オッペンハイマーという名前
日本は世界で唯一の原爆被災国になっているが、それを作った人の名前は多分知らない。
落とした人も知らない。そしてこれがB-29爆撃機で投下されたことも知らなかった。
確かに原爆を投下するなんてという無慈悲な行為を受けた国ではあるが、日本が第二次世界大戦で侵したことがなくなるわけではない。
こんな島国を脅威と思われることを大日本帝国はしていたのだとつくづく思う。
作品
映画館で予告を観た時には、物理学者の人の半生を描いたものくらいしか認識をしてなかった。
そして、いざ観に行こうと思ったら、なんと195分という3時間オーバーの作品であることを知った。
普通2時間だから2時間半でも結構身体痛くなるからどうしようかと思っていたのだけど、とりあえずアップグレードシートにしてみた。
公開二日目の最後の上映回、思っているよりも人は入っていて、アップグレートシートは満席になっていた。(みんな考えることは同じ?)
でも、前の列に普段映画館来ないんだろうなぁタイプが座っていて、スマホを見るわ、ペットボトル持ち込むわで困った。ペットボトルってボトルに乱反射で光が反射するからダメなんじゃないかと思うんだよね。でも、イオンシネマって持ち込み禁止とは言ってないからしょうがないのか。
映画は、最初の方はモノクロだった。彼が若く大学時代とかだったのか。そう、回想シーンだったのか。
量子やら物理学やらの話しや「この人絶対病んでるでしょ」な展開やらで困惑する。そう、私はこの人が何をした人なのか知らないから、どこに続く展開なのだ?と考えていた。
それでも、量子ってことでこれって原子力とかになるのか?とかっていうのは感じるのだけど。
研究者は研究結果をまとめることが使命なんだなと感じる。
日本でも同じ頃、同様に天才が物理の研究を行い原子力爆弾を作ろうとしていた事実はあるが、規模感が違いすぎるのではないだろうか。
ロスアラモス国立研究所とか街を作って研究とかすごいなと思った。そしてトリニティ実験。日本ではそんな用地はなかっただろう。
そしてトリニティ実験で彼らは爆弾の破壊力は認識した。そしてそれを「日本」」に投下することも認識した。
「戦争を終わらせるためには2個必要」その通りになった。
日本は1個では戦争を終わらせないと言う見解が正しかったと言える。広島に原爆が投下され、そして3日後に長崎に投下される。
そこはただの2/11の場所だ。京都だけは外されたことが映画で描かれていた。
そして6日後にやっと終戦。日本国民にとっても「終戦」によって得たものは大きかったのだとは思うが、代償も大きすぎた。
最初の頃は、「ドイツ」が標的のようだったが、ヒットラーが1945年4月に自死したことで研究の成果を示す先がなくなり、日本になったのか。。。この辺で一度眠すぎて意識が飛んでいた自分がいた。
トリニティ実験は7月だった。だから、それまでに日本が降伏していればこんな悲劇は起きなかったとも言える。
その頃には勝つ見込みがないことは国民全員が思っていて、戦争を起こした人間だってわかっていたのだろうから。
戦争は終わった。
でも、この映画はその後の水爆反対を行ったオッペンハイマーが冷戦を背景とした共産党党員に対する赤狩りの様子がメインのような内容だった。ソ連との関係についての執拗な質問。自分の周囲が共産党員であることなど、この人はとても気の毒な人だという印象になった。
まぁ人となりは共産党員の彼女が居たのに、結婚をしていた女性と子供を作って略奪婚のようなことをし、最終的に彼女だった人間は自殺するって言う・・・
研究者の様相から政治的な様相になって結局は裏切られていく人生だったのか。
「ロバートは現実世界では使うことのできない(ほど強力な)兵器を見せて、戦争を無意味にしようと考えていた。しかし人々は新兵器の破壊力を目の当たりにしても、それまでの兵器と同じように扱ったと、絶望していた」.
by wikipedia
これが理想で現在はその理想がかろうじて保たれている状態なのかもしれない。
大義があったと信じている。しかし、科学者として自然について研究することから逸脱して、人類の歴史の流れを変えてしまった。私には答えがない.
by wikipedia
天才は自分の知識が軍事利用されることなど喜ぶはずもなく、そして自由を奪われた人生だったことは気の毒だと思う。
それでも落としたのは国のトップで、一人の力でできたことではないし、彼がいなくてもまた違う天才が発明をしていただけなのだと思う。
この映画で良かったのはこの人は自分の研究のためであって、地位や名誉のためにしていたわけじゃないってことかな。なんか頭の中にうごめくいろいろな流れを解明したかったってことだったと思うんだよね。まぁ国のお金でってことになるけど。