【映画 ハイジ アルプスの物語】感想。前半から泣ける映画ってないよね。

スイス原作だけど日本アニメで有名に

スイスのヨハンナ・シュピリ作の「アルプスの少女ハイジ」

私たちは幼い頃に宮崎駿作品としてのハイジで育ってるからイメージはあるんだよね。

ジャパンプレミアム

関東では唯一、YEBISU GARDEN CINEMAでのみの上映ってことで、普段この劇場に来ているか、ユナイテッドシネマのサイトを「作品」で検索しなきゃわからない。

まぁ、キャパここだけだからね。

私は今月最初に恵比寿ガーデンプレイスのピクニックガーデンの無料映画の時の告知で知ったのだけど。

当然ですが、当日券はなかったみたい。

私はネットで一番に座席指定したくらいだったけど。

しかも

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お土産付きでした!

終演後も狭い場所で大変だったけど、いろいろ試飲試食させてもらったし。

YEBISU GARDEN CINEMAはあまり広くはないけど、座席が工夫されてていいなって思ったわ。

物語は私達の知っている「アルプスの少女ハイジ」の実写映画化。

でも、本番スイスの19世紀のままで残っている建物だったり街並みだったりするらしい。

アニメとの違いはヨーゼフがいないことくらいかな。

でも、アニメは宮崎駿作品ということでかなり丸みのある人物像でおんじもそれほど怖くなく思えてきた。

最近のCMのせい?

でも実写映画化は違う。

人間が根底に持つ感情がそのまま突き刺さる。

ハイジがおばのデーテに山に連れられて来るところから始まる。

おじいさんは父方の祖父なんだ。で、デーテは母方の叔母なんだ。

だから二人は他人だったんだね。

デーテは5年間面倒を見てきたが、限界だとハイジを押し付けて山を降りる。

おじいさんはハイジについて帰れと放り出す。

ハイジは叔母の立場もわかってるのだろう。勝手に羊小屋で一晩を明かす。

翌朝、おじいさんは乳搾りにヤギ小屋に来る。

結局、いつから食事をさせてもらえてなかったのか、ハイジの空腹を感じたおじいさんは搾りたての乳をハイジに飲ませてくれる。

それでもハイジの面倒を見れないと牧師さんのところへ相談に行く。

3日後に牧師さんのところへ来るようにと言われ二人はまた山小屋に帰る。

ヤギ小屋に寝なきゃだめかと聞くハイジに「好きにしなさい」と言ってくれる。

しかし、そこはおじいさん一人が住むようにしかなってないので、いすも一脚しかない。

ハイジは屋根裏に寝ることにする。

翌日、ペーターにハイジを頼む。

ペーターはアニメよりももっとリアルに時代を反映した男の子なんだと思う。

貧しい村の子供でヤギ使いとして生計を助けているのだろうけど、お昼を持たせてもらってはいなかった。

そこでハイジがおじいさんに持たせてもらったお昼を食べてしまう。

しかし、ハイジは半分あげることを約束する。

ペーターはハイジに村の噂話を聞かせる。

おじいさんは昔、人を殺した。

ハイジはそれを聞いておじいさんと距離を取ろうとする。

おじいさんはそんなハイジに「ペーターに聞いたことを信じるのか?」と聞く。

ハイジは子供ながらに考える。

ハイジはおじいさんが自分のことを意識したことに気づいたのか?おじいさんに、抱きつく。

翌日もハイジはペーターと山へ行く。

ペーターもずっと一人でいたのでハイジが来たことが嬉しい。でも、ハイジは「明日にはどこかにやられる」ことを告げるとペーターは不貞腐れてしまう。

小屋に戻るとイスがもう一脚ある。

恐る恐る座るハイジ。

おじいさんがハイジの為に作ってくれたものだった。

おじいさんもハイジとの暮らしをすることを決めた。

もうね、涙なしでは見られなかったわよ。

ここまでも。

ハイジが健気なんだもん。

牧師さんのところから戻ったハイジがおじいさんに「施設には行きたくない」と言った言葉が効いたのかしら?

ハイジとおじいさんの生活が始まる。

しかし、冬になるとペーターは学校に行き、ハイジは山小屋に閉じ込められた生活になってしまった。

それを見かねたおじいさんはソリでハイジをペーターの家まで送って行く。

ハイジはそこで目の不自由になってしまったおばあさんと会う。

おばあさんは硬いパンも食べられない。

また春が来てペーターといつものように山へ行くとそこへデーテがハイジを引き取りに来る。

おじいさんは許さない。

デーテはお金のためにハイジを騙してフランクフルトへ連れて行ってしまう。

そこでクララのお友達として生活を始める。

慣れない生活に戸惑うハイジ。

それでもクララは一人の寂しさから解放されて喜ぶ。

怒られてばかりのハイジは帰ろうとすることさえ叶わない。

そこにクララのお父さんとおばあさんが戻ってくる。

字を覚えないと言うハイジに優しく読み聞かせをすることでハイジは字を読むことが出来るようになる。

そうすることで山からどんどん遠ざかるハイジ。

ハイジはとうとう夢遊病になってしまう。

それでも我が子可愛さしかないお父さん。

クララの主治医の先生に「ハイジを山に帰さなければいけない」と言われ、やっと目覚める。

たくさんの白パンと食料をもらったハイジはペーターのおばあさんのところへ直行する。

ハイジの頭の中には「おばあさんにこのパンを食べさせたい」しかなかったわけだしね。

山に戻ったハイジはクララに手紙を書く。

ペーターに字を教える。

冬には村に引っ越し、ハイジも学校へ行く。

学校で「将来、何になりたいか」と質問される。

その当時に職業の自由なんてなかったのだろうな。

農家の子は、農家。

ペーターはヤギ使い。

ハイジは?

ハイジは「小説家」と答える。クラスメイトに笑われてしまう。

ハイジは手紙に「クララも山に来ないか?」と誘う。

クララのおばあさんがハイジの手紙を読み聞かせ、クララに山に行かないの?と聞くとちゃんとお別れできなかったことを後悔しているクララ。

活動的なおばあさんがクララを山に連れて来て、おじいさんにクララのことを頼む。

再会を喜ぶハイジとクララ。

でも、歩けないクララは山に行けないわけで一人になるペーターは面白くない。

しまいには、クララの車イスを崖下に落としてしまう。

それに気づいたおじいさんはクララを背負って山のペーターのところに行き、二人の面倒を見るようにと伝える。

隠れたまま出てこないペーターのことも気遣うハイジ。

クララは山に来たことで何かが変わったのか?立つことが出来る。

ここでは足に止まった蝶を追いかけようとして立てるようになり、ハイジとペーターに支えられながら歩けるようになる。

クララのお父さんがクララを迎えに来る。

おばあさんの独断で連れて来たらしく、「こんな山にクララを連れて来て」と悪態をつくと、おばあさんが「失礼な息子ですみません」とおじいさんに謝る。

それでもクララが立ってあるこうとしている姿に喜ぶ。

おばあさんはハイジにプレゼントを持ってきた。

白紙の本。

ハイジは物語を書くと笑われると言うとおばあさんから「村にいると周りが見えないけど、あなたは見てきてるはず」と言う。

ハイジの良き理解者だなぁ。

たった2時間だけど、全52話のアニメの主要な部分をきちんと網羅し、感情を現していると思う。

アニメで予習しているけら余計深い部分を読めるのかもしれないけど。

ハイジの両親はハイジが1歳の、時に亡くなってお母さんの妹のデーテが6歳まで育てたってことらしい。

どの時代でも女性一人で仕事をして生活をするのは厳しかったのだろうと思う。

就職が決まった時に子育て出来ない実母だっている。そんな中、何も与えてないとは言え、ハイジを優しい明るい子に育てたのはデーテだ。

身勝手におじいさんに押し付けたように描かれて悪者のようだけど、それは違うと大人になった自分は思う。

他人との交流を拒否して心を閉ざし、世間で勝手に言わせておけばいいと言う強さがあるのだと思う。

おじいさんはハイジの優しさに元来の優しさを共感する。

優しすぎるがゆえに閉ざさなきゃならない場面がある。村という閉鎖社会、おじいさんは教養があったり、村以外の世界を知っている。

そんな人を村の人は受け入れなかったんじゃないのだろうか?

おじいさんも受け入れられる努力をしなかったのかもしれないけど。

それでもハイジの存在できっと変わったのだろう。

村に引っ越すことを選択したことでそれがわかる。

ペーターはアニメだともう少し弱めのキャラクター設定。

だから実写のペーターの方がよりリアルだよね。

当たり前だけど。

口下手ではあるのだろうけど、教養もなくヤギ使い以外を出来るわけもなく、このままの人生を決められた人間の卑屈さを表現しているのだろう。

ずっと一人だと思ってた世界に年下とは言えハイジが現れたことで日々の楽しさを知ったんだろう。

クララも同じ。

お母さんが亡くなったショックで立てなくなりということだけど、父親が不在であることに対しての反応じゃないのだろうか?

気を引きたい

その一心だったんじゃないのだろうか?

おばあさんはハイジのことを最初から理解し、クララを一人にさせて可哀想にさせているのをハイジに負わせるのかと言う。

アルプスの山々はいつまでも変わらないのだろう。

フランクフルトの街並みも。

すごいなぁ。

日本の明治時代の街並みが残ってるってことなんだよね?

最初から泣ける映画ってそうそうないけど、いつの時代も子供がどこかで犠牲者になってしまっている。

国とかじゃないんだ。

大人になってあらためて実写映画を見られて良かったと思う。