今の時代だからこそ必要な存在
「カタギの人には手を出さない」
というか、原作者が今野敏さんだったのね。
違うシリーズは結構読んでいたのだけど、まさかこんな楽しい内容(実写だから?)の作品があるなんて。
まぁ実写化の俳優陣が楽しすぎる。
西島秀俊さんの強面だけど優しい役が素敵
西島さん、寡黙なクールな雰囲気の役が多かったような感じがするのだけど、人情を感じるこういう兄貴分の役がほんとピッタリ。
そして、ほんと人のいいおやっさんの西田敏行さん。
顔だけの演技でほんと笑える〜。
友情出演ってことでTHE ヤクザの中尾彬さん。なんか貫禄が増しているでしょ。
そのおやっさんのところの組員が伊藤淳史さんに池田鉄洋さん、佐野和真さんに前田航基。
大人になっちゃったね。前田航基。
でも、いい働きをするわけで。
中尾彬演じる永神から持ち込まれる厄介事。それを人のいい西田敏行演じる阿岐本組のおやっさん。
食い止めきれなかった西島秀俊演じる日村は私立高校の理事になり、学校を立て直すことになる。
学校の事なかれ主義の校長が生瀬勝久さん。もうさ、西田敏行さんと生瀬勝久さんの二人が顔を合わせるところとか、ほんとアドリブ合戦なんだろうなぁ〜って感じで。
生徒役が葵わかな、桜井日奈子、葉山奨之。
今どきの学校って、おとなしい雰囲気だけど、高校生なんて何を考えているのかわからない。
「何もない平均的な学校」でも、窓ガラスが日々壊される。
生徒のことを何も知ろうとしない校長とストレスが溜まっている生徒という構造。
元不良の日村はそんな学校に日々出向き、生徒と向き合う。
窓ガラスを割ったのはと犯人扱いされたのが葵わかな演じるちひろ。
葵わかなのちょっとツンツンする役って新鮮だわ。
そして、ガラス屋さんが佐藤蛾次郎さん。
日村は自分のおごりだと、石を用意し、ちひろにガラスを割ってもいいと言う。
ちひろは「ガラスを割ったのは自分ではない」と言う。なぜそう言わなかった?と問い詰められると「だって、誰も信じない」と言う。
そうなんだよね。
世渡り下手が疑われる世の中。おかしいよね。
日村とみのるとちひろ、3人でガラスを割っているとそれを撮っている人間が。
葉山奨之演じる祐樹だ。
公認の盗撮?
まさかのカメラ小僧だった。
日村たちはガラスを割った犯人を捕まえようと待機しているとそこに現れたのはちひろだった。
が、ちひろは夜中に学校にしのびこんでダンスを練習していた。
警備する班となぜか保健室兼理事室でカレーを作る池田鉄洋演じる健一。
ちひろたちも一緒に食べているとガラスを割る5人組が登場する。
それは生徒会の役員たちだった。
表ではいい子の仮面をつけた子供が犯人だった。
彼らは悪いことをしているという実感が薄い。
日村はカタギには手を出さないということで彼らに悪いことをしたということを認識させるために佐野和真演じる真吉を殴る。
言葉の壁もある。
日村「どう落とし前つけるつもりだ」
生徒「落とし前ってなんですか?ググっていいですか?」
日村「ぐぐ・・・?」
生徒がググって出てきたのは小指を落とすとなり、生徒はことの重大さを実感したようだ。
翌朝、生徒は掃除をして落とし前とすることにしていたが、リーダー格の生徒会長の姿が見えない。
生徒会長は親にいいつけ、ヤクザが学校の理事だということを問題視して校長室に乗り込んでいた。
クズだねぇ〜。
そこには保護者代表の光石研演じる小日向も同席し、訴えると言い出す。が阿岐本組も犯行現場の映像を証拠として出すとひかない。
生徒の親は子供の将来のために証拠として提出するのは止めて欲しいと言うが・・・根本が間違ってるでしょ?
親がきちんと子供を叱れないから自分たちの身を挺して諭そうとしているのに、響かない子供にしたのは誰の責任だ?
まぁ小日向の子供が桜井日奈子演じる美咲。美咲もワケあり優等生だった。
ヤクザというものまで排除してしまった日本は根底の秩序が崩れてしまった。
だから、半グレとか見た目は一般人と変わらないのに悪事の質がヤクザと変わらないか、それ以上になってしまっている。
そこには仁義も人情もなにもない。
ただ自己満足でしかない最低な集団が増えているということなんだろう。
小日向は準構成員という感じでバッグに白竜演じる隼勇会組長の組に頼っている。
美咲が暴走する。
小日向が隼勇会を使って阿岐本組のしたことにするために生徒会長を襲撃する。
日村は美咲に真実を言えない。
ちひろと祐樹が拉致され、救出に向かうがそこで美咲が日村を刺してしまう。
刺したことに動揺するちひろを追い、自分は大丈夫だから刺したことを忘れろと伝える。
男だねぇ〜。
自分が昔、おやっさんに同じことをしたと。それを受け止めてもらったと。
もうこんな時代は戻ってこないのか?
地域のためにってヤクザが・・・
まぁ2時間ちょっとという時間だったみたいだけど、面白くてあっという間に終わってしまった。
ただただ面白い。
そしてエンドロールではメイキング映像が満載で最後まで席を立てなかった。
西島さん・・・笑いすぎです。はい。
でも、しょうがないよね。きっと。
エンドロールまた観たい。。。