あの時戦っていた人々が居た
最初、東日本大震災関連の作品はまだ早いのではないだろうかと正直思った。
それは違った。
遅かったくらいかもしれない。
この映画で真実の半分くらいを知ることが出来たと思う。
誰が悪かったという問題ではない
この映画ではやっぱり現場が「善」で東京電力本社や政府が「悪」に見えるような構成になってしまっている。
それでも、あの状況で何が最善だったかなんて瞬間瞬間でわかるはずがない。
後になって思えば、あの行動はどうなんだろう?ってことは多々ある。
東日本大震災当時、私は専業主婦って感じで自宅にずっと居た。だからずっと計画停電以外はテレビを見ることが出来た。
その時には報道されなかったこと、まぁ現場のことなんて出てくることはなかったわけで、知る由もなかった。
佐藤浩市と渡辺謙。
この二人が一番いい時に出来た作品なんじゃないだろうか?
もう数年したらやっぱり見え方が変わってくるように思う。
福島第一原発。
所長の吉田さんという方はテレビにも度々映されたから記憶にある。そして、震災後にガンで亡くなられたってこともニュースでは知っていたが、震災後1年半ほどだったとは思わなかった。
最初、なぜ「Fukushima50」というタイトルなんだろう?と思った。
海外メディアがそう名付けたということだ。
中国を客観的に見ているとかなり報道規制をしているなぁって思うことがあるが、日本だってそうなんじゃないだろうか?
今回の「新型コロナ」なども海外ではどのような報道がされているのか気になってくる。
当時、私達が入手出来たニュースはどんな感じだっただろう?
「爆発がありました」はかなりの衝撃で報道された気がする。が、計画停電が終わる頃には報道はどのようなものになっていったのだろう?
この映画は震災直後数日の戦いだ。
不眠不休で守った現場の人が居て、震災後私は特に苦労もなく生活が出来ていたのだということを改めて感じた。
時の首相が菅直人さん。
あの時政権が自民党だったら様相は少しは変わっていたのだろうか?
アメリカとの連携をもう少し早く模索しただろうか?ということをつい考えてしまった。
まぁ国家の危機的状況というのは現在もあまり変わらないように思う。
他国のようにズバっと決定することが乏しいのはお国柄なのだろうか。誰だろうと同じなんだろうなって思ってしまう。
50人の作業員とその作業員と本部との板挟みになり指揮をとった吉田所長。
50人の被爆された方は今もご存命なのだろうか?
吉田所長以外はお名前が公表されることはない。そしてご家族はきっと避難対象となって大変な9年をお過ごしだったのだろう。
チェルノブイリ以上になっていても本当におかしくなかったのだろう。
多くの作業員が「死」を覚悟した。そんな数日があった。
地震で亡くなられた方、津波で行方不明になった方が居た一方で被爆で亡くなられた方もきっと居たのだろう。
生涯で私は被災者という立場にまだなっていない。
それは「まだ」であって「自分は大丈夫」ってことはどこにも存在しない。
だから、「今」をしっかり生きなきゃってことなんだろうな。
アメリカの将校役がダニエル・カールさん。なんだろう?すごい日本を思っていることが演技じゃないオーラで感じた。
誰が悪かったってことじゃない。そもそも、電気がなきゃ生活ができない時代になり、二酸化炭素の問題やら何やらで原発は必要悪。それがなければ生活が出来ない。私には電気のない生活は出来ないからね。
だから、この作業員さんや自衛隊の人の献身的な努力で生かされているってことを忘れないようにしなきゃって思っている。
ほんと多くの人に見てもらって、目に見えないところで助けられたってことを実感するべきだろうって思う。
自分は関係ないなんて人は居なかったはずなんだから。