で中国残留日本人孤児の流れも入ります。

戦中戦後の一般的な人の話しなのかもしれないけど、あまり知らなかったことです。

戦後、朋子の実家へ身を寄せることになるのですが、体力的に器用ではない吾郎は受け入れられません。どちらが受け入れられないのかわからない壁があります。

朋子はそんな吾郎を気遣います。

実家を出ることを提案し、茨城へ行きます。茨城で運送屋をしようにも購入したアメ車はポンコツすぎて、結局は二束三文で売ることしか出来ません。 そこから福島県でやっと仕事が見つかります。

が、吾郎は運が無いのか、東京で事故に遭い骨盤を骨折し、会社に戻ると会社は経理がお金を持ち逃げしてもぬけの空状態になってます。

自暴自棄な吾郎をどうにかなだめる朋子。

そんな時に先輩の駿河太郎演じる高杉から送られた寒天を元に軽食屋を開きます。

最初のうちこそ、生活が出来ていたようですが、その後は素人のお店には人が来なくなります。

吾郎はどうにか活路を見出そうとしている時に子供が大きな子供に屈しているところを見て子供に自分を重ね合わせたのか、なぜ立ち向かわないのだ!と怒ります。

朋子にしてみたら暴力を振るう相手に暴力で立ち向かえというのは違うと反対します。

身の置き場のない吾郎は「もうお前とは別れる」と家を飛び出します。

上の野原の写真はそれを探しに来た朋子に「野ばら」を渡すシーンです。

これが後に涙になります。

福島ではもう無理だということで高杉を頼って大阪へ出ます。

当時は都会への流入制限があってすぐに行くことが出来なかったことを知りました。

高杉の会社でどんな仕事でも嫌がらずに行う吾郎はすぐに信頼を得ます。やっと幸せが訪れた瞬間でした。

しかし、それも台風13号で仕事を奪われてしまいます。

吾郎は子供が大きくなったら二人で旅行に行こう!どこに行くかと話しながら絵を描きます。朋子はそれに合わせて歌を歌います。

吾郎は腰に腫瘍が出来てました。

「急性チフス」の可能性があると隔離されます。

チフスは吾郎の父親が自殺に追い込まれた因縁があります。

結局、チフスではなかったようですが、そのまま亡くなります。

向井理の演技がすごかった。いきなり死期の迫った様相になります。ダイエットをしたことだろうと思います。

まぁ通じて思うのは向井理、肌が綺麗すぎです。尾野真千子もですが。。。

野際陽子さんも入院している役ということもあり、そのままだったのかもしれないくらい素に近い感じでした。でも肌がとてもキレイでした。

吾郎が亡くなり、朋子は突然自分が子どもたちを育てなければならないことを実感します。

高杉に何でもするから雇ってくださいとお願いします。

当時、女性で子供を抱えて生活をするのは本当に大変だったと思います。

向井理の実母になる岸本加世子演じる真美は自分はお母ちゃんに捨てられたをずっと思って生きていました。

それでも母の記した手記によってそれがその当時には仕方のないことだということを知ります。

そして、自分に母が一番の宝物をくれていたことも知ります。

それが、この写真で吾郎が朋子に渡した「野ばら」の押し花でした。

もうね、野際陽子さんと岸本加世子さんが和解したシーンからは涙が止まりませんでした。

きっと言葉で言い表せない苦労を当時の人たちは大なり小なりして生きてきたことでしょう。

野際陽子さんが直前にお亡くなりになってしまい、もしお元気だったら初日のあいさつでどんなことをおっしゃられたのかなって思うけど、それが悲しいです。

もうね、涙が止まりませんでした。

「戦争を知らない子どもたち」の一人だけど、本当の戦争を知らない世代だけになることが幸せなのかわからない。

こういう普通に大変だったことをもっと伝えていくことが必要じゃないかと思いました。