【映画 彼女は夢で踊る】感想。昭和が消えるときが近づいている

リアルで感じるもの

ストリップ劇場に立つ人は不幸ではない。風俗ではないから。

誰も誰かに指図されているとは思えない。

彼女たちは表現者だから。

実話に基づいたフィクション

広島にあったストリップ劇場の閉館までの流れの話。

時代の波で閉館を余儀なくされても、閉館詐欺と言われても閉館出来なかった実際に居た社長の話。

その社長役が加藤雅也さん。

加藤雅也さんの印象がすごく変わった気がした。どういう印象だったかと言えば、もっと怖いイメージ。

それでもこの木下という人は若い頃が犬飼貴丈なわけで、その弱さというか、優しさを持ったまま社長になり、続けていたんだろうなぁって。

なぜストリップ劇場の社長に?ってことが若い頃の話から始まるのだけど、サラ役は女優さんなんだってことに驚いた。

本物の踊り子さんだと思うくらい魅力的だったから。

最後に締めを飾ったようこ役は本物のストリッパーさんだったんだ。すごいな。

ストリップ劇場には何がある?が根底にあったように思う。

バブルの頃、私はちょっとだけ危ないバイトをしていてそのフロアの下がストリップ劇場だった。

足元から振動が響いてきただけでストリッパーさんを見かけたこともお客様を見かけたこともなかったのだけど、それでも、そこにはそういう空間があった。

そして、私の知り合いにもストリップ劇場にはまっていると言う人が居た。

犬飼貴丈のような雰囲気の男性だった。

でも、純粋な人を虜にしてしまう何かがそこにはあったのだと思う。

一目惚れしたストリッパーの近くに居たいという気持ちだけで就職してしまう。そして、従業員になれば近くに居られるが、商品である彼女たちに手を出すことはご法度だということも知らずに。

彼は彼女の踊りを見ようとしない。

全国を巡る彼女たち。そんなことも初めて知った。

裸を見せるわけではない。表現する中で自分の身体を最大限使って魅せている。

お客様の中に女性の姿もあった。

AVとかとは違うものがそこにはあるよね。

劇場はどのくらい残っているのか?

最初、昭和が消えてしまうと思ったが、残さなきゃいけないんじゃないかって思う。

リアルな世界を感じられる世界を。