大卒ですること
まぁ最初の30分くらいは観ているのもイライラするくらいだった。
「私、ゴミ拾いするために大学を卒業したわけではない」
じゃあ入社したその日に出来ることは何ですか?
西島秀俊がいいなぁ〜
波平(なみひら)役の波瑠。
仕事が出来ないけど、生意気な役が多いように思うのは気のせいか?
波平は私にしたらとっても痛い女性。
自宅に住んで仕事へ行くことが理想ってことで、大学時代に付き合っていた彼氏と同じ会社に入社してしまうというほんとに痛さしかない。
彼氏の中村倫也演じる俊くんも・・・パッとしない感じだったけど。
超一流ホテルチェーンに就職。希望職種を企画にしたことで配属先は熊本のグリーンランドという遊園地。
俊くんと同じ会社に入社したのにと甘いことばかり言う始末。
そして年間MVPになったら東京に戻れると言われてモチベーションを上げる。
そして入社当日、もう一人の新入社員岡山天音演じる吉村と二人はイベントのショーに出ることになる。
そして二人はゴミ袋を箱で渡されてゴミ拾いをするようにと言われる。
ふてくされてゴミ箱からゴミを集めて時間を見つけて企画を立てようとする波平。
教育係の西島秀俊演じる小塚はその企画書には目も留めないで他の作業を与える。
「私、こんな仕事やるために大学を出たわけじゃありません!」
何も知らない場所で何も知らないで何を企画するのだろう?
最初はきっとみんな同じ思いを持っているのだろうけど、すぐにその思いが間違っていることに気づいていくのだろうと思う。
気づけないと「ここは私のいる場所ではない」と転職をして、「青い鳥症候群」状態で就職できないことになる。
吉村は黙々とゴミを探して歩いている。
が、波平は机に向かっている時間が多い。
自分の書いた企画書にまるで見向きもされない波平はとうとう柄本明演じる園長に直訴する。
そうすると園長は「期待なんてしてない」と言い、「名前が面白かったから」と言う。
期待されていたと思っていた波平にとってはきつかっただろうね。
そして波平は「おもしろ枠」で「学歴枠」は吉村だった。
吉村は東大卒だった。
それでも腐らずに黙々と言われたことを行う。
1ヶ月後にその違いが現れる。
波平はお客様に「お化け屋敷」の場所を聞かれてもどこなのかまるでわかっていない。
ゴミ拾いは広い敷地を歩きながらいろんな場所を覚えるための時間だった。
それをしなかった波平は大切なことをまるで気づけずにただイジケていた。
そんな波平を小塚は「スマ〜イル」と言うが、波平には響かない。
観覧車で小塚と二人で話をする中で自分がいかに使えない存在かに勝手に落ち込む波平だが、小塚は怒ることはない。
そこから少しずつ波平の姿勢が変わる。
夏になり花火大会やアイドルのイベントなど大きな企画が動き出す。
その中でアイドルイベントの責任者を指名される。
指名されてすぐに関係者からの電話対応に意気揚々と受ける。
が、その行動があとに災難になる。
すぐに到着すると思っていたアイドルグループが23時を回ってやっと到着する。
が、30分遊園地で遊びたいという。
電話をした時に閉園後30分くらいなら大丈夫ですと答えたらしい。
23時も閉園後は閉園後だ。
マネージャーは引かない。アイドルグループの面々もふてくされてくる。
小塚は30分後にまた集合してくださいと波平にまかせてどこかへ行ってしまう。
30分後、暗い園内に向かう面々は文句ばかり。
しかし、入り口に差し掛かるとライトアップされ小塚が出迎えていた。
喜ぶアイドル。
帰ったはずのスタッフがみんな戻っていた。
魔法使い小塚。
そんな小塚の存在に憧れていく波平が居た。
夏になり、長距離恋愛の俊くんが会いに来る。
本社勤務の俊くんにしたら系列会社の田舎の遊園地に夢中になっている波平を見て、「東京に戻ってこないか?」と言い出す。
帰りたいと言ったら頑張れと言い、頑張れば辞めろという。
まぁ器の小さい男だったってことでスプラッシュ・マウンテンの水を大量に浴びて別れる二人。
本当の強さ、優しさがあふれる現場で人として大切なことに気づいていく。
50周年記念イベントの企画を考える。
その前に小塚が来年の春に退職しようとしていることを知ってしまう波平と吉村は小塚が退職しやすいように自分たちで企画を練る。
1万個の風船を気球から降らせる。
風船は地上から空に上るものだと思ってたから、何を入れたんだ?ってくらい落ちてくる風船が変な感じだった。
熊本の現地の人のエキストラなんだろうなぁ〜。花火のシーンと言い、風船のシーンといい、ちょっといいなと思ってしまった。
イベントはドッキリ企画もしっかり成功し、半年後小塚は新しい会社で働き出す。
夕飯を食べようと誘う小塚に波平は「戦隊ショーのメンバーに誘われてて」と断る。
まぁ1年後の波平は小塚の代わりになるくらいの成長で新入社員に自分が教わったことを伝承していく。
これはまぁ遊園地というある意味「夢」を売る舞台であってキャストはどんな場所であっても「笑顔」が必須。
非日常を演出するために努力をしている。
内定を取るために必死になった会社は何をする会社か知ってますか?
未来はわかっていると思いますが、その土台作りがどんなものか知ってますか?
大手と言われている企業でも軍隊形式のようなところもあるし、教育もないところもある。
面接をした人たちはいろんなことを我慢しクリアして残っている人。
そうなるために何が必要なのか聞くくらいの気持ちが本当は大切なんじゃないかって思ってる。
最初のイライラはしょうがないとして最後は成長を感じられる映画です。