社会人がアーチェリーを始めるときに意識したい最初のポイント【射ち方の基本と心構え】

「フォームが安定すれば、点も変わる。」

はじめに

アーチェリーを社会人になってから始める方の多くは、地域で開催される「体験会」からスタートするのではないでしょうか。 私もそうでした。

「これは面白い!続けてみたい」と思っても、最初の数回だけで詳しい説明が終わってしまうことが多く、実際には基本が曖昧なまま進んでしまう人も少なくありません。

でも、アーチェリーには基本となる「射法八節」があり、安全に、そして安定した射をするためにとても大切です。 今回は、私自身の経験をもとに「始めたばかりの頃に意識しておきたい大切なこと」をお伝えします。

🎯 アーチェリーの基本動作「射法八節」

アーチェリーの射ち方には、以下の8つの動作があります。

スタンス

セット

セットアップ

ドローイング

アンカリング

エイミング

リリース

フォロースルー

これらは安全のためにも全員が共通して行う基本の動作。 ですが、最初のうちは一つひとつがうろ覚えになりがちで、実際には「なんとなく」でやってしまいがちです。

🧍‍♀️ 1. スタンス:すべての土台

射の精度を支える最初の要素が「スタンス(立ち方)」です。

シューティングラインをまたぐ

肩幅程度に足を開き、的に直角に立つ

両肩・両膝の力を抜き、左右の足に均等に体重をかける

これが案外難しい! 何も持たない状態でも意識をしなければきちんと立てないことに驚く人も多いと思います。

🏹 2. セット:矢を正しくつがえる

ここでは矢をつがえる動作ですが、「羽の向き」や「名前の位置」を意識することがポイント。 実は「名前が書いてある側が外側に来るようにする」のが分かりやすい目印なんです(私は半年後にやっと教えてもらいました…!)。

また、取りかけ(ストリングに指をかける動作)では、手の形や力の入り方に癖が出やすいので、最初のうちは注意をしてもらえるよう心がけましょう。

🪢 3. セットアップ → 4. ドローイング

セットアップでは弓を水平・垂直に保ちつつ、肩を「上げない」意識が必要。 「肩で上げる」のではなく、「腕で上げる」感覚を掴むことが大切です。

ドローイングでは左右均等に引き分けると、サイトピンが自然に中心に来ます。 「へぇ、そうなんだ!」と、言葉として認識するだけでも理解が深まります。

💡 5. アンカリング:感覚だけでは続かない

ストリングをしっかり顔(顎)につける動作は、最初は怖い・つかない、で曖昧になりがち。 私は「リップ(口紅)がストリングにつくくらいに!」と言われて育ちました(笑)

でも、こういう“視覚でわかるポイント”は実はとても重要です。 ストリング位置を一定に保つことで、射の再現性が高まります。

👁 6. エイミング:利き目の確認は済んでる?

意外と知られていないのが「利き目」の存在。 私は左目が利き目だったため、眼帯やメガネにつけるアタッチメントで矯正しました。

サイトピンを無理に止めようとするとフォームが崩れるので、「合わせるのではなく、そこに自然に来る」ことを意識しましょう。

💨 7. リリース → 8. フォロースルー

リリースは力を抜くだけ…とよく言われますが、「それができたら苦労しない」のが現実。

引き手のヒジは背中側へ回す

押し手は的方向へ自然に伸びる

弓は手の中で回転するように「握らず」飛ばす

社会人の肩は巻き肩になりがちなので、「ヒジが後ろに回る感覚」がまずわかりません。 私は鍼灸で可動域を広げ、ようやくそれっぽくなってきたかなというレベルです。

🧠 意識してるつもり、でも「できていない」は多い

アーチェリーは「なんとなく」で射ててしまう競技だからこそ、ひとつひとつ丁寧に積み重ねた人だけが伸びていくと感じています。

私自身、引き手のヒジについて何度も指摘を受け、「できているつもり」が全然できていなかったことに気づかされました。

🤝 大人にとって「教えてもらえる」ことは貴重

社会人になってからアーチェリーを始めると、指導者が常駐していないことが多いです。 でも、先輩に教えてもらえるタイミングはとても貴重です。

疑問があれば聞き返す勇気を持つ

師匠と呼べる存在を一人は持つ

実績がある人にアドバイスをもらう(人は選びましょう)

上達できるかどうかは、人に見てもらってフィードバックを受けられるかどうかにかかっていると私は思います。

🎯 まとめ:基本を知ることは「自分の射を信じる力」になる

アーチェリーは静かで孤独な競技に見えますが、決して一人で上達するものではありません。 基本動作を理解し、意識的に取り組むことで、ようやく「なんとなく」から「確信のある射」へ変わっていきます。

次回は「アーチェリーと年齢・筋力とのつきあい方」についてお話しします。