時代の流れ
聖の青春では師匠の森信雄先生は塾生をして将棋会館で細々としたことをやっていてデビュー出来たようなイメージだった。
村山先生は病気があったからきっと記録係をすることはなかったのだろう。
今も塾生という制度はあるのかな?
対局後の復活
村山先生の体調というのが一番なのかもしれないけど、最後の方は対局をして2日くらいは動けない状態になるという極限状態の繰り返しのようだった。
他の元気な棋士はどうなんだろう?
解説をされている先生方がその日は眠れないということを良く言われる。
まぁ頭だけを酷使してしまって寝付けないというのはとても理解できる。
とても長い対局中、身体は動かずに頭だけがフル回転状態って身体にはどうなんだろう?
そんなことをいつも思っているのだけどね。
最近の棋士は翌日に他の人の解説の仕事が入っていて、その次の日もと続く。
普及のためとは言え、対局翌日に他の仕事って過酷すぎって思ってしまう。
対局中に翌日のこと考えちゃったりしないのかなって。
それって勝敗に関係してこないのかしら?
少ない人達で維持、継続するということはすごい努力が必要ということなんだろうなぁ〜。
解説と言う仕事も毎日あるわけでも全対局につくわけでもないから、その枠を獲得できることも、棋士にとっては生活を考えたらメリットが大きいのか?
将棋自体も長いからそれを交代したり、休憩したりしても拘束時間は相当だよなぁ〜。
運営している側も。
なかなかこんなに長く結果が出ない勝負事ってないなと思う今日このごろ。
小さい子がなぜ突然「将棋」に目覚めるのだろう?
村山先生も入院生活で父親が持っていった多くのゲームの中で「将棋」にのめり込む。
そこにある小さい子を引き込む魅力って何なんだろう?
じっとしていることが苦手な子供がなぜ将棋盤に向き合えるのだろう?
とても不思議な現象だ。
スポーツだと親がしていた流れとかでそのレールを作られてアスリートになるって流れが多いけど、棋士の中には自発的に?幼稚園くらいから「僕には将棋しかない!」的にやりだしている人がプロ棋士にたどり着いているわけで。
藤井六段だって将棋を始めて10年。彼の10年って濃いねぇ〜。
村山先生はもっと濃い。奨励会を2年6ヶ月で終了したわけだから。
奨励会入会が敵わなかった1年。その1年が悔やまれる。人生の終わりがまさかこんなに早く来るとは本人以外わからなかったとは言え、気の毒だ。
四段になってから亡くなるまで12年。
病気がなければ「名人」になることは出来たのだと思う。それでも最後はA級まで辿り着く。
通算成績
対局数 557
356勝201敗(12局不戦敗)
勝率 0.639
今の佐藤天彦名人と同じくらいの対局数や勝率だなぁって感じ。佐藤名人はデビュー10年で「名人」になった。でも対局数は468。名人になって2年、順位戦が丸っと20局弱ないわけだからね。その代わり番勝負ですが。
対局数が体調が悪かったとは言え、12年で557は多いのか?
中村太地王座もデビュー12年だけど463。昔?の方が対局が多かったのだろうな。バブルも関係している?
などなど時代の流れ的なもの若かりし頃の今ベテランになっている棋士の先生を想像しながら読むことが出来たと思う。
あと、昔は対局中、喫煙OKだったってことが衝撃的。いつどの流れで禁煙になったのだろう?
今の棋士で喫煙者のイメージがある棋士が20代にはいない。
もし村山先生が今の時代に活躍されていたら、AIの時代をどう生きただろう?
最後まで棋譜並べにこだわったようだけどと思ってしまう。
村山先生の存在は大いなる「if」
羽生竜王の100期タイトル、この年齢での1400勝。
どっちに転んでいただろう?
何かのプロになるということを決心した家族はその子供の夢を親が共存して作り上げる。スポーツも将棋も。
子供だけで頑張ってもプロになるための壁は破れない。
村山先生の親に頼らなければ何も出来ない自分と他の人はやっている、やれているジレンマが悲しい。どこまで妥協する?妥協しなければプライドだけでは生きていけない。
今、この瞬間もプロになるために子どもたちが切磋琢磨している。
何の仕事に就くにしてもお金をもらうということはプロなんだ。
お金をもらうために努力をすることが求められるのがプロなんだと。
就活をしている人もプロになるために自分はどうありたいと考えるべきだ。
受かればいいなだとブレる。プロになるって意識が希薄すぎる。
大学生になれば親が口出しするところはない。それでも応援はしていて欲しい。
プロにして親の役目は終わるのではないだろうか?
どんなことでも。
アスリート、将棋などのプロは一種独特の絆でプロに仕立て上げる様式があるけどね。子供の夢を親が自分の夢にするのはいいのだと思うが、逆に親の夢を子供に実現させることには私は否定的だ。
親が子供の夢に共感するのはもう既に自分の夢を終えているからいいと思うから。
将棋連盟という狭い組織。
それを自分たちでしっかりと作り上げようとしている人々。
将棋が強くなるのと同時に受け継ぐ、引き継ぐ意識が大きいことを感じる。