【映画 この道】感想。北原白秋と言う人を知ってますか?

私は教科書レベルしか知らない

小学校の音楽の教科書に載っていた顔写真。100年ちょっと前の方だったんだ。

キャラ設定として、大森南朋が北原白秋?って感じ。AKIRAが山田耕筰で。まぁ教科書の中の人物を当ててるのだけど・・・かなり違和感。

webukatu.com

詩人

詩界って言うの?教科書に載っていた詩人が同年代の人?

明治から大正、昭和初期の人たちの想像力。

江戸時代ではない発想が今の時代にも当てはまるということなのか?

それとも残っているということなのか?

北原白秋という人が今で言うところの「女たらし」だったとは知らなかった。童謡作家。大人になっても子供の心をいつまでも持っていて、その部分が創造に役立ったのだろうか?

突然、隣の奥さんとの場面。何も知らなければ白秋の奥さんだと思うところだけど、突然帰宅する。

えー!隣の奥さん!?って感じ。

すごい大胆すぎる。

そこに居るのが与謝野晶子。同じ時期の人だったんだってことしかないよね。

与謝野晶子が羽田美智子。ふーん。そうなんだぁ〜。与謝野晶子のイメージってなんだろう?

「みだれ髪」くらい?

って、不倫で略奪結婚で12人の子供を出産して創作活動もして、女性の教育を訴えた人ってことになるのかな?

そしてその旦那さんの与謝野鉄幹が松重豊。北原白秋が師と仰いでいた人物。実は今回初めて知った。慶應義塾大学の教授なんだ。

おぉ〜、政治家だった与謝野馨さんって与謝野鉄幹さんの孫だったんだ。ってことでしかわからなかったわ。

私の教科書にはこの時代の人の思想がメインだったってことね。

同じ時代に

石川啄木
萩原朔太郎
室生犀星
高村光太郎
大手拓次

まぁ二人くらい知らなかった名前がありますが、この時代なんですね。

そんな歴史の勉強になります。

物語は案外激しい展開になって、ソフィと呼んだ隣の人妻の「危篤」の電報を受けた白秋は隣の家に行くとそこには元気な人妻がおり、それが何か仕組まれたことだと普通思うが、そこを何も考えずに映画ではキスをする場面で夫登場。妻が自分の保身で夫に逃げたことで「姦通罪」で逮捕される。

映画ではね、キスだけど本当はどうだったんだろう?な感じ。昔の人の嫉妬もすごいな。

しかも電報だしね。

逮捕されながらも与謝野鉄幹らの力添えで釈放されたんだ。

そんな歴史はいい作品には関係なく、流れている曲、ほとんどを知っていたことに驚く。

私の人生って北原白秋作品が刷り込まれているんだって。

知らず知らずのうちに口ずさむ曲の多くの作成者なんて知らなかったけど、「そうなんだ」ってことにほんと驚いた。

そして、「姦通罪」で逮捕され、釈放後になぜかその人妻と略奪婚しちゃうってすごすぎる。自分を裏切ったような行為をした女性と一緒になり、そして逃げられちゃうという。。。

最後の奥さんの菊子が貫地谷しほり。

子供が生まれても「家族のため」という意識は詩人にはない。

大変だっただろうなぁ〜。

鈴木三重吉役が柳沢慎吾っていうのも・・・?な感じだけど、みんな明治・大正的な感じでヒゲ生やしてるのね。

才能はすごい人だったのだろうけど、人間的には常識が違う人だったんだろうな。きっと。天才ってそんなものなんだろうな。

そこになぜかAKIRAの山田耕筰が登場し、突然、他人の詩に自分が曲をつけて新しい命をなんて言って喧嘩を始める。

山田耕筰のイメージは・・・

あぁ、Wikipediaにある若い頃の写真はAKIRAに似ているのかもしれない。私が教科書の中で見ていた山田耕筰は、あれ?滝廉太郎と間違えてる?私?

基本的にはAKIRAが特殊メイクで年老いた山田耕筰からスタートするわけだけど。

山田耕筰って人はまだ海外へ行く日本人が少ない時代にベルリン音楽学校で学び、それを日本に持ち帰って、たくさんの学校の「校歌」を作ってくれた人。

北原白秋と共作がやっぱり多いようだけど、それ以外も多い。

そして童謡などは、日本の童謡はこの人が基礎なのか?って思うほど。

まぁ歴史がわかる作品ってことかな。

「この道」って映画のタイトルであるけど、その前の最初の作品「からたちの花」は日本のラジオ放送に合わせて作られたってことで、ラジオの現場で生演奏で由紀さおりさんと安田祥子さんが歌うシーンがとても感動的。

指揮者がAKIRAってところが・・・だけど。

北原白秋と言う人はきっととても弱い人だったんだろうなって。

だからお酒の力を借りなきゃきっとままならなかったんだろうなって。

「この道」は二人が歌うシーンもあるのだけど、まぁ歌手ではないわけで。

エンディングでATSUSHIが歌う「この道」が一番感動する。

童謡でも上手い人が歌うとこんなに違うんだってことがわかる。うん。

時代は戦争の影が濃くなり、生活のためと割り切れない白秋は仕事を断り、一家は露頭に迷う時代となる。

妻は子供を育てるために家族を省みない夫に対して苛立つ。

詩人としての思い。

それでも軍歌の選定をさせられ、名前を使われる。そこに菊池寛。小説家であり戯曲家と対立することになったんだって。知らない歴史。

戦争に行く若者の中で自分に挨拶をする青年。幼少期に可愛がっていた青年だったことに心を痛める。そしてそのタイミングで史実でも倒れたのか?倒れる。

糖尿病と腎臓病の合併症による眼底出血により失明する。

そんなことは教科書には載っていない。

海外の作曲家のいろんなことの方が知る機会があったように思うが、なぜ北原白秋を取り上げられることがなかったのだろうか?

まぁそれを言ったら、他にも大勢いるのだろうけど。

日本人はなぜ江戸時代前までの時代をドラマ化することが流行っていて明治〜昭和初期をしないのだろう?

戦時はあるけど。

その時代が何かポッカリと空いている気がする。

まぁ教科書の歴史も現代は最後時間が足りずに駆け足だったり、触れなかったりだったしね。テストに出ないってことで。

うーん、歴史を考える機会になったかな。

そんな感じの映画。

webukatu.com