原作の凝縮
東野圭吾原作の「ラプラスの魔女」
まず、読まないで映画を観るほうが楽しめるのかもしれない。
世界観はちょっと違ったけど。
青江教授が主役
原作では広瀬すずが演じる羽原 円華が主人公として描かれる。
そのサブキャストとして青江教授が登場するが、それはあくまでもサブキャストだ。
昨年、櫻井翔主演で映画化というニュースを聞いて「ジャニーズ映画になってしまう」と危惧したのだが、今の櫻井翔はまぁアイドル感はまるでない「おじさん」だ。
ただ、櫻井翔人気もあるのだろう。
GW真っ只中の会員デーということもあり、満席だった。
あの映画館で満席は過去2回くらいしか体験していない。
それなりに広いスクリーンだけど、前の席まで埋まっていた。
小説では細かい描写で描かれているものがない部分があり、背景を知らないまま観たらどう思うだろう?などと思ってはいた。
まず、2つの温泉地でおこった事件なのか事故なのか。
硫酸化水素で2人の人間が死亡した。
それは観光地にとってはきちんとした結果を示さないことには営業を続けられない。
そこに要請を受けたの地球化学の専門の青江教授だ。
そして事件を追う中岡 祐二刑事役の玉木宏。中岡刑事は亡くなった人物の妻が保険金目当てで殺害したのではないかと怪しんでいた。
原作ではその背景がある。まず最初に亡くなった映像プロデューサー水城 義郎には佐藤江梨子が演じた年下の妻水城 千佐都が居た。
妻の千佐都は元ホステスということもあり、財産目当ての結婚だと噂されていた。
そして水樹の死は当初、事故として片付けられたのだが、水樹の母の投書により中岡刑事が再捜査を始めることで青江教授につきまとう。
一番驚いたのは青江教授の助手役の志田未来のおばさん化。
太ったから?細いイメージがあった志田未来が誰だかわからなかった。
まぁ広瀬すずを見たら他はみんなおばさんだ。
そしてあっという間に次の事件として那須野 五郎が同じように死亡する。
そこには円華がいつも居る。
原作ではそれぞれの殺害の前にこれから登場する福士蒼汰演じる甘粕 謙人が居るのだけど。
物語は2つの死亡が事故なのか事件なのかというところから始まる。
地球科学の観点から青江教授は「ありえません」としか答えられない。
そこに円華が現れ、次々と自分よりはるかに優れた見解を示す。
円華についてはまぁ最初の部分はあんな感じね。
エンドロールに「檀れい」ってあって、「え?どこに?」と思ったけど、オープニングのシーンの母親役だったわね。
北海道で竜巻にのみこまれてしまって亡くなってしまうわけで。
そして、物語はあっという間に甘粕 才生の豊川悦司にたどりつく。
トヨエツが市村正親さんにしか見えなかったわ。最後とか。
アップとか。
映画監督の甘粕 才生は硫化水素で家族を失っていた。
そして残された息子は一命をとりとめたものの、記憶を失っていた。
そしてブログの内容がところどころ出てくるのだけど、そこの部分は原作を読まないで映画を観ていた方が良かったのかもしれない。
それだけで十分伝わる内容だから。
ブログは約1年にわたっているからちょっと長い印象を持っていたからね。
そして、どう加工したのか、甘粕才生の息子こそ円華の探している人物だと青江が見つける。
そこでやっと福士蒼汰が登場ってわけでもなく、彼の出演シーンの撮影は2日くらいじゃないか?
やっぱり一番出ていたのは円華だと思う。
そして円華は科学的なことをいろいろ言わなきゃでセリフ覚えるの大変だっただろうなと・・・
まぁ広瀬すずの顔の穴のないこと。
毛穴ゼロ。
加工したにしてもキレイだったわ。
玉木宏の刑事はまぁ声が大きいだけの印象。
最後は公安案件ってことで事件そのものがもみ消されちゃうわけで。
登場人物として円華のボディーガードが武尾が高嶋政宏ってことで驚いた。え〜ちょっとイメージが違いすぎた。
そして円華の父親の羽原 全太朗がリリー・フランキー。
今まで見たリリーさんの役で一番偉そうな?役だったわ。
いつもはちょっとどっか肩の力が抜けるおじさんって役のイメージなのに。
あと羽原教授の部下の桐宮 玲役のTAOが誰?って感じ。
って感じの登場人物であっという間の2時間10分に凝縮された作品。
最後の間延び感が残念。
最後は賢人が父親の才生に復讐する場面なんだけど、原作の方が一気に吹き飛んだようなイメージだったんだけど。
月虹とか出てきて・・・
うーんそんな感じだったっけ?
映画化した脚本は印象的なセリフの抜粋で良かった。
「未来が見えてしまうことは夢を見られないということ」
「未来を知りたいか?」
などなど。
来週のランキングは間違いなく1位だろうな。
でも、来年の賞レースに絡む作品ではないかな。
櫻井翔のおじさん度が・・・厳しい。