【映画 流浪の月】感想。来年の日本アカデミー賞で何かは受賞する作品

舞台挨拶が前のパターン

金曜日の仕事後に舞台挨拶のライブビューイング付きが観られるのはかなりラッキー。

が、MCがしゃべるしゃべる。演者もしゃべるしゃべる。

終わった後、続けて「シン・ウルトラマン」があった自分はちょっとヒヤヒヤ。

でも、得した気分。

ライブビューイングでの舞台挨拶は続くよね?

コロナ前は舞台挨拶は1映画館で抽選とかだったりしてたわけで。

それが追加料金なしで観られるのはやっぱり良いなと思う。

李相日監督作品は「悪人」が私にはとても印象に残っているのだけど、この作品はそれを上回る感じだった。

舞台挨拶に内田也哉子さんが登場し、樹木希林さんのエピソードがふんだんに語られとても嬉しかった。

松坂桃李はやっぱり樹木希林さんの影響をとても受けたんじゃないかって勝手に思ってたから。

樹木希林さんと共演された「ツナグ」が公開されてから、もう10年になるんだ。

私が松坂桃李という名前を初めて知ったのは、ドラマ「アスコーマーチ〜明日香工業高校物語〜」だった。

映画では「僕たちは世界を変えることができない。」なんだろうけど、彼のイメージはまるでない。

そして「麒麟の翼 〜劇場版・新参者〜」で「あぁドラマの子だ」と思った。でも、「ツナグ」で何かが変わった感じを受けたんだよね。

そんな感じで見てきたから、なんか内田也哉子さんと親子役で共演ってことで、舞台挨拶でご自身も「宿命」とおっしゃられていたけど、なんかそれは感じる。

内田也哉子さんもやっぱりカッコいい。役者としてってことではないのだろうけど、やっぱり思考がウィットにとんでて良い。

李相日監督も初めて拝見したけど、思っていたより若く、演者のインタビューでは「厳しい人」ってことだったけど、ストイックってことなのだろう。

演者がかなり大変な思いをした作品は、やっぱり届く。

観ていて、細部に至るところまでが繊細。

舞台挨拶で登場した広瀬すずが大人の女性の雰囲気になったもののまだ23歳。

これからが本当に楽しみ。

この作品ではいろいろな現代社会の問題が入っている。

それでもなぜか逮捕されたのは、善意の人。が、きちんとした背景を知らない人にとっては悪意の的になる。

広瀬すず演じる更紗と松坂桃李演じるふみ。

更紗の幼少期を演じたのは白鳥玉季。うん。大人になった。今は中学生になったのか。

彼女を認識したのは2019年放送された「凪のお暇」だろう。もっと前から知っているような気もするけど、この辺から今の雰囲気があった。大人びた小学生って雰囲気。

この映画の撮影もコロナ渦でってことが語られていたから2年前くらいなのだろうか。小学生だったわけだよね。

更紗を演じた彼女は、ほんとに大人びているけど、弱い女の子だった。

そして、何も出来ず、何も言えず。言ったところできっと誰も聞いてくれなかったのではないか?って思う。

もし、更紗のような子が居たら、社会はどう対応したらいいのだろう?

「帰りたくない」と言う子供が居たら。

関わらないが正解なのか?でも、彼女は社会に殺されるのか?結局は彼女は一時助かったのかもしれないが、結果、善意の人間を社会から殺される人間にしてしまう。

映画で描かれるふみは「ロリコン」には思えない。

ただ、行く宛のない更紗に自分を映している。自分が逃げたかったときに誰かに助けてほしかったということだと思うが、世間は何も知らないのに攻撃をする。

こんなことはきっと日常にあふれている。

横浜流星演じる更紗の彼氏の亮は正しいのか?

DVをする男性の典型なのかもしれない。DVをするタイプは優しさと同じ量の暴力を振るう。そして束縛する。

更紗をかわいそうな人間として扱う。

本当にかわいそうなのは、ふみだと私は思うが、結局、更紗の欲望でふみを追い込む。

同僚の趣里演じる安西佳菜子と預かっただけのふみはどっちが悪いんだ?

警察、マスコミ、一般人はなぜ決めつける?

観てて、ただただ気持ち悪さしかなかった。世間に。

一人ひとりがいろんなものを抱えている。それは他人にとやかく言われる筋合いはないことばかり。

優しさは身を滅ぼすのか?

松坂桃李・・・「娼年」と言い、全裸の役が・・・で、痩せすぎだわ。

松坂桃李も戸田恵梨香も二人して細すぎだな。

結婚しちゃうと何が悲しいって共演作品がなくなるってことかな。