【映画 坂道のアポロン】感想。一生ものの友情に涙が止まらない

音楽で繋がる友情

二度と戻らない時間。十代の世代に是非、見て感じてもらいたい今という時間。

最近、昭和の時代が舞台の映画が多いような。

団塊の世代対応なのか?

1966年の佐世保の世界観がとてもマッチする。

居場所のない二人が

横浜から佐世保へ転校してきた知念侑李演じる西見薫。

教室は好奇と嫉妬にかられた雰囲気が漂う。

そこに話しかけてきた小松菜奈演じる律子。

律子に一目惚れする薫。

しかし、教室の空気に耐えられない薫は一目散に屋上を目指す。その手前にシーツに包まった人。

そこには中川大志演じる千太郎が寝ていた。

一見しても不良っぽい千太郎に構わず屋上に行きたいと言う薫。そこに鍵を持った上級生が現れ、喧嘩の末に鍵を奪うことに成功する千太郎。

雨の中、自然な千太郎と何かに縛られている薫。

薫は医者だった父親が亡くなり、親戚の元へ預けられることになり、家にも教室にも居場所を見いだせずに居た。

律子はクラス委員ということで気軽に話しかけてくれる。

そして「クラッシックのレコードのあるお店を紹介して」と言うと、「じゃあ、家に来たら?」と薫の気持ちを知ってか知らずかの返答。

戸惑う薫。

高校2年生の男の子だからねぇ〜。どきまぎ。

しかし、そこは律子の親の「ムカエレコード」だった。

レコードを見ている薫をジトーンと見る父親の中村梅雀。いいわぁ〜。

律子はその奥にも薫を誘う。

そこは律子の父親が作った地下のスタジオだった。

千太郎がドラムでジャズを奏でている。

ジャズを弾いたことのなかった薫。千太郎が弾いた「モーニン」のレコードを購入して耳コピして練習する薫。

Moanin'

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練習しなくても弾けると強気な発言でお店に行くとそこには千太郎が尊敬するディーン・フジオカ演じる淳兄さんがいる。

淳兄は東京の大学に通っているものの時代は学生運動真っ只中。

様相がちょっとまずくなり帰ってきていた。

淳兄はトランペット奏者だった。

そして律子の父のウッドベースと千太郎のドラムのセッションが始まる。

強気で入ってきた薫はなかなか入れない。

それでも飛び込む勇気を持て!と言われ、音を出す。

しだいに溶け込む薫。

セッションは素敵な時間となっていた。

まぁこんな素敵な時間ばかりが過ぎていたらいいのだけど、男二人と女一人という昔で言うところの「ドリカム」状態はうまくいかない。

律子は千太郎のことが好きだけど、千太郎は全くと言っていいほど気づかない。

それは律子も同じで薫の気持ちなんて全く気づく気配もない。

そこにまた新たな登場人物が登場する。

薫が10円玉を積み上げて公衆電話でようやく律子と図書館へ行こうと約束をしたものの、なぜか千太郎も加わり3人で海へ行くことに。

青春だね。

まぁ3人とも高校生の体格じゃないけどね。

小松菜奈って22歳になってるのね。でも、綺麗さは変わらないわ。

海へ行った3人の前に現れたのが真野恵里菜演じる百合香だった。真野恵里菜ってハロプロメンバーだって最近知った。最初に見たのって「SPEC」だったわ。

それ以来、いろんな役で活躍しているなぁって感じ。

百合香に一目惚れする千太郎。

ここで関係性がもっとややこしくなる。

千太郎の初めての片想いを応援すべく調べる薫。千太郎は薫に自分の気持ちがわかってもらえただけで十分だと言う気持ちはあったらしいが。

律子の千太郎への気持ちもわかっているだけに薫も自分の気持ちと律子の気持ちでやきもきする。

千太郎は淳兄に相談すべくジャズバーを訪れる。そこにはアメリカの海兵隊員が大勢いた。

そこでセッションする話をしていると絡まれる千太郎。しかし、喧嘩をしてもしょうがないと淳兄はトランペットと歌でその場を収める。

そこに千太郎、薫も参加しセッションが成功し険悪なムードはなくなる。

なぜか百合香の姿も。百合香は淳一を追って東京の大学から地元へ戻ってきていた。

その様子で二人が付き合っていることに気づく薫。千太郎は気づかない。

それがもっと話をややこしくしていく。

律子は薫と一緒に千太郎にスティックをプレゼントしたいと提案し、渡す準備をしているとそこに百合香を連れた千太郎が現れる。

部外者立入禁止の場所にと淳一が帰り、律子も出ていく。それを追う薫。

神社の境内で泣く律子になぜかキスをしてしまう薫。律子にしてみたら気持ちも言われたことのない相手から突然キスされたら困るわな。

みんな鈍感で生きているのだから。

ギクシャクする関係。

そんな時に淳一が東京に戻ると言うことを聞いた百合香はお嬢様に見えないようにすればいいのかと長かった髪をバッサリと切る。

二人が東京へ行く日、千太郎は淳一の忘れ物を届けに行き、二人の関係にやっと気づく。

そして薫に知っていて笑っていたのだろうと怒りをぶつける。

戻らない3人の関係。

文化祭。

バンドのドラムを頼まれた千太郎。「ジャズ以外は弾かないはずだ」と言う薫の言葉とは裏腹に引き受けてしまう。

律子の願いは薫と千太郎のジャズセッションであったがその思いも潰してしまう。

律子を悲しませた千太郎に怒った薫が千太郎に殴り掛かる。

殴り返す千太郎は薫ではなく地面を殴っただけだった。

友情は難しい。

文化祭当日、当時のグループサウンズのコピーバンドで登場する千太郎。

曲の途中で停電で演奏が中断してしまう。

復旧作業をしている中で、千太郎の本音を聞く薫。「一生ものの友情だと思っていた」「自分が壊してしまった」「取り返しのつかないことをしてしまった」

薫は一人、ピアノを弾き始める。

それを聞いた千太郎もセッションを始める。

二人の間が音楽で再び戻った瞬間であった。

クリスマス前、今度はクリスマスイベントで律子も歌で参加したらいいと提案し、楽しみにする3人。

当日、千太郎のバイクに乗った律子は千太郎に薫への思いを伝えようとするが、バイクの調子の悪い千太郎は集中出来ない。

そして交通事故にあって律子が意識不明となってしまう。

予告を見ていて、誰かがいなくなってしまう話なのか?って思っていたから、律子が?って思ってハラハラしていた。

千太郎は怪我をしただけだった。

千太郎も自分の居場所を探していた。千太郎はハーフだが、教会の前に捨てられていた。そして子供の出来ない親に引き取られたが、その後、兄弟が増えていく。

そんな家庭に居た。

それを知らない薫はつい言ってしまう。「君は僕の欲しいものを全部持っている」と。

親戚がいても居場所をみつけられない薫と本当の親も親戚もいない千太郎。

惹かれるモノがお互いにあったのだと思う。

教会で薫を天使と見間違え本音を吐露する千太郎。

千太郎を抱えて「お互いに見えないから泣ける」と。

律子の意識は戻ったが、千太郎は自分の居場所と言っていたロザリオを置いて姿を消してしまう。

10年後、薫は無事に医者になっていた。

そこに淳兄が訪ねてきた。

隣に百合香を連れて。

百合香は地元の友人から送られてきたという1枚の写真を見せる。

そこには探していた人物が写っていた。

その写真を持って薫は佐世保へ。律子は薫の言葉通り学校の先生になっていた。

そして二人で牧師となった千太郎を訪ねる。

長崎という土地柄なんだろうね。教会がたくさんあるイメージ。

そして再会した3人はすぐに音で繋がる。

もうね、最後は涙が止まらない。

幸せの涙。

ハッピーエンドなんだけど、泣けちゃうよね。

中川大志が金髪にしていたからなのか別人のような感じ。

二人共楽器をしていたのか?

ディーン・フジオカも。

それぞれがきちんと聴かせてもらえるレベルの音だったと思う。

ジャズって簡単じゃないよね。

普通に弾くだけでも大変だと思うのだけど。

セッションのサントラ出たら買ってもいいなって思う。

うまいセッションじゃないけど、味がある音だと思うから。

そしてテーマソング。

小田和正の「坂道を上って」

映画の世界観そのままだった。