【映画 岬のマヨイガ】感想。震災後の多くの人の思いなんだろうな。

妖怪大集結?

岩手県の岬。釜石辺りに本当にある場所なんだ。

元々あったいろんな民話とか伝説とかが形になったってことなのかな。

残された思い

震災から11年。この原作が発表されたのが2014年。復興とともに残された人々は前向きになった人、「なぜ自分だけ」を引きずったままの人ときっと居たのだろう。

映画は原作とはちょっと違う雰囲気になり、社会問題をもっと詰め込んだものになっている。

避難所で声をかけられて困っているユイという少女。芦田愛菜が声をやっているのだけど、彼女の持っている素直さがどうにもマッチしない感じ。

声が出なくなったひよりとその子らを孫だと岬のマヨイガにつれていくキワさんが大竹しのぶさん。

説得力の「心配しないで」の方言がすごい安心感。

ユイは思春期でどうにも自分の殻に閉じこもっている。それでも根は優しい少女でひよりを助ける。

ひよりは両親を事故で失ったばかりなのに震災で親戚までも失い、声を失う。

それでも健気な様子がユイの殻を破っていく感じ。

この映画には親の子へのDVも入っている。それがどういうことになるのかって感じではあるが、原作は妻ということだったみたいで。

親に「お前のせいで」とかって言われた子供はどうしていいのかわからなくなっていくのだろうな。

そして、多くの人が持っていた「自分だけがなぜ」を食べて巨大化していく目に見えないものがきっと復興の妨げになったりしていたのかもしれない。

それをキワさんが多くの妖怪の力を借りて立ち向かいながらも一人ではどうしようもなく、ユイとひよりも勇気を持って戦うってことで。

マヨイガってところが本当にあるんだろうなぁ。

カッパって川ごとにいるんだとか、お地蔵さんまで集結するんだとか。

妖怪大戦争じゃないけど、妖怪大集結だなって。

きっと今の時代だけじゃなく、その地域には長い周期ごとに同じような災害が起こって同じようなことが繰り返されている中で、妖怪という存在とかふしぎっとが治めてきたのかもしれないなぁって思えた。