【映画 護られなかった者たちへ】感想。10代とは思えない演技

今年度一番響いて欲しい作品だと思う

東日本大震災から10年、震災を題材とした作品がかなり出てきた。

すべてが負しかない。自然災害には勝てなかった。それ以上に日本は弱者に厳しいことも浮き彫りになった。

コロナの影響も受けた作品

コロナが発生し、最初の緊急事態宣言下でクランクインが延期となったらしい。

時系列で考えるとドラマ「恋は続くよどこまでも」の後がこの役だったのか?佐藤健。あまりにもキャラが違いすぎる。

そして、清原果耶。この映画が終わっての朝ドラか?

まだなんだろう?あどけなさがある。朝ドラの最初の頃と今では顔がスッキリとした感じになっている。

大人の顔に変わるところって感じで。

作中では何歳なんだろう?

20歳は過ぎているのだろう。井之脇海演じる後輩がいるわけで。

清原果耶の2020年はずっと宮城だったって感じか。

あ、東京も少しあったのか。

顔がほんと変わる彼女が楽しみでしかない。

過去と現在が混在した作品。

過去は震災直後。フラフラと避難所で居場所を探しているような探してないような佐藤健演じる利根泰久。

黄色のウィンドブレーカーを来ている一人ぼっちの少女のカンちゃん。この子も絶対出てくる!眼力が半端ない。石井心咲ちゃん。良いのよ。

そしてその二人を見守る遠島けい役の倍賞美津子さん。

同じ時系列で阿部寛さん演じる刑事笘篠が居た。

それが時を越えてつながっていくのだけど。

まぁこの作品の中では「生活保護」ということがキーポイントとなる。

震災後10年。清原果耶が保健福祉センターで働く。

不正に受給を受けている人には容赦ない。

笘篠たちが追っている事件にも保健福祉センターの人間が被害者となっている。

被害者とはどんな人間だったのか?

永山瑛人がいい人なのか悪い人なのかわかない第一被害者の三雲。

知人は口を揃えて「いい人」と表現する。第二被害者が緒形直人演じる城之内。なんだろう?被害者までもが豪華って。

社会福祉センターで働く人が同じように殺されたことで、違う側面が浮き彫りになる。

必ずしも「いい人」だったわけではない。

過去の生活保護申請者の中でトラブルがないのか?

そっか、同じ職場だったのか。

笘篠は暗い目をした姿勢の悪い人間で放火の罪で出所したばかりだった。

保護観察官が三宅裕司さん。

まぁかなり豪華なキャスト。

震災当時のけいさん、利根、カンちゃんの関係性。

現在の関係性が丁寧に描かれる。

その感情は「しょうがない」ことなのか?

生活保護申請を自分からできる人がどのくらい居るのだろう?

本当に困窮していて。

頭のいい、ズルい人はあの手この手で受給しているのに、本当に困窮している人は、真面目に生きてきた人は生活保護を受けることを躊躇う。

昔の人はそんな感じの人が多い。

けいさんがその象徴。

血縁関係がない二人が健康福祉センターに連れて行き、申請を出させても健康福祉センターは感情を無くして、原理原則で動く。

ためらっている人はその原理原則で他の人に迷惑をかけるくらいなら取り下げる提案にすぐのってしまう。

そんな人がきっと表面に出ないだけでかなりの件数あるのだろうと思う。

子供の虐待とかも変わらないのだろうな。

国の施策が国民に対して厳しいし、生活保護を決定する人も最初はきっとすべての人を助けたいと思っていたのかもしれないが、限界がある。

無尽にあるわけじゃない予算の中で感情を揺らしていたらきっと動けない。

子供の虐待事件の方がマスコミがセンセーショナルに報道するから知ることができるけど、同じ件数以上にきっと生活保護が受けられないまま孤独死とか、自殺とか、心中とかがきっとあるのだろうと思う。

それでも、マスコミも深追いはしない。

深追いしたところで変わらないことを知っているから。

悪いのは対応した人なんだろうか?

彼らも人間だから、苦しかった時もあったと思う。確かにその対応がどうかってことがあるかもしれないのだけど。

国の無策のしわ寄せが弱者によるだけ。

清原果耶の演技がすごいと思う。

10代だとは思えないどっしりとした感じ。

顔はまだあどけない。今の朝ドラと1年も経ってないとは思えない。

東京編くらいから髪型もあって一気に大人びた雰囲気になってきたなと。

アカデミー賞の助演女優賞になるのか?この役が最優秀じゃなきゃ誰が?ってくらい、印象に残っている。今年観たはずの他の作品を忘れるくらい。