【映画 グリーンブック】感想。彼らはこれをアカデミー賞作品賞にした。

まだ半世紀ちょっと前の話

1962年のニューヨークで成功した黒人ミュージシャンが居たという実話。

劇場予告で観ていて私はそのミュージシャンが主演だと思っていたら、なんとアカデミー賞で最優秀助演男優賞になったことで、主演はイタリア男性?って感じだった。

でも、ストーリーはイタリア男性のトニーが中心だったなって思う。

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今はどうなんだろう?

半世紀でアメリカはどう変わった?

変わってないから黒人差別で日本にまで渡ってくるニュースがあるわけか。

まさか、夜中に黒人は外出してはいけないとか、白人男性と付き合ったら逮捕されて、裸にされるとか人権とか何もないなんてほんと理解ができない。

白人男性のトニーはナイトクラブの用心棒ってことでガサツだけど、家族愛に溢れた男性。

それでも勤めていたナイトクラブが休店になり、ブラブラする日々。ホットドッグの食べ放題に勝ったお金で家賃を払うとかって大変な状態。

そんなときに流れてきた運転手の仕事の話。

それはカーネギーホールに住む天才ピアニスト、ドクターシャーリー。

どこから出てきた王子様的な雰囲気のマハーシャラ・アリ。一昨年は出演したムーンライトがアカデミー賞作品賞となり、今度も。ムーンライトでの印象はないのだけど、それでも観たら思い出すのだろうと思う。

アリータ・バトルエンジェルにも出演しているらしいが・・・

ドクターシャーリーは一度はトニーを雇わないことにするが、それでも奥さんに2ヶ月留守にすることを伝えて南部への演奏旅行の運転手にトニーを雇う。

トニーは黒人差別をする人種だ。工事で訪れた人が黒人だったというだけで使ったカップを捨ててしまう。

黒人に雇われることへの葛藤。変なプライド。

それでも家計が火の車だったトニーは運転手をすることになる。

トニーはガサツだ。学歴もない。ただ白人であるというだけで生活も毎日がギリギリだ。

一方のシャーリーは立ち居振る舞いから上流階級だ。それでも「黒人」であるということは人々はピアノの演奏をしている彼をリスペクトするが、それ以外では何も許されない。

VIP待遇でありながらトイレは外の貧しい小屋だったり、試着出来なかったり。そんな土地でも多くの人が彼の演奏を聴き、大喝采が送られる。

シャーリーは我慢という鎧の中で感情をコントロールしているが、自分も差別をしていたトニーは他人がシャーリーを侮辱することを許せない。

最初のうちこそ、差別的な空気があったが、トニーの元来ある性格なのかシャーリーの才能に敬服する。

「グリーンブック」

それは黒人専用の宿泊施設がまとめられている本だ。

下手に白人の中で嫌な思いをするくらいなら黒人専用の方がいいが、シャーリーの佇まいは黒人のそれとも違い、どちらにも受け入れられないでいる存在だ。

黒人の運転手をしている白人のトニーという構図を見ず知らずの人がヒソヒソと言う。それをトニーは感情を出す。

ある時、道に迷ったところでパトカーに止められてしまう。そして黒人は夜は外出してはいけないとかと言い、雨の中車から出そうとする警官に対し、思わず殴ってしまうトニー。

シャーリーへの侮辱に対して暴力をふるったトニーを責めるシャーリー。

結局は、シャーリーがジョン・F・ケネディに電話をし、州知事経由で釈放される。

それを恥じるシャーリー。

いろんな屈辱に耐えてきたが、自分は何もしていないのに留置されそれを助けてもらわなければならなかったことに。

最終公演。

通された楽屋は物置だった。

そして演奏の前に食事をとレストランに行くが、「この土地のルールでご遠慮願いたい」という支配人。

演奏はさせるけど、人間らしく食事をすることは認めない国。人。悲しいね。

私は間近でそこまでの人種差別を見たことがないのだと思う。それが当たり前の世界が黒人大統領が誕生するまでになったことは本当にすごいことだったんだと改めて思う。その反動がトランプさんってことも。

黒人差別なんかより自分の方が底辺で暮らしている。お城で住んでいる人間に自分のことなんかわからないと言うトニー。

白人にも黒人にも受け入れられないで本当に孤独な自分はどうすればいいのだと闇の中にいるシャーリー。

本音を言い合う。

最終公演はトニーが「こんなところで演奏しなくていい」と中止し、帰路につく。

途中で寄った黒人の集まるパブ。そこにある安物のピアノで本物の音を響かせ楽しそうなトニー。

ピアノができる人なのか?あまりにも見事すぎる演奏だった。

雪の中、またパトカーに止められるトニー。でも警官はトニーの車のタイヤが抜けていることを教えてくれ、道路誘導をしてくれた。

クリスマスイブに帰る。

トニーの妻との約束のため、トニーは雪道で眠気と戦いに負けそうになり最後はシャーリーが運転をしてトニーを送り届ける。

家に寄っていけばと言うトニーに「メリー・クリスマス」と残し、帰るシャーリー。

家では大家族がクリスマスディナーを楽しんでいた。

そして旅の話を聞こうと、「ニガーとはどうだった?」と聞かれるとトニーは「ニガーはよせ」と制止する。

そこにシャーリーが訪れる。

妻のドロレスにシャーリーは「夫はちゃんと返しましたよ」と言うとドロレスはシャーリーにハグをし、「手紙ありがとう」と言う。

トニーの手紙をシャーリーが考えていたことはやはり気づくよね。

こういう小さいことの積み重ねで差別することより人と人の重みを言う空気になったのかな。

アメリカという国が本当にわからない。

怖いなぁって思う。

それでもこの映画は黒人差別が根底にある。でも、トニーというガサツながら空気を読む人間で笑いの方が多かった。

特に食べるシーンは面白い。ピザのLサイズを折り曲げて食べる人はじめてみたわ。

最後は心がホッとするそんな感じ。

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