池井戸潤作品は、テレビドラマはほとんど見ない。でも、映画化されるとなぜか観に行く。
なぜだろう?
多分、テレビドラマだと10時間くらいかけて重厚な感じになってしまうけど、映画は2時間という枠に入るからかな。
この作品を観に行こうと思ったポイントは主演が阿部サダヲということになる。
池井戸潤作品で銀行って言えば「半沢直樹」って感じだけど、元行員ってことなのか。しかも大手だわ。
短大卒の自分の周りでは銀行に内定が出ることが一番の勝ち組みたいな感じだった。バブル全盛期。池井戸さんも1988年に入行ってことだから、もろバブル期ってことか。
自分には縁のない銀行の世界。1円でも合わなければ帰れないは本当の話しだと聞くが、なんかもっとドロドロして大変そうな世界。まぁ社会なんてどの分野でもドロドロしているのだけど、やっぱり「お金」が直接関わってくるとすごいな。
まぁ映画ってことでかなり脚色はあるとしても出世するにしても定年退職するまで居られるのは奇跡じゃないかって思ってしまう。
映画では最初になぜか「ヴェニスの商人」の舞台から始まる。「ヴェニスの商人」を知らないとこの作品のタイトル自体もわからないから意味不明で始まるわけで。
ヴェニスの商人というと
「肉は切り取っても良いが、契約書にない血を1滴でも流せば、契約違反として全財産を没収する」
って言うところをどうにか知ってたくらいで登場人物の名前なんて知らなかったからね。
まぁヴェニスの商人のお金を貸したシャイロックと借りたアントーニオの関係性を現代に置き換えたら?的なところだろうか?
でも、アントーニオはお金を返してはいないわけでしょ?
などなど「ヴェニスの商人」は良いとして・・・
柳葉敏郎演じる支店長のいる銀行。副支店長が杉本哲太。
主演は課長代理の西木雅弘を阿部サダヲが演じている。
なんか立ち居振る舞いとかは佐藤隆太演じる滝野がメインっぽいけど、そうではなく、追い込まれていく、滝野を救う形の西木がメインってことか。
まぁパワハラ体質な組織ってどうなの?って思ってしまう。現在もそんなところあるのかな?
銀行なんて窓口に行くこともなくなっていて、今でも銀行への就職は勝ち組になるのかな?
大学を卒業して大企業に就職したとして、自分の思う部署に行けるわけもなしって思うけど。。。
結局、この作品の中でもいろいろな部署の人間が関係してくるけど、銀行員になると自分の口座もすぐに見られちゃうのってすごくない?金の出入りとか。すごい個人情報じゃないのかって思うのだけど。
佐々木蔵之介演じる黒田道春のしていたことが最後に詳らかになって、実際にあるのかな?って考えちゃうよね。
橋爪功、柄本明と最後の大御所が共演で出ているだけで迫力がある。
なるほどねぇ〜って思う反面、小説で補填したい部分もあるかなって。まぁ映画だからね。