「コトラ家族と世界のいいコたち」
GW前くらいに初めて劇場で予告を見た。BSを見てなかったからかなり衝撃。
猫だけで映画!?
その中の映像の猫の可愛らしさと岩合さんの「猫が幸せなら世界は平和」って言葉がとても印象的だった。
やっと公開だ。
BSを観てなくても感動する
劇場予告ではBSの流れだったので多少不安ではあったが、劇場版では「コトラ家族」と岩合さんの繋がりからきちんと説明がある。
津軽のりんご農家に居たまだ8ヶ月位の「コトラ」との出会いから岩合さんはこの猫を撮ることを決めたらしい。
枝の剪定の場面に猫が普通に木で遊ぶコトラ。お母さんのオオトラは脚立の上でまどろむ。
とてもいい関係がある。
2015年5月。コトラに赤ちゃんが生まれたその日から物語がスタートする。
その途中がわからないが、出産直後のコトラを結構間近で撮影している。
望遠レンズは使わないって何かで読んだからほんと間近にいるはず。でもコトラは警戒をしていない。
まだへその緒も残ったまま。
コトラ家族は津軽のリンゴ農家に「飼われている」わけではなく「居着いている」わけで、リンゴ農家さんも特別なことしているようには見えない。
ダンボールを与え、毛布をかけてあるくらいだ。
猫は1年で赤ちゃんを生むのね。野生の世界ってそんな感じなのか?
1年でもコトラは子育てを知っている。誰に教わるでもなし、お乳を与え、排泄を促す。
2日目。子猫は顔が落ち着いた感じだ。毛もふわふわになってる。
全部で5匹。コトラそっくりな猫が4匹とお父さん猫と同じ白猫が1匹。
最初は名前もなく区別もつかなかった。
3日目。子猫とカメラを置いてコトラがおやつタイムへ行く。どんだけ信頼しきってるんだ?
「ちょっと見ててね。私はおやつタイムしてくるから・・・」って感じで。
岩合さんの醸し出すオーラがきっと安心感を与えてるのだろうな。
3分くらいだったようだけど、普通では考えられないと思ってしまった。
4日目。1匹の子猫がダンボールから降りて1枚分の段差を上がれないで四苦八苦。
ミャーミャーとコトラに助けを求める赤ちゃん。コトラは他の猫の毛づくろいをしつつ気にする。気長に見守る。ほんと人間だったらきっとすぐに助けてしまう場面。じっと赤ちゃんが自力で上がるのを見守る。
それを見守る岩合さん。
なかなか上れない赤ちゃん。
近寄って見守る。
岩合さんは「引き寄せろ」って言ってたけど、それはしない。あくまでも赤ちゃんが上れるのを待つコトラ。
やっと上れたところで一安心。
猫撮影は大変だ。
6日も経つと目が開きかける猫も出てくる。ここで1ヶ月後になる。
1ヶ月。
ターゲットにする猫が決まる。
本当は見分けしやすい白猫が良かったのかもしれないけど、どこかに引き取られてしまったらしい。そこで唯一のオス猫で尻尾の短い「リッキー」がメインとなる。
コトラ家族とは言え、コトラはだんだんと居なくなってたらしい。
お母さんのオオトラもその頃には居なかったから、コトラも次の居場所を探してたようだ。
リッキーは男の子の顔になってくる。
津軽のリンゴ農家での成長。リンゴの花が咲き、小さい実がつく。その実の成長と猫の成長がリンクする。
リンゴの収穫時にもなるとリッキーはオス猫としてたくましさを感じる。
雪。
とても深い雪。
その中でコトラ家族の子どもたちはたくましく成猫になっている。
リッキーと仲の良いハナちゃんがつかの間の夕焼けの中の屋根の上の画像は本当に感動する。
春、コトラに次の赤ちゃんが誕生していた。って、猫って1年に2回も出産するの?
コトラたちはあくまでも飼い猫ではない野生を残す。
リンゴ農家の倉庫には猫がたくさん棲み着いて大変じゃないのか?って思っていたが、彼らは自給自足をしているらしい。
そう、春先に出てくるネズミを捕獲して捕食していた。
リンゴ農家としたら役にたつ存在だというわけだ。
映画化が決まった今年の夏、岩合さんは再びリンゴ農園に行く。
そこにはハナちゃんがコトラのように子育ての最中だった。
かつてのコトラのように猫にお乳をあげ、遊びに出た子猫を迎えにいくハナちゃん。
リッキーは野性味あふれる成猫になっていた。
それでも岩合さんのことを覚えているかのような振る舞い。猫ってすごいな。
ストーリーの節目節目に世界の猫が入ってくる。
まず最初はイスタンブールの「サフラン」という昔の「What’s マイケル」のマイケルのモデルのような猫。
こういう太っちょの猫っていいなぁって思う反面、我が家の猫はスマートだわ。
猫目線の撮影を紹介している。
リオデジャネイロの「シキンニョ」は砂浜で砂で作ったソファーでくつろぐ姿に予告映像では毎回笑ってしまっていたわ。このシキンニョの動じない感じがたまらなくいい。
ハワイの「ハナ」は砂浜で狩りをしているのか遊ばれてるのかって感じで穴を掘っていく。
でも、予告映像の浜辺の足跡は「ハナ」の足跡。いいよね。
モロッコのインディゴは景色ととてもマッチしている猫。
モロッコの景色も素敵で猫以上に楽しめるポイントかもしれない。
シチリアの「ドメニコ」は「ドン」ってあだ名をつけたいくらいどっしりとした感じ。
ギリシャのジャンパーは土地柄なのかよく飛んでいる。他の猫も。そして、ご飯が豪華。
たくさんの猫に大きなボウルいっぱいの煮込み。煮込みのレバーを探し出して食べようとしているところに他の猫が来てちょっかいを出していたら、犬に取られちゃうというなんとも言えない感じ。
こんなに猫だけなのに感動がある。
津軽のリンゴ農家の猫は今年の夏、また子猫が増えていた。そうすると成猫は自分の次の居場所を求めて出ていくのが本能にある行動なのだろうか?
少し悲しいが、それが彼らの世界のことなのだろう。
避妊手術をさせるわけでもない。
かと言って邪険にするでもない。
猫と人間がいい距離感で暮らしている。それを感じる。
猫の子育て。人間がどこまで見習えるだろう?
手を出してしまうことは実は自分の忍耐が試されている。待つことは大変だ。
いつの時代も「過保護」な親はいる。それは子供のためなのだろうか?自分の自己満足なんじゃないだろうか?
それを感じた。
まぁ子育てしてないけどね。
キャットフードもらった。我が家の猫は食べるか?