昭和がもう語り継ぐ時代になっている
漫画などでたまに題材として見たことがある山の民。彼らはもう居ないのだろうか。
渋川さんが出演されているということだけで観に行った作品だけど、監督さんの初監督作品だとは思えない力強い作品だったと思う。
終了後は目の前で監督さんとカメラさんのトークショー。
物語がより濃いものになった。
子供が主役だったのか
まぁ渋川さんが主演?って思って見ていたけど、「ちょっと違う?」とはすぐ思ったのだけど、これはこの男の子の話しなのか?って見ていた。
背景をまるで知らないで見ていたのだけど、「ここはどこなんだろう?」
今もこんな景色が残っている場所ってどこなんだろう?って思ったのだけど、最後の方で昔の車が出てきてナンバープレートに「群」の文字。
え、群馬だったの?
きれいな川と連なる山々。
日本にもまだこういう景色が残っている。そして、昭和がきちんと残っている。
昭和40年。戦後20年くらいか。そのくらいが山の民の限界点だったのか。
山の民も流浪しながら収穫したものを村に売りに行っていたということを知ったのだけど、それを拒否され始めたのが高度成長期ってことになるのか。
人々は何が変わったんだ。
山の民の役が渋川清彦さん。群馬ってことで?
まぁ撮影する側の苦労をたくさんトークショーでお聞きしたが、演者も大変だっただろうなって。
少年則夫役の杉田雷麟。「エール」「教誨師」と自分も見てた作品に出演してはいたものの印象に残る役ではなかったのだろうが、これからはきっともっとたくさんの作品に出てくるんだろうって思う。
少女のハナ役の小向なるもアクションもできる女優さんになりそうですごく楽しみ。
群馬の山々が撮影地ってことだけでそこにノンフィクションってことではない。あくまでも監督さんのオリジナルなわけで。
撮影地として群馬中之条周辺にしたってことだったようだし。
映画として作品として商業ベースにあがったら、それがまるで監督ド素人の人だったとしても、脚本がしっかりしていたら、人は助け、一つの作品が出来上がる。
何本も撮った人では作らないようなものなのかもしれない。
なんだろう?少年が久しぶりにちょっと棒読み感を感じたけど(最近の子たちっていきなりうまいなって思ってて)それは彼の役としての雰囲気もそんな感じかって思えた。
都会で高度成長期、受験戦争が本格化し始めた頃なんだろう。
イジメなどもあったのかもしれない。そのことで父親の実家へ来ることからサンカの人々と交流を始める。
自分の居場所を探すこととサンカの人のあり方がマッチしたのだろうか。
ポスターにあるあの大きな木を見たい。が、そこまで行ける力はもうないな。
この作品は伝えていかなきゃいけない日本なんだと思う。
それより「るんぺん」という言葉を久しぶりに聞いたわ。
「るんぺん」ってどういう意味なんだ?って調べてみた。
小さい頃は、他人を卑下する言葉として使っているのを聞いていたと思うのだけど。
ンペンとは、襤褸(ぼろ)の服をまとってうろつく人。浮浪者。失業者。乞食。
こういう意味だとサンカはちょっと違うんじゃないだろうか?と思う。
なぜ人は自分と違う人を差別する?サンカはこれになるとは思えないけど、的確な意味としてじゃなく、ただ差別用語として言葉を投げるんだろうな。