【映画 愛しのアイリーン】感想。かなり重すぎたテーマでした。

地獄のバージン・ロードの意味するもの

写真がとても愉快そうなイメージだったし、やすけんの主演だしということで公開から1ヶ月くらい経ってやっと行ける映画館での公開となったから行ったけど・・・

重かった。

しかも2時間半。

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結婚できない人間の苦悩

結婚出来ないのと女性と交際も出来ないのは別問題だと思っているが、その両方が出来ないのはかなり重症だと思う。

頭の中で空想だけが空回りし、欲望の塊になる。

About The Movieを見たら絶対に行かなかっただろう。

嫁不足の農村。

非モテ40オーバー男。

そしてフィリピン女性との国際結婚。

子離れできない親。

そして姥捨て山伝説。

全てが未だにあることなのだと言う現実を知った。

フィリピーナという言葉が一般化したのは20年ほど前だろうか?

今でもまだフィリピンの貧しい漁村から人買いをして嫁を連れてきているのだろうか?

やすけんの「狂気」

変態役はあっても「狂気」って言えるほどの役は初めてじゃないだろうか?

年老いた親と暮らす頭の中は「やりたい」しかない40過ぎの男。

ただただ怖いだけの存在でしかないわ。いろんな意味で。

親もぼけた父親とシャキシャキしているが子離れが出来ない溺愛母。

やすけん演じる岩男はパチンコ屋で働く男。そこの器量が良いとは言えない女性くらいしか相手にしてもらえない様相。

小奇麗な愛子に想いを寄せ、これみよがしに誕生日プレゼントをもらって喜んでいたら、誰とでもやる女だと知り幻滅する。

愛子は子供も居る身であり「本気は困る」と言う。

そこで精神が崩壊した岩男は姿を消す。

ボケた父親と母親はなぜか営みを始める。

意味不明。

そしてぽっくりと逝ってしまった父親。

その葬儀に岩男は突然アイリーンという少女のような女性を連れてくる。

誰?

葬式という場なのに明るく歌う異国の少女。

お国柄なのか?

岩男は日本人女性を諦めてフィリピンに300万も出して嫁探しツアーに参加する。

そこで自分から売り込んできたアイリーンにする。

フィリピンは子供が親を養うという考え方なのか?

子供を金で売り渡すような国という意識にしかなれない。子供の幸せとは?

岩男はアイリーンにセックスを求めるが、アイリーンは頑なに拒否する。

お金で買った相手に売春以上のお金を支払ったのに身体を拒否されるなんて馬鹿臭くないか?

彼らはしたたかだ。

それでもアイリーンのことを愛おしく思い始める岩男。

徐々に距離が縮まっていく。

愛子は結婚した岩男に「アイリーンにいくら使ったの?」と聞く。「480万」と聞いて驚く。自分にはそんなお金を使ってくれる男はいないと。

そうだよね。

ただのセフレにそんなに出さないよね。自分にそれほどの価値がなかったと思えという感じだけど。

アイリーンはフィリピンパブでフィリピーナと日本人のハーフの男性と知り合う。

まぁフィリピンパブの女性たちの斡旋などをしている塩崎役の伊勢谷友介だった。

塩崎は岩男の母親のツルと手を組みアイリーンと岩男を引き離そうとする。

そこに岩男が戻り、アイリーンの救出をしようとし、塩崎を殺害してしまう。

二人の秘密が芽生え、助けてもらったことでアイリーンの気持ちも岩男へと傾く。

しかし、気持ちというものは一筋縄ではいかない。

アイリーンのためにしたことの代償が大きすぎた。

精神が崩壊しかけ、誰彼構わずにセックスをし始めた岩男。

そしてよその男と会って楽しそうにしているアイリーンには冷たくなっていく。

アイリーンをフィリピンに戻す。

そう決意しながら岩男は木にアイリーンの名前を彫り続けて足を滑らせて死ぬ。

それを見つけたアイリーン。

ツルはそれを見て倒れてしまう。

そんなツルを看護するアイリーンだが、最後は姥捨て山に捨ててくれと頼まれて背負って山の中へ行く。

アイリーンは見捨てたら良かったんだよ。アイリーンもしたたかだったが、日本人もひどかった。

この制度で幸せになった家族は居たのだろうか?

結局、ツルも死んだ。その後のアイリーンはどうなったのだろう?

誰もハッピーにならなかった話。

うーん、後悔。

こういう現実があるということなんだろうけど、自分の世界と違いすぎる。

未だにこれからもきっと続くのだろう閉鎖的な社会。

よその国に迷惑をかけないようにならないものか。

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