【映画 轢き逃げ-最高の最悪な日-】感想。人をはねた。その時自分だったら・・・

水谷豊脚本・監督作品

2年前の水谷豊監督作品の「TAP THE LAST SHOW」は上映する映画館が少なかった。

今回の作品はこの辺で少し増えている。全国レベルで見たら、そんなにないけど。

近くのいつもの映画館で観られてラッキーだった。

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人をはねた経験はない

ネタバレが含まれる感想になってしまうと思う。

なので、気をつけていただきたい。

映画のスタートは男性二人のドライブシーン。

主演は中山麻聖なのか?石田法嗣なのか?

オーディションで抜擢された二人ってことなのか。

最近の映画で主演をまるで知らないでスタートすることはあまりないから少しだけ違和感。

中山麻聖演じる宗方秀一と石田法嗣演じる森田 輝。

優秀な秀一と親友であることが自慢の輝という関係性なのだろう。

輝というタイプは私が一番キライなタイプだ。

親友の大事な用事の場面で遅刻をし、わぁわぁと言い訳を言う。

渋滞した道。

迂回を提案したのは・・・輝だった?

神戸の裏路地。

その中を婚約者を待たせている罪悪感でスピードを出す秀一。

その瞬間が訪れる。

女性が立っている。

人気のないと思っている道に突然女性が立っている。避けるどころではない。

そのまま女性は車に投げ飛ばされる。

急ブレーキをかける秀一だが、何もできない。

ドアの隙間から女性が倒れていることを確認する輝。

車から降りることができない。

秀一の立場、輝の立場はこの場面ではわからない。

秀一はエリートサラリーマンで会社の副社長の娘と婚約しており、結婚式の打ち合わせに向かうところであった。

「ここでキャリアを捨ててはだめだ」

そもそもの原因は輝の遅刻だ。

そんなタイプの人間を自分の引き立て役として近くに居させることも本人の優越感に必要なことなのかもしれないが、その影には「嫉妬」という感情が渦巻く。

それを感じさせない二人。

二人の決断は助ける行動をせずにその場を立ち去っていく。

逃げてしまったことで捕まる恐怖との戦いが始まる。

人をはねたことへの後悔もあるだろうが、保身で逃げたはずなのに自主した方が楽だと思う秀一。

誰にも見られてない

それが逃げた理由だったが、誰かに見られていたかもしれない脅迫状のようなものが届く。

結婚式前日は秀一と輝二人で遊園地などで過ごす。

何もなかったかのように。

結婚式当日、司会を頼まれてた輝は完璧に行う。しかし、祝電に二人の行動を監視していたかのような内容が送られる。

誰かに監視されている

そんな気持ちのまま二人は過ごす。

何も知らない新妻の小林涼子演じる早苗。

結婚した直後に夫が警察に捕まってしまう。

警察ってすごいね。周囲に防犯カメラとかがなくてもその道に入った車を調べたらわかるってことね。

ここでやっと安心の岸部一徳さん演じる柳刑事が登場。相棒の毎熊克哉演じる前田刑事と秀一を見張っている。

岸部一徳さんが出ていることが安心。

そして山中崇史さんがエンドロールに名前があったものの発見できず・・・会社の社員の誰かだったのか?

逮捕を受けて被害者の遺族として水谷豊さんが父親役、檀ふみさんが母親役で登場。

まぁすんごいベテランとこれからの人とのタッグという感じ。主要人物は多くない。

娘が突然居なくなった夫婦。

遺品を受け取り、柳刑事からスマホがなかったことを聞き、娘の部屋を探す二人。そこには思い出も残っている。

そして父親は日記を見つける。

そこには事件当日に待ち合わせをしていたことが書かれている。

相手は?

本来、待ち合わせ相手が轢かれてしまったら、名乗り出るものだが、それもなかった。

父親は娘の仕事先、通っていたスクールの友達に話を聞く。

輝が釈放される。

弁護士の入れ知恵で余計なことをしゃべられないことをきちんとした結果、10日で釈放される。

秀一は早苗の面会にも戸惑いなかなか顔を見せられない。

突然、夫が収監された妻。そして大手ゼネコン社員ということで問題は大きく取り上げられている。

一流大学も卒業していない自分が大手ゼネコンの社員としてのレベルも低いはずなのに、早苗に見初められ結婚。社内でのやっかみは半端ない。

なぜそんな思いをしなければならないのか?

早苗と結婚をしなければならなくなったから?

早苗のことを愛しているのか?

結婚式の前日、輝との会話でしっかりとした回答は出てなかったと思う。

秀一は犯した罪の重さに苛まれていた。

父親は輝の釈放を知っていたのか?釈放された輝を尾行する。

そしてカフェから出てきた輝に声をかけるが、逃げられる。

追いかける豊さん・・・。大変だ。

釈放後に父親を見かけた前田刑事が二人をまた尾行していたことで、父親を連れて柳刑事の元へ。

娘の友だちから連絡を受けた父親は待ち合わせ場所に向かう。

そこで知る、娘のこと。

その中に鍵を握る人物の存在を見つける。

はねられた「スマイル」という喫茶店のマスターが見かけたという一緒に来ていた相手の特徴と合う人物。

顔を撮られてないが、動画にどうにか映っている。

しかし一時停止した画像はぶれてて誰だかわからなかったが、父親は気づく。

そしてなぜか父親はその相手の住所を聞いたのだろう、空き巣に入る。

そこには娘のスマホが壊された状態であった。

その部屋の持ち主は?

住人が戻り、父親の存在を見つけると、いきなり首を締め上げる。

行動が不可解。

なぜか二人で殺し合おうとしている。

それを他の住人も見ている。

最後は二人してベランダから落ちてしまう。

逮捕されたのは・・・

かなり衝撃な結果だ。

取り調べを受けていたのは空き巣に入った父親ではなく、輝であった。

頭をけがしたことで髪型が変わり、イメージも変わってて最初「?」な感じであった。

この轢き逃げがまさかの輝が全部仕組んだことであった。

動機は秀一への嫉妬

秀一が嫌いだったわけではないが、困らせたかったという。

意味不明

まず、合コンで知り合った被害者となった女性を「スマイル」が休みだと知っていて誘い出す。

どこで待っているのかはわからなかったようだが、その誘い自体が行ける予定ではなかったはずだ。

そしてその道へ秀一を向かわせる。

そして悲劇が起こる。

もし、秀一が一人だったら逃げただろうか?

輝にそそのかされてという要素は大きかったように思える。

その後の脅迫状も自作自演。輝が作ったものだった。

結婚式のスピーチも。

劣等感から発生したものなのだろうか?

秀一は輝が自分への嫉妬があることを感じながら自分も優越感を持っていたことで輝を責めることができない。

時間が経過し、やっと妻へ手紙を出す。

それを持って早苗は現場を訪れ、母親とお茶をする。

娘を奪われた母親と夫を策略により奪われた加害者の妻と。

双方ともに奪われたことに違いはないのかもしれない。

待つという早苗。

うーん。いろんな意味で考えさせられる。


猫をはねたかもしれない

そんなことがあったが、車から降りることができなかった。

これが「人」であったら、どうだろう?

車から降りて的確に行動することができるだろうか?

引っ掛けてしまったことが何度かあり、その時には車から降りて確認ができた。

それはある意味、飛び出されたという感じでもあったからかもしれない。

それでも逃げても罪悪感から逃げることもできず、さらに追われる恐怖まで追加されるのであれば、轢き逃げすることで罪が重くなり、大きくなる罪悪感にならないように、対応できる自分でありたい。

まぁその前に安全運転で人をはねないようにすることだと思うけど。

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