【映画 ばるぼら】感想。知らなかった手塚治虫の芸術観

稲垣吾郎の体当たり

「エール」の音役が今や印象的になった二階堂ふみのオールヌード。

でも、彼女のヌードは特に目新しいわけでもなく、彼女は裸になることを厭わない系だから、きれいな裸体くらいな感覚でしか見えない。

それよりも稲垣吾郎がここまで多くの女性と絡むようなものがあった?ってことが衝撃的だったかもしれない。

手塚治虫生誕90周年

映画化が発表された2018年が生誕90周年だったということで、平成元年に60歳という若さで亡くなっているんだってことを改めて知った。

もっと昔の人のようで同じ時代を生きていたことを不思議に思った。

ばるぼらは昭和49年に連載された作品。ブラックジャックと同時期ということか。

監督が手塚治虫氏の実子。

父親の世界観と現代をどう融合するかって感じだろうか?

手塚治虫氏には2000年の時代が見えていたのだろうと思う。

作品の中にはそんなものが多々あるわけで。

その通りになっているのだろうか?

それでも今の時代でも錯誤感がまるでない。

今の新宿の裏にはまだまだ昭和の影が残っている。

主人公の美倉洋介役の稲垣吾郎はすごく雰囲気が合っているように思えた。

そして「都会が何千万という人間をのみ込んで消化し、たれ流した排泄物のような女」のばるぼら役が二階堂ふみ。

アルコール依存症の女性。

二階堂ふみはほんとにいろんな顔を作れる。

いよいよ最終週となった朝ドラ「エール」では大正から昭和の女性を演じていた。

半年以上観ていたはずだけど、スクリーンの中の女優は全然別ものだった。

ばるぼらは美倉を魅了していく。

石橋静河がまだなんか初々しい感じしかない。

圧巻はばるぼらの母親役?の渡辺りえさん。衣装だよね?

最後はばるぼらはずっと何も身につけていな状態のままだ。

しかも「死んでる」状態。

そのまま瞬きもしないで呼吸もかなり浅めなのだろうな。

ほんとに微動だにしないで「居た」

美倉としての稲垣吾郎ちゃんもとても魅力的だった。

彼のイメージの神経質な感じと美倉という役の雰囲気がとても合っていたと思う。

案外、男性客しかいなくて、驚いた。

ターゲット層はどこになるんだろう?