【映画 真実】感想。日本人監督が描くフランス映画

是枝監督にしては・・・

昨年の「万引き家族」は後味的にはあまり良い印象が残ったわけでもなく、その前の「三度目の殺人」なんて、やっぱり最後が「?」な感じで。

そして、何よりも樹木希林さんがいらっしゃらない中での映画。

まだ作品作りに影響を受けてたりしているのだろうか・・・

THE 女優

なぜフランスなのかってことについては、インタビューでご自身がかなりフランス映画をご覧になってきていたことが影響されているってことだった。

でも、それは観終わってから知った情報なので、作品を観ながら思ったのは「日本人なら誰になるだろう?」ってことだったのだけど、さすにがカトリーヌ・ドヌーヴに匹敵するような強烈なTHE 女優って難しいなって思った。

もし、日本人でするとしたら?カトリーヌ・ドヌーヴ演じたファビエンヌは誰?って思ったときに、実績から言えば、誰なのだろう?

若尾文子さんというお名前がインタビューで出てたけど、若尾文子さんの印象があまりないんだよね。

印象的なのは三田佳子さんだけど、三田さんだとリアルすぎる感じがする。私生活が子供に醸し出された気の毒な人って印象だから。

大竹しのぶさんも印象が違うし・・・まぁ日本人的な感じではないってことだな。きっと。

そして、カトリーヌ・ドヌーヴに負けてない娘役がジュリエット・ビノシュ。ジュリエット・ビノシュは一昨年、河瀬直美監督作品に出演されていたから知っていた。

カトリーヌ・ドヌーヴと樹木希林さんが同じ年の方ってこともちょっと驚いたのだけど。

物語は「真実」という自叙伝を出版するということでそのお祝いに娘リュミール役のジュリエット・ビノシュが家族でニューヨークからフランスの実家へ戻る。

「真実」には書かれている「嘘」と書かれてない「真実」が混在している。

そのことでギクシャクする母娘関係。

女優ファビエンヌの出演作を通して、映画の中でさらに映画を撮りながらセリフなのか本音なのかという部分で心情が出てくる。

長年マネージメントをしているリュックが突然卒業すると言い、娘がマネージメントをすることに。

母親の仕事に寄り添いながら、いろいろ感じていく。

そして母親も最後は本音を言う。

セリフでしか物事を伝えられなくなっている女優の母親はリュックに謝りたいから脚本を書くようにと依頼する。

それをリュックも承知していて「リュミールの脚本?」と返すが、最後の部分は自分よと言う。

そう、最後にほっこりする展開になる。

日本の家族をいろんな形で描いていて今度はフランスの家族。

出演作は知らないけど、名前は知っている大女優を起用し、ほんとオーラがすごかった。

こんな雨の日に 映画「真実」をめぐるいくつかのこと

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これを読んでみようと思う。