2017年3月、私はまだ彼の存在を知らない。
2017年4月に入った頃だろうか。やっとメディアに登場し始める。
プロデビューからの連勝記録更新として。それでも、私はそのニュースは見ていない。
私が見たのは「非公式戦で羽生さんに勝った中学生」とかなんとかって感じの記事だろう。
AbemaTVの将棋チャンネルの企画「炎の七番勝負- New Generation Story - 」で羽生九段(当時は三冠)に勝ったことで、メディアとしても放っておけない存在になったのだろう。
それが多分4月だったと思う。
羽生九段のことはさすがに将棋界を知らなくても知っている。そこで俄然興味を持った。
時を同じくして、プロデビューからの連勝記録以上に将棋界全体としても連勝記録更新が視野に入ってきたってことで、メディアは一気に「藤井フィーバー」
AbemaTVの将棋チャンネルは将棋素人にはとても有り難い存在だった。将棋Liveとか見ていると、素人には「放送事故」にしか思えないくらいの静寂の静止画像。
そこに頭の回転の良さを感じさせる解説が素人にもわかりやすく、いや、わからなくても楽しめるコンテンツにしてくれたのだと思う。
それから6年。小学生が入学して卒業する期間に彼は一気に成長した。
確かに高校1年くらいの時にピークはいつか?と言う質問に対して「20くらいではないか?」と言うことを言っていたような気がするのだが、その通りになった。
20歳になった彼は「竜王」のタイトルを獲ったくらいから、より落ち着きを持った雰囲気を醸し出すようになった。
今年はタイトル戦ばかりを見てきた感じだ。スーツスタイルの対局が新鮮に映るくらい、和服が馴染んできた。それなのに、2022年度の戦績も8割を超えている。
ランキングも対局数こそ1位ではないが、勝数、勝率は1位になるのだろう。
来月からは「名人戦」が始まる。渡辺名人はこの1ヶ月、どう対策をしてくるだろう?
今まで通りなのだろうか?
そして、誰が最初に藤井六冠から奪取するのだろう?
そして、来期こそ、「王座」のタイトルを本気で獲りにいかないものかと思うのだけど(相性の問題?)