オープニングロール
最近、オープニングで主演、助演の方の名前が出ることがあるが、この映画では縦書きの名前が表示されたのだけど、「?」「手書き?」
まず「岡田准一」が出て、「西島秀俊」と出て・・・
「黒木華」が左右対象の漢字だからデジタルっぽくて・・・
でも、エンドロールは人の名前は全て手書き。
「誰が書いたのだろう・・・大変ね」って思っていたのだけど、なんか癖の統一感がない。
え、全員の「サイン?」
ってことで一番の達筆は監督の「木村大作」でした。
時代劇だけど美しさの追求
木村大作監督作品。
79歳と言うご年齢から考えると監督と言う仕事は大変だったのだろうか?
舞台挨拶で監督が涙するのはあまり聞かない。それを見て岡田准一までもってすごい絆を感じた。
監督最初の作品「劒岳 点の記」を観に行き、「春を背負って」を観ていないことに気づいた。
そして岡田准一との共演。
最近のジャニーズは時代劇をしたがるように思う。
岡田准一は昨年は「関ヶ原」でも時代劇に出ている。
「関ヶ原」は観ていない。基本的に時代劇は武士の殺陣のシーンばかりというイメージであまり好きではない。
この映画を観に行ったのはいいが、まぁ眠気がすごくて大変だった。
とことん時代劇好きじゃないのね。
でもね、じゃあなぜ行ったのか。岡田准一が好きってわけではない。ただただ「木村大作監督作品が観たい」以上みたいな。
好きではないけど、時代劇を観ないわけではないし、「銀魂」だって殺陣のシーン満載だし。
「散り椿」は殺陣が本格的。
すごく疑問だったのが、刀で切ってもほとんど血が噴き出すシーンを観たことがなかったってことだろう。
バイオレンス系ではない。
でもリアリティを求めているように思う。
冬。雪の中のシーンでいきなり切り合う。そこでは全然血に染まるようには見えなかった。
岡田准一演じる瓜生新兵衛が4人に襲われるが4人を切る。
家では麻生久美子演じる妻の篠が切り合いをしてきたことを袖口の汚れで気づく。
ストーリーをまるでわからないまま話は進む。
故郷の藩を追われた新兵衛。篠は夫に最後の願いとして自分の代わりに自宅の「散り椿」を見ることを頼む。
そして、西島秀俊演じる榊原采女を守ってほしいと。
榊原采女はかつて篠と夫婦になると思われていた相手で新兵衛と同じく一刀流平山道場で「四天王」と呼ばれた一人だ。
藩を追われた身でありながら篠の願いを胸に藩に戻る。
まぁ関係が複雑だ。
まず一刀流平山道場で「四天王」が
岡田准一演じる瓜生新兵衛
西島秀俊演じる榊原采女
駿河太郎演じる坂下 源之進
緒形直人演じる篠原三右衛門
緒形直人がいい感じになってるわぁ〜。
駿河太郎、まだ顔が認識しきれてないから観てて「誰だっけ?」って感じだった。時代劇だしね。
扇野藩の勘定方で不正を暴こうとしたことで端を発したこと。そのことでまず坂下家の当主だった源之進が横領の罪を着せられて無実を主張するも切腹に追い込まれる。だから、駿河太郎は一瞬なんだよね。登場が。
奥田瑛二演じる石田玄蕃がくせ者。結局この藩の家老に切腹させられたわけで。
玄蕃って誰だろう・・・ってずっと思ってた。
そして奥田瑛二ってあったけどどこに居た?って。
まさか玄蕃が奥田瑛二だったとは!?
そうかぁ。そうだったか。
登場人物には驚いていたのだけど、それ以上に今の日本にまだこの景色があるのか?って思うくらい、景色が素敵。
しかもオールロケ。
富山、彦根、松代。
そっかぁその辺りだよね。
瓜生新兵衛が藩に戻る途中、坂下家の当主となった若侍の坂下 藤吾役の池松壮亮が扇野藩組頭宇野十蔵役の新井浩文と遭遇する。
藤吾は篠の弟であり、新兵衛の動向に気を遣っている。
そして篠の妹で源之進の妻里見が黒木華。
新兵衛は平山十五郎役柳楽優弥の元を尋ねる。
平山道場の道場主。四天王の一人だった新兵衛に誰も敵わない。
新兵衛は十五郎に聞きたいことがあると言う。
十五郎は知っていることを伝える。それを聞いた新兵衛は複雑だ。
新兵衛は坂下家を訪れ篠の死を伝える。
里美は新兵衛を信頼しているが故に姉の言葉をそのままに行動しようとする新兵衛に「お優しすぎます」と涙を流す。
姉の言葉の裏には新兵衛に「生きて」というメッセージがあると伝える。
扇野藩御用達の和紙問屋の田中屋惣兵衛が石橋蓮司。もうさ、どの映画を観てもこの手の役は石橋蓮司さんって感じくらい。以外に適役が浮かばないのもあるけど。
惣兵衛は新兵衛に護衛を依頼する。
惣兵衛は横領の事実を書いた書を持っていた。
それを奪われる危険があった。
その書を預かる新兵衛であったが、惣兵衛が襲われる。そして藤吾が人質に取られてしまう。
助けに行く新兵衛はその書を里美から采女に預ける。
そこには横領の事実があった。
扇野藩若殿千賀谷 政家が渡辺大。まぁわがままな若様を演じて采女の言葉を聞かずに警備が手薄だと言っているのに三右衞門に命じて出かける。そこで三右衞門が若様を守って撃たれて亡くなる。
采女は側用人としての責任を取るようにと玄蕃に迫られる。
新兵衛と采女は玄蕃との戦いへ向かう。横領を記した紙を藤吾に若殿に渡すようにと。
藤吾は十蔵に行く手を阻まれるが、新兵衛に剣術を教えてもらっていた成果か切り勝つ。
若殿は自体を把握し、馬で向かう。
その頃、戦いが始まり、采女が矢を放たれてしまう。
新兵衛着火!
まぁ血が噴き出す噴き出す。最後は新兵衛の顔は血だらけで赤鬼の形相。
首筋に刀を当てて恐怖を与えてから引くのね。そっちの方が倍怖そうだ。
結局、藩の重要な人間がいなくなってしまったが、藤吾筆頭に藩を立て直すことになる。
藤吾は榊原家に養子として入り、芳根京子演じる篠原美鈴と結婚して跡取りを作って坂下家、榊原家を絶やさないようにと言われる。
大変な時代だ。
新兵衛は篠を弔いまた藩を後にする。
時代背景がわからないと登場人物の関係も「?」のままだ。
でも音楽、景色の入り方が普通の時代劇とは違う。
庭のちょっと薄暗い雰囲気と大自然の広がりを感じる部分がとてもいい。
もう79歳?まだ79歳?
まだまだ木村大作監督作品が観てみたいと思う。