【ワンダー君は太陽】感想。必ず、ハンカチ持参で観なきゃだめ。

試写会の予告上映

予告上映で試写会の様子が出ていて、開始10分でみんながハンカチで涙をぬぐってた。

「え〜、10分ってそんなことないでしょ」って思ってました。

が、10分で鼻水かんでました。

隣のおっちゃん(60歳以上よ)は何も持ってなかったんだろうね。シャツの袖でぬぐってた。

感動しかない。

心の醜い人間は心の強い人間を攻撃するように人間は作られているのだろうか?

オギーは遺伝子疾患で普通と言われる状態では顔の状態で産まれてきた。

10歳。27回もの手術をしてそれでも普通とは言えないけど、「顔」が出来た。

ジュリア・ロバーツ演じる母イザベルが自宅学習でオギーの勉強を見てきた。

母は強し。

どこの国でも共通で言えることなのかもしれない。

母は小学校5年生に上がるタイミングでオギーを小学校へと入学させる。

学力には問題がないとしても傷つくことは容易に想像がつくことでオーウェン・ウィルソン演じるネートは反対する。

夏休みの間にオギーは校長先生と会う。そして同級生となるジャック、ジュリアン、シャーロットに校内の案内を頼む。

ジュリアンはどこにでも居る大金持ちのイジメの首謀者タイプ。大人受けはいいという、どこの世界でも同じなんだ。

シャーロットはタレント活動をしていることをずっと自慢している。

まぁそのお陰でジュリアンの嫌味が半減していた感じもする。

そしてジャックはまぁ静かについていっている感じだ。

理科室。自宅学習だったオギーは最下位になるとジュリアンは言い放つ。

しかし、オギーも負けてない。質問に対してしっかりと答え、ジュリアンの発音の間違えも指摘する。

イザベルは校長先生との感触に手応えを感じ、オギーに聞くが、オギーは答えない。それでもネートは嫌なら行かなくてもいいと言うとオギーは「大丈夫。行きたい」と答える。

子供はときに大人よりも残酷なことが多い。

そして感じたことを親に言って親が傷つくことを子供は望まない。

オギーは宇宙飛行士のヘルメットを被って母、父、そして姉のヴィアと学校に行く。

校門からは一人で行かなければいけない。

この辺でね、やっぱり涙が出てくるわけ。子離れ親離れの瞬間ってことでもあり、どっちの勇気も痛いほどわかるから。

ネートはオギーに「孤立してもお前は一人じゃない」と送り出す。

ヘルメットを外したオギーを子どもたちは好奇の視線を向けるが、どうしても目をそらしてしまう。

オギーは母からの教えで嫌なときほど楽しいことを想像する。宇宙服を着て楽しい気持ちを想像する。

自分も「もしチューバッカが居たら自分だって同じかもしれない」と他の人間の気持ちを考える。

オギーは教室に入るともう既に着席している他の生徒。座ろうとすると、そこはもう予約しているという。アメリカは自由なんだね。日本のように座席が指定されていないと最初は大変な感じがする。

担任教師は「格言」を元に人として大切なことを説く。

その言葉がかなり良い。

ランチタイムはまた地獄だ。誰も近寄ろうとしない。

孤立するオギーにバカにすることだけするジュリアン。

いるんだよね。こういう嫌なヤツ。

体育ではオギーめがけてみんなでボールを投げる。最低だ。

初日を終えたオギーはヘルメットを外そうとしない。

重苦しい食卓。

イザベルはオギーに「何があったの?」と聞く。オギーはつい言ってしまう。

「なぜ、僕は醜いの?」

イザベルは言う。

「顔は人の過去を示す地図」と、自分の顔のシミ、シワだって他の人から見たら醜いと言う。そして白髪も。

深刻な感じの会話でも最後にはユーモアが出てくるのがほんと泣ける。

そしてイザベルは

「あなたは絶対に醜くないわ」

その言葉は母だから言うことではなく、世間一般でもそう思う。

人の見た目で判断することのレベルの低さ。オギーは両親に愛され、素直に育っている。

姉のヴィアも高校の初日だった。ヴィアはヴィアで孤立していた。

オギーの家はオギーという「太陽」の周りを回る惑星だと。

自分を見てくれる両親はいない。全てがオギーを中心に廻ってしまう。

それでもサマースクール前までは大親友と言える存在が居た。

久しぶりにミランダと対面するとそっけない態度。メールを1000通送ったのに・・・と言うが、返事はなかった。

そして他の人とランチをするミランダと孤立してしまっている自分を知る。

そんな時、壁に寄りかかっていたところで演劇クラスのジャスティンに声を掛けられる。少しだけ救われた感じだろうか。

家族の中の自分の存在。「世界一手のかからない子」と言う言葉は褒め言葉でも何でもないことを親は知るべきだ。

手のかかる存在が居るとどちらかが手抜きになってしまうが、心のケアは大切だ。

オギーは学校で孤立を高める。どこでもそうだが、子供のイジメはストレートだ。触ると「ペスト菌がうつる」言葉による暴力。

それでも、オギーは理科の授業で自分の知識を存分に発揮する。

理科の小テスト。オギーはさっさと解答を解き終わると隣で唸っているジャックにカンニングをさせてあげる。

突然の行動に驚くジャックだったが、ランチで彼はオギーの座っている席で一緒に食べる。

「どうして食べないの?」オギーは持ってきていたお弁当を食べずにいた。

初日にからかわれたことが心の傷となっていたのだろう。

「僕の食べ方カエルみたいだから」

ジャックは「そうなの?僕だってそうだよ」と手で持たずに顔からサンドイッチに突っ込む。

そして打ち解ける二人。

オギーはジャックに「理科が苦手なら家に来たら?」と誘う。ジャックはオギーのお家に来ることに。

帰りに校門で待つイザベルの前にオギーとジャックが。オギーが「遊びに来てもいいよね?」と。

親として一番嬉しい瞬間だっただろうな。

ジャックは次第にオギーの存在が大きくなる。

しかし、ハロウィンの日に悲しい瞬間が訪れる。

ハロウィンはみんなが仮装しているからオギーも仮装して堂々と歩ける。

普段は近づかないみんなとも接することができる。

教室に入ろうとしたオギーに悲しい会話が。

ジャックがジュリアンに本音を言っているのを耳にしてしまう。

ジュリアンはオギーのような顔のマスクを手にしている。最低なヤツ。それでも一緒に会話していたジャックにジュリアンが聞く。

「なぜ、オギーとつるんでるんだ?」

まさかオギーが聞いているとは思わないジャックがつい言ってしまう。

「校長先生に頼まれたから」

一番言われたくなかっただろう言葉。

「僕だったら自殺している」とも。

それを聞いたオギーはショックのあまり吐き気を催してしまう。

その頃、家ではヴィアがイザベルと二人っきりの時間を過ごしていた。

イザベルの時間が全部自分のものということにヴィアは嬉しい。

イザベルは最近ミランダが来ないことを聞く。答えようとしたところで悲しいかな、オギーの不調を知らせる電話が入ってしまう。

いつもオギーに母を奪われるヴィア。

我慢しなければいけない存在が悲しい。

ハロウィンパレードに行かないというオギーにヴィアは仮装をして誘いに行く。

そして自分だってミランダから避けられていること、そして母の時間を奪われたことを伝える。今二人は親友でしょと二人で出かける。

演劇クラスに入るヴィア。ミランダもそのクラスに居た。

ミランダは戸惑う。自分の立ち位置をジャスティンに奪われたことに気づく。

ミランダはオギーに電話する。そして「寂しい」と伝える。

オギーはミランダにとって弟も同然だった。ヘルメットもミランだがプレゼントしたものだった。

しかし、ミランダは自分の家族とヴィアの家族を比較してしまい、サマースクールでヴィアになりきってしまった。

それを知られることが怖かったこと、また違う自分になったことでヴィアを避けてしまっていた。

ヴィアの家族はオギーという太陽で強い絆で結ばれているが、自分の親は離婚し、父親は再婚し、うつ状態の母親がいるという状況。

子供の悲しさが伝わる。

公演のオーディションでミランダの代役となるヴィア。演劇を始めたことも言ってなかったことで揉める。

学校ではオギーの悪口を言ったジュリアンを殴るジャック。理由は言えないと言うジャックの状況を校長先生は理解していた。

2日間の停学処分。奨学金をもらっているジャックにはこたえたはずだが、校長先生は停学が終わっても奨学金は君を待ってると手紙を出す。

根底にあるもの。

ジャックを避けるオギーをサマーは気にする。他の女子生徒のオギーの悪口に耐えられなかったのか、自分も同類と見られたくなかったのか。

サマーはちょっとねじれたオギーの気持ちも理解して握手する。

子供は子供で成長する。

ジャックの中ではオギーの存在が大きくなるが、避けられてしまってどうしていいのかわからずにサマーに教えてもらう。

サマーはオギーに聞いていたが、「言わない」と言う約束もしていたのでヒントだけを言う。

そして気づく。自分が言った言葉を。

理科研究大会が行われる。二人一組だが、ジュリアンがジャックは自分たちと3人ですると先生に言うが、ジャックは「ルールの通りでやる」と言う。

ジャックとオギーがまた繋がっていく。

ヴィアの演劇の公演も近づく。

主役のミランダには誰も観に来ている人がいない。ジャスティンから「大丈夫、ヴィアの家の人達が応援しているよ」と教えてくれる。

そこにはオギーと両親の姿が。

ミランダはヴィアと主役の交代を申し出る。

突然主役となったヴィアは戸惑いながらも無事に演じきる。

夜はミランダ、ジャスティンともにヴィアの家で成功を喜んでいた。

ジャスティンが室内にあったものに関心を寄せる。

それはオギーとジャックの研究作品だった。

彼らはなんとカメラの原理の箱を作成する。

その作品は優秀賞を受賞する。

オギーの周りには人が集まるようになり、ジュリアンのイジメが度を増していった。

醜い似顔絵や集合写真からオギーを消した写真。

学校側もジュリアンの両親を呼び出す。

ジュリアンの両親は多額の寄附をしていることで、ジュリアンの行為に罰が与えられることを良しとはしない。

正常な精神に生育されることが難しいだろう類の親に育てられたジュリアン。

見える醜さと見えない醜さ。

見えない醜さは他の人を不幸にする。

2日間の停学となった時、ジュリアンの両親は学校を辞めると言い出す。

友達も居る学校から親のちっぽけなプライドで転校させられるジュリアン。

どこに行ってもうまくいかないのだろう。

サマーキャンプ。

オギーは他の学校の生徒に絡まれる。そこをジュリアンと仲良くしていたグループが助けてくれる。

いつの間にかオギーの周りに敵はいなくなっていた。

5年生の修了式。

オギーにとっても両親にとってもいろいろなことがあった1年だ。

修了式にオギーは優秀賞を送られる。

オギーの勇気は周囲を変えたことに対する賞だ。

見た目で人は判断できない。それは子供であれば最初こそ戸惑うがお互いの勇気が存在を確認する。

もうね、ずーーーーっと涙が出てきてた。

しんみりするシーンもあるけど、イザベルの母としての愛情や勇気、ネートの父として男としての在り方とか。ヴィアの存在も。

サン

Sunであり Sonである。

そして奇跡を起こしていくオギーの強さが周りの人を動かす。

普通じゃないことは不幸ではないし、時により強力な力を持っている。

見た目で判断するような世界は決してなくならない。それでも、人は優しくなれる。

その人の本質を見極められるようにいたい。そう思う。