【湯を沸かすほどの熱い愛】やっと観ることができた

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Amazon Primeで観られることが素敵!って感じで待ってたのだけど。。。

大きな劇場で観たかったとほんと思う。

自宅でここまで泣く映画ってすごいと思う。

日本アカデミー賞総なめの作品

第40回日本アカデミー賞の主要部門を総取りした作品ってことで知ったのだけど、公開していたことすらも知らなかった。

2016年10月29日公開ってことだけど、新宿バルト9系ってことはよほどテレビとか見てないと情報を得られなかったし、その頃・・・忙しかった?

ってことで、公開からもう2年弱って感じの作品。

力があるわ。

宮沢りえが主演ってだけでも期待はあるし、杉咲花も着実に存在感がある女優さんになってきている。

10代はぐっさんとの麻婆茄子のCMの印象が一番強い感じだったけど、最近は朝ドラから始まって映画でもいい役がついている印象がある。

話はかなりショッキングだと思う。

銭湯の表には「蒸発して休業」って貼り紙があるし、残された宮沢りえ演じる母ちゃんの双葉と娘の安澄役の杉咲花の母子関係も難しい。

安澄は学校でいじめられている。

が、双葉は甘やかさない。

学校を休みたいという安澄に双葉は帰りに学校の近くで買い物をして帰ってくるようにと言う。

高校生のいじめは陰湿だ。

美術の時間の終わりに絵の具を全部出されて点けられたのは一目瞭然なのに、「自分でやった」と言う本人。それに対して教師も何も対応するわけでもない。

双葉もいじめられている我が子を知ってはいるが、「明日も学校行くよ」とけしかける。

逃げ場所がない安澄。

私には理解が出来ない。なぜ?そこまで追い詰めてしまう?

双葉には双葉の想いがあるのだろうけど、いじめられている方としたら、意味もわからずにいじめられているわけで。

子供はなぜいじめられていても「いじめられている」とは言わないのだろう?

そこが実は私には理解できない。

言っても言わなくてもいじめられるのは同じだ。それでも自分を守るためにアラートをあげることで状況は何か変わるかもしれない。

それもしない人間をきっともっといじめるのが世の常じゃないのだろうか?

双葉は絵の具で汚れた制服を夜中までかかってアイロンをかけて嫌がる娘を送り出す。

双葉はそのためもあるのだろう、バイト先で倒れる。

病院で検査を受けた結果は「末期がん」

自覚症状があったとしても蒸発していなくなった夫に代わらなければと思うのが女性なのか?

なぜそこまで強くなるのだろう?って思ってしまう。

双葉は自分が長くないことを知り、まずは蒸発した夫探しを探偵に依頼する。

探偵役って・・・あぁ駿河太郎か。まだまだ顔と名前が一致しないけど、そろそろ名脇役の一人になりそうな気配はある。

二世感がまるでないし。

探偵は夫をすぐに探し出し、情報を提供する。探偵は一人娘の真由を連れている。真由の母親は真由を出産したときに亡くなってしまったらしい。

そんな真由にも愛情を注ぐ母ちゃん。

ストーリー知らないからこの二人が結ばれるのかと思ったわ。

話はそうではなくて、夫は小学生くらいの女の子と二人で暮らしているという情報を得て、夫が住んでいるという隣町へ行く。

夫役がオダギリジョー。なんか久しぶりに観た。オダギリジョー世代っていっぱいいるから大変だろうな。

夫は鮎子という少女と住んでいた。ある日昔浮気した女性が現れて鮎子を「あなたの子」だと言い、一緒に住むことになったが、鮎子を残して母親が居なくなってしまったという。

まぁ身勝手な大人に振り回される子供がほんと気の毒だ。

父と鮎子は銭湯に戻り、営業を再開することになる。

何も知らない鮎子に対して最初冷たい。

鮎子は母に捨てられたことはわかっているが、どうしていいのかわからない。

銭湯の手伝いを一生懸命しているが、番頭から小銭を盗んでいることを見られてしまう。

ある日居なくなった鮎子。

鮎子の誕生日だった。

鮎子は元のアパートのドアの前で座っていた。母ちゃんと安澄はそんな鮎子を迎えに行く。

翌朝、食卓には「しゃぶしゃぶ」が。何かあったら「しゃぶしゃぶ」がルール。

鮎子の誕生日だからなんだけど説明しない。

鮎子は「これから一生懸命お手伝いするからここに居させてください。でもママのことも好きでいさせてください」と言う。

健気過ぎだよ。

泣くわ〜。

安澄は学校で体育の時間に今度は制服を隠される。

体育の時間じゃないのに体操着の安澄に教師まで「制服に着替えろ」と言う。

馬鹿なんじゃないか?気遣いのない教師が多いってことなんだろうな。

こういう態度の教師がもっといじめられている生徒を追い込んでいるようにしか思えない。

翌朝、やっぱり学校へ行かないという安澄に双葉は許さない。

必死に抵抗する安澄。

父は「新しい制服買うか?」と言うが、双葉は許さない。

双葉も安澄の抵抗に必死で向かう。それが通じたのか安澄は学校へ体操着を着て登校する。

それを咎める生徒に突然下着だけになる安澄。安澄の覚悟が出た瞬間だ。

双葉が「何かの時に」と贈った上下ペアの下着。

こういう意味だったのか?って感じだけど。グラビアアイドルでもない杉咲花が下着だけになるってすごい勇気だっただろうな。それでもこの演技もあっての助演女優賞だな。

極度の緊張で飲んでいた牛乳を吐く安澄。保健室で寝ていると制服が保健室のところに戻される。

いじめに勝ったってことになるのだろう。

双葉は次に女3人で旅行に行くことにする。

鮎子が嬉しそうに父に報告する。本当に嬉しそうだ。

赤のレンタカーに乗って箱根に行き、タカアシガニを食べに行くコースだという。

毎年タカアシガニが届く。それに返事を書くのが安澄の役目だった。

それと関係があるのか?

安澄はあまり気にしてなかった。

途中のPAで停車するとそこにヒッチハイカーの拓海役の松坂桃李が乗せてくれないかと言う。

あまりの必死さに同乗させるが、双葉は拓海の嘘に気づいていた。

娘が寝たことを確認して本当のことを聞き出す双葉。拓海は自分の身の上の不幸を笠に着て自由に目的も持たない旅をしていた。

「時間は腐るほどある」という拓海。

もう時間のない双葉はその言葉に「あなたなんて乗せなきゃ良かった。あなたの腐った時間に付き合うなんて」と言う。

本音で怒られた拓海は次のPAで車を降りることに。

双葉はそんな拓海をハグし、「ここから最北端を目指しなさい」と目標を定める。

拓海は目標を達成したらまた会いに行っていいかと聞くと「早めにね」と返す。

拓海は安澄と鮎子に「あんないい人がお母さんでいいね」と何気ない一言。鮎子の表情が曇る。

この出会いは必要だったのか?

松坂桃李がこんなちょっとだけの役?って感じが否めない。

出ていることも知らなかったんだけど。

拓海のいなくなった車は元々の目的地へと行くが、双葉の具合は徐々に悪くなっていく。

タカアシガニを伊豆半島の戸田のドライブインで食べている3人。

戸田だよね。きっと。

はめ込み?ってくらいの富士山が見えている。

食べ終わり子どもたちに先に行ってなさいと言う双葉。精算する双葉。突然お店の女性の頬を叩く。

何が〜!!!

お店の女性は言葉が不自由だった。安澄は手話ができるようだった。

なぜ?

車に戻ると双葉は安澄に言う。

「私は再婚で父親とは15年前に出会った」のだと。

計算が合わないことに気づく安澄。安澄は自分が産んだ子ではないと告げる。

安澄を産んだ女性は先程のお店の人でその人が毎年タカアシガニを送ってきていることを告げる。

双葉は「安澄はこれからあの人に挨拶してきなさい」と言う。夕方迎えに来るからと。

残された安澄の元に酒巻君江が近寄ってくる。タカアシガニを送ってきている人。

そして君江もやっと安澄のことを認識する。そして手話で語りだす安澄に「どうして?」と言うと安澄は「母が将来役に立つから」と習わされたと。

全てが他人を思っての行動。

手話で盛り上がる二人。

鮎子が安澄を呼びに行き戻ると双葉が倒れていた。

隠しきれない病気。

そこからは地元の病院へ入院生活になる。

安澄と鮎子は一緒にお見舞いに行く。鮎子は双葉のベッドに一緒に寝ていたりする。

幸せの形が様々だ。

どこにも血の繋がりがないが、母ちゃんで結ばれた娘二人。

君江はそれからちょくちょく銭湯へ来るようになる。

拓海も最北端から戻り、住み込みで働くことに。

人が集まったことで父はみんなに頭を下げてお願いをする。

それは・・・

双葉の願いは「エジプトに連れて行って」ではあったが、それが叶わないために人間ピラミッドを作って安心させようとした。

そこにはなぜか探偵の姿も。

最後を悟った安澄は泣いてはいけないと涙を堪えて笑顔を作って母ちゃんに向く。

息を引き取った双葉。

銭湯の浴槽でお葬式。富士山の絵がとてもいい感じ。

そして出棺。

そこにはなぜか探偵が運転する霊柩車。今風じゃない霊柩車でしょ。

そこで探偵は真由にやっと天国へ行くことに意味を伝えることができる。

そして彼らはなぜか火葬場ではなくその場をウロウロしているだけだ。

たぶん彼らは自分たちで火葬したんだろうな。ってことなんだよね?

そのお湯に入る家族。

母ちゃんの愛で繋がれた人々。

大泣きでした。

映画館で観たかった作品だわ。やっぱり。

だんだんやせ細る感じがすごく鬼気迫っていた感じで。

本気でぶつかる杉咲花もすごかった。

あぁすごい絆を感じるなぁって思ったわ。

観られて良かった。

【映画 猫は抱くもの】感想。沢尻エリカが変わらずかわいい。

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猫は抱くもの

ロシアンブルーが出てたから

どんな映画なのか実際のところ全然知らずに行ったような作品。

沢尻エリカが精一杯のアイドルを演じていることもちょっと気になったけど。

沢尻エリカワールド全開の作品。

売れなかった元アイドル

沢尻エリカ自体、2007年からしばらく表舞台から去っていた。

当時の彼女は忙しすぎた。素直な彼女はプロになりきれなかったそんな感じのこと。

21歳。そこから26歳くらいまでは結婚をしたりしていて女優業をしてなかったことがもったいないと思っていた。

そして26歳で「ヘルタースケルター」で復帰。

それでも若い頃のような感じでは仕事が廻っては来なかった。そりゃあそうよね。

舞台挨拶をぶち壊したってすごい人だから。

それでも丁寧に自分のやりたい仕事を選んでいる仕事のスタイルを世間が認めてきている感じがする。

まだ32歳。

そんなに若かったの?って感じもしてしまう。

若い頃からキャピキャピした雰囲気はなく、どっしりとした女優さんって感じがあった。

確かな演技力。

それがこの作品でも出ていたのだと思う。

沢尻エリカワールド。

沢尻エリカ演じるのは元売れなかったアイドルグループの端っこで歌っていた沙織。

スーパーのレジを黙々としていて店舗で1位になるくらい。

その倉庫でロシアンブルーの「良男」を飼育する。良男は自分のことを「人間」だと思いこむ。思い込む良男を吉沢亮が演じている。

それ自体がまぁはっきり言っちゃえば人間の身勝手な行動。

たまたま売れ残っていた「良男」と目が合って飼い始めるが、猫の飼育の出来ないアパートだった。

そしてスーパーの倉庫に連れて行って餌をあげていた。

自分の愚痴を聞かせる。

妄想を聞かせる。

それは良男にしかしない行動だと良男は自分が人間だと思い込み沙織に甘える。

舞台演出の映画。

だからほんと演者の演技だけで情景が変わる。

スーパーのマネージャーが1位のお祝いに誘ってくれる。

普段ツンデレのデレ抜きの沙織は妄想ではとても喜んでいる。

自分の世界しか見えない沙織を寂しそうに見つめる良男。

マネージャーとハイキングへ行きホテル。まぁ大人だからね。

それを面白く思わない良男は倉庫でいちゃつく二人にやきもちをやき、ひっかく。

沙織はそんな良男の存在を見えないものとして扱うことが悲しい。

人間の身勝手な行動。

それでも沙織のことが気になった良男は夜中に倉庫を抜け出して沙織の元へ行こうとする。

でも川に落ちて流されてしまう。どうにかねこすて橋で助かる。他の擬人化された猫がいる。

そこで自分のことを「人間だ」と言い、他の猫から失笑を買う。きっと彼らも同じ思いをしていた時期もあったのだろう。

そこには「キイロ」と言う怪我をした猫もいた。

「キイロ」の話を聞いた良男は思いついた。沙織が話していた猫だった。

沙織のスーパーで万引きした少女を引き取りに来たオジサンの「ゴッホ」峯田和伸という人を私は知らないのだけど、シンガーソングライターさん。

この映画がそんな存在の人が多い。

キイロは水曜日のカンパネラのボーカルのコムアイだ。

沙織の前で姪に振り回されるゴッホ。姪は母親から預かったお金を渡すために万引きをしてゴッホを呼び出すことをしているらしい。

ゴッホは黄色い絵の具で汚れたまま来ていた。

それを見た沙織が勝手に妄想していたのだ。きっとあの人は画家でもしかしたら黄色い家で黄色い絵ばかりを描いて、猫には「キイロ」とかつけてそう・・・

沙織もハイキングの途中で黄色い家を見つけ、自分の妄想したことが実際にあることに驚く。

キイロは姪に川に落とされていた。そして怪我を負い傷ついていた。

怪我をしたキイロを良男は家まで連れて行こうとする。

それぞれを探している沙織とゴッホ。

二人が知り合いになる。

沙織は歌手になる夢を捨てきれずに一人カラオケで歌っていた。

カラオケにスーパーのマネージャーが友人と居た。そして自分のことを知った上で付き合おうとしていたことも。

それを知った沙織は傷つく。

アイドルがまた集結するというバラエティー番組に呼ばれる。

1回限りの復活。

それでも沙織は行く。

中村ゆうじがMCでほんとにありそう。しかも熱湯風呂とかで1組だけヒット曲を歌えるとかって・・・気の毒だ。実際の世界でも本当はそんな感じなんだろうな。

沙織は傷つく。

そんな傷を癒やされたかったのか?ゴッホの家に行く。ゴッホは起こされながらもカラオケに一緒に行って持ち歌を入れる。

一番驚いたのは猫のサビってかなり絡んでたのが藤村忠寿さんだったってこと。

そーなのー???

そっか。全然気づかなかった。

老猫が岩松了ってくらいで他はドラマなどに出ていてもわからないくらい。

で、カラオケをして自分の持ちパート以外を思い切り歌う沙織。自分の持ちパートはゴッホが歌うはずだったが、ゴッホは失敗してしまう。

そのことを怒ったのか?突然怒り出し、お酒をあおる。

ゴッホに対して八つ当たりをする。「売れない絵をなぜ描いているのか?」「姉からお金もらって何しているんだ」

他人に関係のない話し。

そこに自分の姿を投影しているのか?

ゴッホは「泣きたいのになぜ笑っているんだ」と核心をつく。

泣く沙織に突然ゴッホの絵描きの本能が動き出す。

すんごい近くでデッサンし、すごい勢いで絵の具を塗っていく。

それを窓の外から見ている良男とキイロ。

キイロはもう自分の存在がなくてもゴッホはいいということを感じて離れていく。

コムアイが歌うシーンがあるのだけど、やっぱりさ、本物は違う。

しっとりとした曲だからっていうのもあるだけど、透明感があって鳥肌がたった。

良男もモデルをしている沙織を見つめる。

身も心も脱ぎ捨ててモデルになっている沙織。

ゴッホは一気に大作を完成させる。

吹っ切れた沙織は良男を探しに行く。良男は自分のことを「猫だね」とやっと気づく。

それでも沙織は良男を必要としていた。

沙織は猫の飼えるところに引っ越し一緒に暮らす。

アルバイトで結婚式の披露宴で歌をうたう。

アルバイトの貼り紙を見て入った喫茶店。そこにはゴッホの姪っ子の姿が。追いかける。そこには自分をモデルにした絵がかけてある。

猫の悲しさや抱かれていたいという気持ちがヒシヒシとくる。

我が家にもロシアンブルーが居て、抱かれることが嫌いなので、猫によるものねと思っていた。

我が家の場合、猫は抱くものじゃなく抱かれるものって感じで枕の上半分に寝て私を両手両足で包み込むような感じで寝ている。

思っていたよりも猫感はなく、舞台演出を映画化しているのだけど、舞台のままの方がいいんじゃないかって思ってしまう。

リアルも入れられちゃうから。映画だと。

それでも沢尻エリカの演技はやっぱり好きで応援したいと思う。

【映画 焼肉ドラゴン】感想。私には理解ができないとしか言えない。

映画だから?

舞台がとても大反響でって言うことを大泉洋が言っていて、ストーリーもなんとなくは知った感じだったけど、見ていて「不快」以外の感情がわかなかった。

それが違う人には「感動」とかがあるのだろうか?

私には最後まで意味がわからないとしか言えない。

思いやりの欠片も感じない

登場人物の全ての演技が過剰。

そういう脚本であり、世界観なのだろうけど、私が感じたのは「エゴと見栄と自分本位と」のぶつかり合い。

1969年の高度成長期。国有地を不法占拠した集落。

大阪伊丹空港の脇辺りなのだろうか。

在日朝鮮人の家族の話。

複雑な人間関係。俳優陣も韓国人と日本人とって感じで。主演は長女の静花役の真木よう子。真木よう子のその前の役が「虎狼の血」の印象だったからとても健気だけど、これまた自分のエゴを押し付けた感じが好きになれない私。

そして次女の梨花役の井上真央。井上真央の中では一番今までで一番わがままな役じゃないだろうか?今までの役を考えると長女と次女の性格が逆って感じがする。

そのくらい梨花ははっちゃけ過ぎている感じがしてこれまた嫌い。

思いやりという言葉の欠片がどこにあるのかわからない。

その夫になるのが大泉洋の哲夫。喧嘩っ早くて婚姻届を市役所に持っていって相手の態度が気に入らないと破ったということから始まる。

ただただうるさい。

父は第二次世界大戦に従軍して左腕を失い、故郷を失い、次女と長女を男で一つで育てており、三女の美花役の桜庭ななみを連れたオモニと再婚し、二人の間に長男となる時生が生まれる。

時生は「あーーーー」としか言わない。ナレーションは時生だが、会話をしない。

屋根の上で時間を潰す。

父は焼肉店をしていた。

焼肉店では常連の方も集まって結婚祝いをしようとしたところで大喧嘩で帰る二人。

在日朝鮮人ということへの差別などがあったのだろう。

哲夫は仕事もせずにプライドばかり高い夫ってことでほんと嫌なタイプだ。

それをただ嫌味でネチネチ言う梨花も。それをたしなめる長女の静花。

静花と哲夫は幼馴染で哲夫は本当は静花との結婚を願っていた。それを知っていながらなぜ梨花は結婚したのか?

姉のものを欲しがる妹の心理か?

静花は怒る梨花を気遣って「てっちゃん謝って」と言う。それがほんとに嫌な女だよ。私の言うことは聞くからとでも言いたいのか?

美花は美花でナイトクラブの社員の長谷川役の大谷亮平と不倫関係であった。

ナイトクラブには長谷川の本妻で美根子役の根岸季衣が歌手としているのに、見えるか見えないかの場所でキスをしている二人。

別にね、不倫することをどうこう言わない。でも、本人の前でってどういう神経してるんだ?ってことだ。

嫌い〜。

時生は時生でなぜか私立中学へ通わされていた。

今だってやっぱり私立に行ったら、貧富の差でいじめがある。それに在日朝鮮人ってことは標的にしかならない。

そんな時生は結局、失語症にまで追い込まれる。

それなのに、父親は「そんなので逃げてたらここで生きていけないんだ」と自分のエゴを押し付ける。

どこにも逃げ場所がない時生。

学校へ行けば、徹底的にいじめられる。

それを見た母は「やり返しに行く」といじめに対しての対応が最悪なことしか思いつかない。そして哲夫は「なぜやり返さない」と言い出す。

勝手なことばかり言ってんじゃないよ!と思わず言いたくなる。

時生は学校へは行かずに逃げていたのに、出席日数が足りないことで父が学校へ呼ばれる。

このままだと「留年」になると言う。

学校は「公立に行けば義務教育だから行かなくても卒業できる」と言われたのにもかかわらず、父は「留年させる」と言う。

ただのエゴでしょ。

自分が日本で存在する立場が低いことで子供には教育を与えてどうにかと思っているのだろうけど、全然理解していない。

追い込まれた時生は結局、橋から飛び降り自殺をする。

追い込んだのは誰?

学校?

友達?

家族でしょ?父親に対して誰も意見を言えず時生の意思を誰も慮ろうとしていなかったでしょ?

これでどこが「絆」を感じる映画なの?としか思えないんだよね。

仕事もせずにいる夫にイライラする梨花はなぜか他の客と不倫を始める。

泣きながら店に来た男性を慰めているうちにキスをし始めるか?

展開がおかしすぎる。

そして堂々と不倫。

静花にも他の男性が。その男性の存在が許せない哲夫はお酒を進める。

駆けつけ3倍から返盃を繰り返す二人。

その行為の愚かさは私には笑えない。

ヤカンが空になると代わりのヤカンを持ってくる静花。そこで笑いが聞こえたけど、どこが笑えるんだ?って思ってしまった。

静花と男性が婚約するという。

哲夫は不倫を続ける梨花じゃなく、静花に「北に帰る」と告げる。

そして「一緒に来て欲しい」と。

男性と大喧嘩となる。そして止めた静花のかばった相手は哲夫だった。

ちゃんちゃん。

「え、俺の存在は?」一人外に置いていかれる男性。

本当に意味がわからない展開。

思いやりとかそういうものの欠片もほんとない。

結局、静花と哲夫、梨花と不倫相手というカップルが成立し、美花も長谷川の離婚が成立し、結婚をさせて欲しいと言いに来る。

オモニの娘。

いなくなった時生。オモニは反対する。

父は「大事にしてやってください」と言う。

自分の本当の子じゃないから?

美花にはお腹に子供が出来ていたこともあったのか?

そして焼肉店は立ち退きを迫られる。

元は国有地。父は誰かから買った土地だと主張するが、元が国有地であるわけで売買が成立するわけもない。

そして家族がそれぞれの家族になり別れる。

うーん、高度成長期とは言え、在日朝鮮人の就職は厳しい時代だったのだろうか?

見ていてモヤモヤしかない。

これはただ好き嫌いってだけの問題だろう。

感動するって人がいるかもしれないが、私には理解できない。それだけ。

洋ちゃんが出てなきゃ見なかった。それだけ。

わざわざ豊洲まで行った映画、2作目。どっちも豊洲しか近場で上映がなかったからなんだけど、意味がわかるわ。

豊洲でも一番大きなスクリーンで初回上映回で何人入っていたのだろう?

一番大きいスクリーンは迫力があっていいなって思ったけど、そこまで大きいスクリーンじゃなくても良かった感もある。

あくまでも私の主観。私の嫌いな世界観だったってこと。

【映画 ゆずりは】感想。コロッケさんの役者としての演技がいい。

本名での出演

滝川広志

コロッケさんの本名。この映画の主演ということで初めて本名を知ったくらい。

役者としてのコロッケさん。モノマネタレントとしてトップの人が、真似る相手がいない人物を演じることとは?

素顔のコロッケさんなのか?

水島正二という役。これはコロッケさんが役になりきっただけできっと本人でもないのだろう。

誰に似せることもない、素顔。

物語は葬儀屋の部長という水島を中心に心の葛藤が渦巻く。

葬儀屋さんという職業は常に遺族に寄り添い、悲しみという感情は隠すことのプロなんだということを知る。

葬儀屋さんのスタッフさんがいちいち感情移入されていたらきっと参列者の方は引いてしまうだろうし、スタッフさんも身が持たない。

大変な職業だ。

杏さんに似ている女優さん大和田紗希さん演じる沢田は淡々と故人の紹介を進める。

まだ若手の彼女は周囲の変化に気づかずに進行をすすめてしまう。

少しのミスも許されない空気感。

厳しい〜。

お経を読む方を「導師様?」と紹介していたのかな?

その導師様が控室で突然体調を崩していた。それは現場スタッフのインカムに入っていたが、司会進行の彼女は気づけなかった。

「お導師様の入場です」

言ってしまって存在がないとさすがにざわつく。

そこに社長の勝部演之演じる松波がマイクを引き取る。

そして故人を偲ぶような話を「ゆずりは」に例えて参列者の涙を誘う。

「ゆずりは」という樹木を私は初めて名前を知った。

どこにでもある常緑高木。とても大きな葉っぱが一気に落ちるのではなく、新しい葉っぱが成長したのと交代で落ちるという。

縁起物らしい。

まぁ慌てないことが第一なんでしょうね。

松波が水島を社長室に呼ぶ。

新しく人を採用するからと5名の履歴書を水島に託し、一人採用せよと命じる。

水島はとても真面目な部長だ。

突然の社長の申し出に驚きながらも了解する。

面談シーンは一人だけ。採用されたからだけど。

葬儀屋さんに?な感じの若者が入室する。

スーツは着用していたが、金髪にピアスと言う「何しに来たの?」な若者。

柾木玲弥演じる高梨だった。

柾木玲弥と言う俳優さん、たぶんまだ知名度的には上がってないよね?

私は初めて拝見したと思う。

それでも多くの作品に出演をしてきているから期待できると思う。

高梨は社会人としてのマナーやルールといったものをまるで知らない。

言葉遣いも含めて採用はないタイプだ。

それでも水島はそんな高梨に「どうして応募した?」と聞く。

高梨は突然飼っていたオカメインコの話を始める。名前を「ヒョットコ」とても仲が良かったのだが、突然動かなくなり、「死」を意識したと。

うーん、大人として噛み合わない感じの会話だし、感情移入しすぎて面接中なのに泣き出してるし。

でも水島は高梨を採用する。他のスタッフの反対を押し切り、社長に「私が変えます」とお願いする。

黒髪に黒のスーツに身をまとった高梨はスーツがピッタリしすぎて気になる。

見習いということで、水島は高梨に「しゃべるな」と言う。

まだ話し方も身に着けていない見習いの扱いは難しいよね。それでも慣れさせなきゃだし。

登場人物で一番知名度があったのは島かおりさんだろう。遺族の役。佐倉琴子という役。ご主人が亡くなってしまい、自宅で看取ったのだろう。

遺体にドライアイスを置いていく。

その傍らにゴールデン・レトリバーが居る。

犬の存在って・・・泣けるわ。

片時も離れない。

それもそのはずで、その犬は「盲導犬」だった。亡くなった故人は視覚障害者だった。

その場で葬儀の打ち合わせが始まる。

参列者も少ないだろうからと一番低予算の葬儀での段取りとなる。

それを連絡するために外へ出る水島。沢田が打ち合わせを進める。ところが沢田が水島のところに慌ててくる。高梨の行動が信じられないと。

戻った水島が見たのは琴子と故人のアルバムをお茶菓子を食べながら見る高梨。

子供か?

社会人として許されない行動ではあるが、琴子の心にはかなり寄り添った行為だ。

琴子が話すご主人との関係。

視覚障害のご主人が語った琴子さんの存在と「色」の話。黒しか知らなかったが琴子さんと会い、色を知ったと。

涙が止まらない高梨。

どうしていいのかわからずただ見ている水島。

琴子さんが水島に故人の紹介は誰がするのか?と聞く。指名があればその方に、なければ弊社スタッフがと言うと琴子さんは指名しますと言う。

そして琴子さんは高梨にお願いする。

見習いがすることになったことで一同驚く。

それでも高梨には人の心に自然に寄り添うことができる人間であった。

故人の紹介は上手だとは言えない語りながらも出席者全ての心を揺らした。

泣くよね。

最初の涙シーン。

結構人が入っていたのだけど、まぁちょっと年配の方が多くてちょっとうるさいなってこともあったのだけど、さすがに静かになった。

故人に最後のお別れでお花を備える場面、高梨はピンクのバラを琴子さんに手渡す。琴子さんが好きな花であり、故人のモノクロの遺影にもバラの花が写っていた。

終了後、水島は高梨に聞く。なぜバラを渡した?と。

「琴子さんが好きな花だという事と、遺影のバラはきっとピンクだっただろうと思って」と。

社会人としては未熟ではあるが人として大切なものを持っている青年だと多くの人が感じた。

葬儀屋さんに必要なのはマニュアル通りにできる能力より人の心に共感できてなお、感情を隠して仕事をすることじゃないかって思ってしまう。

感情のないマニュアル通りの行動は得てしてロボットのようで無機質になってしまうから。

水島は社長に呼ばれて高梨が泣いたことに対しては注意を受ける。が、とてもいい式だったとも言われる。

水島の私生活は暗い。ところどころカットインされる場面が後々繋がってくる。

自殺した中学生の少女の葬儀が決まる。とてもセンセーショナルなこと。

「自殺」と言うキーワードに固まる水島。

変化に気づく沢田と高梨は古株の柴山に何があったんですか?と聞く。

個人情報ながら少ない関係性で秘密にしておくことへの懸念もあるのだろう、柴山は話す。

水島の奥さんが数年前に自殺で亡くなったこと。

そしてその奥さんは社長の娘であること。

重い事実。

社長は水島の心の心配をしていた。が、そろそろ自立をして欲しいとの願いから取り仕切りを任せる。

亡くなった少女の両親との打ち合わせ。ピアノの発表会の写真に囲まれている。

なぜ?

どうして?

車の中で高梨は自分もいじめられたいたことを打ち明ける。でも死にたいと思うまで追い込むことは許せないと感情を顕にする。

水島は複雑だ。

自殺に追いやったのは自分であると認識していたからだ。

夫婦間の問題。

いろいろなことがあったのだろう。

それでも自殺まで追い込んでしまった自分をいつまでも責めていた。

葬儀の受付に若い男性の姿。そこに少女の母親が。自分の娘を助けてくれなかった担任だった。

担任を責める母親。土下座をする担任。そこにいじめた首謀者だろう少女たちが、土下座をしている担任をスマホで撮影している異常。

これがでも現実にある世の中なのだろうと思ってしまう。

自殺に追い込んだことを認識していない少女たち。

いじめた側といじめられた側の温度差。高梨は怒りがこみ上げる。沢田に抑えられる。

故人の紹介になってもおしゃべりを止めない少女たち。

高梨の怒りは暴走し、少女たちに「出て行け!」と言ってしまう。その行為を平手打ちする水島。

騒然とする会場。

高梨も退場させ紹介を続ける。高梨の思いは水島も何もしない。見て見ぬ振りをすることへの怒りでもあった。

だが水島は水島のやり方があった。

水島は故人の未来が奪われたことへの凶弾をする。それが少女たちに届いたかどうかはわからないが、大人としてのやり方だろう。

いよいよクビか?

高梨の行為は褒められることではないが、大人がもう少し毅然とした態度を示すべきだったのではと思う。

社長から水島に高梨の処分が告げられる。

1週間の謹慎後に正社員。

ゆずりはの四季を感じながら月日の経過を感じられる。

5歳の男の子の葬儀。

小さい子の葬儀はどこか別の感情があるのだろう。ベテラン柴山も少し緊張した様子。

お通夜の準備。高梨は水島に過去の失敗について聞いていた。「俺は不要な一言で遺族を傷つけたことがある」

良かれと思った言葉でも別れの場面では受け取られ方が変わるのだろう。

それを戒めとしていると言う水島。

それを聞いた高梨だが、水島に黙って見ていてほしいと遺族に話しかける。

亡くなった少年のお姉さんだ。一緒の場面に居て何もしゃべらないのだと。

母親が亡くなっていたため、まだ幼い姉が母代わりでもあり通訳でもあった。

突然失った弟の存在に姉は何を思っていただろう。

椅子に一人座る姉の元へ行き、話しかける。

水島はオカメインコの話をする。オカメインコと自分の関係は他の人にはわからないものがあるが、でも自分にはオカメインコが思っていることがわかっていたと。

それでも死んでしまったと。

「死」という言葉に初めて反応する少女。

弟は最後になんて言ってたの?と聞く高梨に少女は「痛い痛いって言ってて、サキねえちゃんって・・・でもその後の言葉が聞けなくて」と最後の言葉を聞けなかったことでずっと弟から最後の言葉を感じようとしているように見えた。

高梨は言う。

「最後の言葉はないんだよ。サキねえちゃんだったんだよ」と。

やっと感情が出てくる少女は大泣きする。

悲しいという感情をしっかりと出せたことで次へいけるんだろうと思う。

終了後、水島は高梨に真意を聞く。そうすると高梨は驚くことを言う。

水島が後悔していると言う言葉。お父さんを亡くした少年に「がんばれよ」と言ってしまい、少年が怒って駆けて行ってしまったのだと言うことだったが、それは違うと言う。

驚く水島に高梨は「それを言われたの自分ですから」と。

高梨は水島に声を掛けられたことをその場では怒ってしまったが本当は嬉しかったと告げる。まさかの展開。高梨は最初から水島と一緒に仕事がしたくて就職してきていた。

社長がゆずりはを見ている。水島が近寄ると「このゆずりはは直子が産まれた時に植樹したのだ」と言う。妻の存在がまだ傷になっている水島には重い。

打ち合わせに行く車の中で突然社長が救急車で搬送されたと連絡が入る。

病院に行くと既に息を引き取っていた。

直子の母親は娘の自殺を水島の責任と責めていたが、夫が亡くなり、水島に夫からの遺書を見せる。

そこには驚くべき真実が書かれている。

娘の夫であり、息子の存在だと。そして会社を引き継ぐこととなる。

2年が経ち、そこには一人前になった高梨の姿と新人女性の姿が。沢田の若い頃のように周囲への気配りが出来ずに居た。

そしてそれを引き取るように水島が「ゆずりは」の話を始める。

話の全てがゆずりはのように受け継がれていく。

どうしても「死」というものへ人間の感情は大きく振れる。

特に少女の泣くシーンは涙がこぼれた。流れるじゃなくこぼれるって言うのは久しぶりかもしれない。

ボタボタとって表現だね。

あの場のすべての人が同じだったのではないだろうか?

泣けることがいいわけではないが、共感共鳴できる演技がそこにはあり、笑える要素はあまりない。

一人の青年の成長。

オカメインコしか友達がいない、親もいない青年。

根が悪い人間ではないのに、なぜ外見を目立たせようとするのだろう?

普通だと埋もれてしまうことへの恐怖がそうさせるのだろうか?

人間は成長する。

自分を見てもらって言うということはかけがえのないものとなり、人間を進化させる。

放置された人間はどうしていいのかわからず、疎外感で世間からどんどん離れ孤立してしまう。

今の世の中、救う存在はまだ残っているのだろうか?

そんなことを考える映画だ。

コロッケさんがわからなくなった。数々の芸能人のモノマネをし、笑いを届けてくれていた人が演じる闇を抱える男性。笑いを知っているからできる演技か?

いろいろな問題が入っている。

それでも人間は人と繋がることでいいことがあるということを感じることもできる。

【映画 空飛ぶタイヤ】感想。それぞれの立場で守るべきもの。

豪華すぎる俳優陣

エンドロールを見ていても豪華よ。ほんと。

久しぶりの長瀬智也の主演映画ってことだけど、他の豪華俳優陣に負けないインパクトで引っ張ってたと思う。

原作を読んでいたけど、登場人物がカッコ良すぎる。

「相棒」の登場人物が多数出演

まぁ最初に出てくるのは長瀬智也が社長を務める赤松運送の整備士の谷岡役の六角精児。

原作は三菱自動車のリコール隠し事件をモデルとしている。

マークが日野自動車?って感じだったけど、財閥系ってことで。

大企業のリコールを暴くことの大変さが本当にわかる。

まず事の発端は赤松運送のトラックのタイヤが脱輪し、歩行者に当たって即死してしまったこと。

事実だけを見たら、運転手、トラックの整備不良の過失で片付けられてしまう。

リストラ候補だった阿部顕嵐演じる門田は見た目が金髪でチャラいイメージのため、整備不良の責任を負わせられる。事故の前、門田のリストラを止めた社長ではあったが、死亡事故が起きてしまい、その整備をしたのが門田だったことで、責めてしまう。

門田が辞めたロッカー。

そこには会社の規定以上の整備項目が記されていた。

彼の整備不良ではないことが誰の目にも確かだった。

それでも人が一人亡くなっている事件。警察は会社に家宅捜索に入る。

あ、刑事の高幡役寺脇康文よ。久しぶりの薫ちゃん。しかも刑事役。

相棒よりもしっかりしているけど。

事故のせいで契約を打ち切る企業も出てきて、ホープ銀行には融資を断られてしまう。

それどころか、貸し倒れ前に全額返済を求めてきていた。

家宅捜索が入ったものの、社長が逮捕されない状況に専務宮代役の笹野さんは群馬でも同様の事故があったことを社長に伝える。

原因は何なのか?

漠然とした状況の中、赤松は模索する。

群馬の運送会社の社長野村役の柄本明は言う。3年前にもリコール隠しがあった。じゃあ変わったと言えるのか?と。大企業が変れるはずがない。と。

車両の構造に欠陥があったのでは?

赤松はホープ自動車に再調査を依頼する。

販売店にはなぜかTKOの木下隆行。あれ?相方の木本武宏どこに居た?

嶋本って何の役だっけ?増えすぎててわからない。

ホープ自動車の誰かだよね。きっと。

販売店に掛け合ってもしょうがないことを知った赤松は直接ホープ自動車の販売部に掛け合う。沢田役のディーン・フジオカ登場。

大企業の課長ってことで最初は赤松からの電話に対応しない。

それでも会社を守らなければならない赤松はしつこく問い合わせる。

顔の見えない相手に。

ここで自分たちが罪を認めるわけにはいかない。そうしたら会社は潰れる。社員も家族も守らなければならない。

しかし、被害者の夫柚木役の浅利陽介には不誠実にしか映らない。

相棒キター。

もうさ、浅利陽介見ると、青木にしか見えなくて。まぁ今回は可哀想な夫役なんだけどね。

「あなた達はそれでも人間ですか!」

守るべき家族を失った悲痛な叫びしかない。

沢田は品質管理の室井から質問される。「赤松運送から何か言われてないか?」

自分が無視し続けている会社からの問い合わせを気にする品質保証部。

何かあるのか?

同僚の車両製造部の小牧役のムロツヨシを呼び出す。

そこで何か動きがあるのではないかと聞く。

ムロツヨシこういう役合ってるわぁ〜。

小牧は品質保証部の杉本役の中村蒼を連れてくる。杉本は内部事情を知っている上で何が行われているかを告げる。

「リコール隠し」

T会議を言われる会議で行われていることを認識する。

ホープ銀行ではホープ自動車の常務取締役狩野役の岸部一徳が融資の申し込みに来ていた。

岸部一徳来たよ。

まぁちょっと悪いおじさん役も合ってるわね。

そして融資の稟議をあげるのが本店営業本部の井崎役の高橋一生。

井崎は前回の融資を通してしまったが、その後下方修正がありすぎることを理由として稟議をあげようとしなかった。

井崎の元彼女役で週刊誌の記者榎本役で小池栄子。久しぶりに小池栄子観た気がする。

榎本は井崎にホープ銀行の融資情報を聞き出そうとしていた。

まぁ企業秘密だからそんなことは言わないが、同列会社の自動車からはどうか?と聞かれて根拠を聞く。

榎本はリコール隠しのときの同じような事故が続いていることを伝える。

ホープ自動車のリコール隠しの可能性を知る井崎は稟議を上げようとせず本店専務取締役、課長代理に交代させるとも脅されるが、本店営業部部長役の津田寛治から「俺がどうにかする」と言ってもらう。

井崎は赤松とも接触する。井崎の雑誌が出れば会社はどうにかなるのではないだろうか。

沢田は赤松と直接会うことにする。雑誌が動いていることを知った沢田は赤松にお金を補償することを提案する。

喉から手が出るほどお金の欲しい状況の赤松は持ち帰る。

しかし、そのお金を受け取ることは自分たちが罪を被ることだと言うことに気づく。

雑誌にリコール隠しが出る。

沢田は販売部の保身を考えた対策を実名入で社長へ提出する。

事情を流している人間の犯人探しで品質補償部の杉本の名前が浮かぶ。

解雇しようと考える品質保証部部長役の木下ほうかだったが、常務の狩野はそんなことをしたらリークされ放題になる。と、違う方法を伝える。

沢田には内部告発をしないように品質保証部への移動。杉本は地元大阪へ左遷人事が下る。

雑誌の発行はなかった。

財閥系を敵に回す記事を掲載することは事実上不可能だった。納得のいかない赤松は出るはずだった記事を見せてくれと榎本に迫るが、断られる。

しかしその代わりに過去にあったホープ自動車の車体での事故で整備不良を疑われた事故のリストをもらう。

そのリストを1件1件訪ねて情報を集める赤松。

ある会社でリストに載っていない会社のことを聞く。それは富山ロジスティクスだった。

元整備課長役の佐々木蔵之介が自分の整備不良ではないと主張し、いろいろな資料を集めたが、社長が元ホープ自動車ということでそれ以上何も出来なかったと。

その資料を持ってホープ自動車へ。そこには沢田から交代された販売部の課長が。

やっと顔が見えたと思った相手がまたいなくなった赤松。

赤松は集めた資料を見せる。それは整備不良と言われたものが新車であり、整備不良ではないことが明確なものであった。

その資料を持って、自分たちの家宅捜索に来た刑事のもとへも行く。

刑事にとっても一度家宅捜索した相手からの資料をどこまで信じられるか?とプライドが揺れる。

大阪へ行く前に杉本が1台のPCを沢田に渡す。厳重な管理がされているはずのパソコンだが、数ヶ月前に故障で廃棄処分としたものだという。

そのパソコンにはそれまでのリコール隠しの資料が経理されていた。

沢田に託す杉本。

いろんなところでいろんな形の正義が繋がっていく。

大企業の中でも腐敗を許すまいと動く彼ら。

やっと警察が動き出した。ホープ自動車への家宅捜索が始まった。

そして例のパソコンは高幡の元へと行っていた。

取調室の狩野と高幡。

私からしたら薫ちゃんと官房長でしょ。

全てが明らかとなり、赤松運送は晴れて新しい銀行から融資を引き受ける。

そのまま、ホープ銀行との取引を取りやめる。

「コンプライアンスがあるので」

苦しい時に助けようとしなかった銀行を切った赤松であった。

柚木家を訪れるとやっとお線香をあげさせてもらえる。

柚木も自分が言った数々の言葉を謝る。そして民事での訴訟も取り下げたと。

守るべきもの。

簡単に自分たちが整備不良と言ってしまうことは結局は事件を曖昧にし何が悪いのかの根本解決にはならない。

もっと早く他の会社が自分たちの整備不良に反論すべきだったのだと思う。

そうすれば防げた事故なのかもしれない。

三菱自動車はまだ生きている。

まだまだリコールがあるイメージではあるが、少しは変わってきているのだろうか?

この映画のエンディングテーマがサザン・オールスターズの「闘う戦士たちへ愛を込めて」

闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて

闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて

  • サザンオールスターズ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

うーん、予告ではサビの部分だけだったから余計に違和感だったのだけど。

最後までしっくりとはこなかったなと。

企業のコンプライアンス、それでも潰れない企業。

社内に正義がきちんと生きていればと思うばかり。

赤松の妻役で深田恭子が出てたのだけど、肝っ玉母ちゃん的で「社長さん頑張って」って。

社長なんだから弱さを社員に見せちゃだめとか、鼓舞する感じが良かった。

まぁ出演者多数過ぎてどこに誰がいたのかもわからないくらい。

「万引き家族」に勝てるか?

「ワンダー君は太陽」の方がオススメしたい1本になってしまうのだけど。

【ワンダー君は太陽】感想。必ず、ハンカチ持参で観なきゃだめ。

試写会の予告上映

予告上映で試写会の様子が出ていて、開始10分でみんながハンカチで涙をぬぐってた。

「え〜、10分ってそんなことないでしょ」って思ってました。

が、10分で鼻水かんでました。

隣のおっちゃん(60歳以上よ)は何も持ってなかったんだろうね。シャツの袖でぬぐってた。

感動しかない。

心の醜い人間は心の強い人間を攻撃するように人間は作られているのだろうか?

オギーは遺伝子疾患で普通と言われる状態では顔の状態で産まれてきた。

10歳。27回もの手術をしてそれでも普通とは言えないけど、「顔」が出来た。

ジュリア・ロバーツ演じる母イザベルが自宅学習でオギーの勉強を見てきた。

母は強し。

どこの国でも共通で言えることなのかもしれない。

母は小学校5年生に上がるタイミングでオギーを小学校へと入学させる。

学力には問題がないとしても傷つくことは容易に想像がつくことでオーウェン・ウィルソン演じるネートは反対する。

夏休みの間にオギーは校長先生と会う。そして同級生となるジャック、ジュリアン、シャーロットに校内の案内を頼む。

ジュリアンはどこにでも居る大金持ちのイジメの首謀者タイプ。大人受けはいいという、どこの世界でも同じなんだ。

シャーロットはタレント活動をしていることをずっと自慢している。

まぁそのお陰でジュリアンの嫌味が半減していた感じもする。

そしてジャックはまぁ静かについていっている感じだ。

理科室。自宅学習だったオギーは最下位になるとジュリアンは言い放つ。

しかし、オギーも負けてない。質問に対してしっかりと答え、ジュリアンの発音の間違えも指摘する。

イザベルは校長先生との感触に手応えを感じ、オギーに聞くが、オギーは答えない。それでもネートは嫌なら行かなくてもいいと言うとオギーは「大丈夫。行きたい」と答える。

子供はときに大人よりも残酷なことが多い。

そして感じたことを親に言って親が傷つくことを子供は望まない。

オギーは宇宙飛行士のヘルメットを被って母、父、そして姉のヴィアと学校に行く。

校門からは一人で行かなければいけない。

この辺でね、やっぱり涙が出てくるわけ。子離れ親離れの瞬間ってことでもあり、どっちの勇気も痛いほどわかるから。

ネートはオギーに「孤立してもお前は一人じゃない」と送り出す。

ヘルメットを外したオギーを子どもたちは好奇の視線を向けるが、どうしても目をそらしてしまう。

オギーは母からの教えで嫌なときほど楽しいことを想像する。宇宙服を着て楽しい気持ちを想像する。

自分も「もしチューバッカが居たら自分だって同じかもしれない」と他の人間の気持ちを考える。

オギーは教室に入るともう既に着席している他の生徒。座ろうとすると、そこはもう予約しているという。アメリカは自由なんだね。日本のように座席が指定されていないと最初は大変な感じがする。

担任教師は「格言」を元に人として大切なことを説く。

その言葉がかなり良い。

ランチタイムはまた地獄だ。誰も近寄ろうとしない。

孤立するオギーにバカにすることだけするジュリアン。

いるんだよね。こういう嫌なヤツ。

体育ではオギーめがけてみんなでボールを投げる。最低だ。

初日を終えたオギーはヘルメットを外そうとしない。

重苦しい食卓。

イザベルはオギーに「何があったの?」と聞く。オギーはつい言ってしまう。

「なぜ、僕は醜いの?」

イザベルは言う。

「顔は人の過去を示す地図」と、自分の顔のシミ、シワだって他の人から見たら醜いと言う。そして白髪も。

深刻な感じの会話でも最後にはユーモアが出てくるのがほんと泣ける。

そしてイザベルは

「あなたは絶対に醜くないわ」

その言葉は母だから言うことではなく、世間一般でもそう思う。

人の見た目で判断することのレベルの低さ。オギーは両親に愛され、素直に育っている。

姉のヴィアも高校の初日だった。ヴィアはヴィアで孤立していた。

オギーの家はオギーという「太陽」の周りを回る惑星だと。

自分を見てくれる両親はいない。全てがオギーを中心に廻ってしまう。

それでもサマースクール前までは大親友と言える存在が居た。

久しぶりにミランダと対面するとそっけない態度。メールを1000通送ったのに・・・と言うが、返事はなかった。

そして他の人とランチをするミランダと孤立してしまっている自分を知る。

そんな時、壁に寄りかかっていたところで演劇クラスのジャスティンに声を掛けられる。少しだけ救われた感じだろうか。

家族の中の自分の存在。「世界一手のかからない子」と言う言葉は褒め言葉でも何でもないことを親は知るべきだ。

手のかかる存在が居るとどちらかが手抜きになってしまうが、心のケアは大切だ。

オギーは学校で孤立を高める。どこでもそうだが、子供のイジメはストレートだ。触ると「ペスト菌がうつる」言葉による暴力。

それでも、オギーは理科の授業で自分の知識を存分に発揮する。

理科の小テスト。オギーはさっさと解答を解き終わると隣で唸っているジャックにカンニングをさせてあげる。

突然の行動に驚くジャックだったが、ランチで彼はオギーの座っている席で一緒に食べる。

「どうして食べないの?」オギーは持ってきていたお弁当を食べずにいた。

初日にからかわれたことが心の傷となっていたのだろう。

「僕の食べ方カエルみたいだから」

ジャックは「そうなの?僕だってそうだよ」と手で持たずに顔からサンドイッチに突っ込む。

そして打ち解ける二人。

オギーはジャックに「理科が苦手なら家に来たら?」と誘う。ジャックはオギーのお家に来ることに。

帰りに校門で待つイザベルの前にオギーとジャックが。オギーが「遊びに来てもいいよね?」と。

親として一番嬉しい瞬間だっただろうな。

ジャックは次第にオギーの存在が大きくなる。

しかし、ハロウィンの日に悲しい瞬間が訪れる。

ハロウィンはみんなが仮装しているからオギーも仮装して堂々と歩ける。

普段は近づかないみんなとも接することができる。

教室に入ろうとしたオギーに悲しい会話が。

ジャックがジュリアンに本音を言っているのを耳にしてしまう。

ジュリアンはオギーのような顔のマスクを手にしている。最低なヤツ。それでも一緒に会話していたジャックにジュリアンが聞く。

「なぜ、オギーとつるんでるんだ?」

まさかオギーが聞いているとは思わないジャックがつい言ってしまう。

「校長先生に頼まれたから」

一番言われたくなかっただろう言葉。

「僕だったら自殺している」とも。

それを聞いたオギーはショックのあまり吐き気を催してしまう。

その頃、家ではヴィアがイザベルと二人っきりの時間を過ごしていた。

イザベルの時間が全部自分のものということにヴィアは嬉しい。

イザベルは最近ミランダが来ないことを聞く。答えようとしたところで悲しいかな、オギーの不調を知らせる電話が入ってしまう。

いつもオギーに母を奪われるヴィア。

我慢しなければいけない存在が悲しい。

ハロウィンパレードに行かないというオギーにヴィアは仮装をして誘いに行く。

そして自分だってミランダから避けられていること、そして母の時間を奪われたことを伝える。今二人は親友でしょと二人で出かける。

演劇クラスに入るヴィア。ミランダもそのクラスに居た。

ミランダは戸惑う。自分の立ち位置をジャスティンに奪われたことに気づく。

ミランダはオギーに電話する。そして「寂しい」と伝える。

オギーはミランダにとって弟も同然だった。ヘルメットもミランだがプレゼントしたものだった。

しかし、ミランダは自分の家族とヴィアの家族を比較してしまい、サマースクールでヴィアになりきってしまった。

それを知られることが怖かったこと、また違う自分になったことでヴィアを避けてしまっていた。

ヴィアの家族はオギーという太陽で強い絆で結ばれているが、自分の親は離婚し、父親は再婚し、うつ状態の母親がいるという状況。

子供の悲しさが伝わる。

公演のオーディションでミランダの代役となるヴィア。演劇を始めたことも言ってなかったことで揉める。

学校ではオギーの悪口を言ったジュリアンを殴るジャック。理由は言えないと言うジャックの状況を校長先生は理解していた。

2日間の停学処分。奨学金をもらっているジャックにはこたえたはずだが、校長先生は停学が終わっても奨学金は君を待ってると手紙を出す。

根底にあるもの。

ジャックを避けるオギーをサマーは気にする。他の女子生徒のオギーの悪口に耐えられなかったのか、自分も同類と見られたくなかったのか。

サマーはちょっとねじれたオギーの気持ちも理解して握手する。

子供は子供で成長する。

ジャックの中ではオギーの存在が大きくなるが、避けられてしまってどうしていいのかわからずにサマーに教えてもらう。

サマーはオギーに聞いていたが、「言わない」と言う約束もしていたのでヒントだけを言う。

そして気づく。自分が言った言葉を。

理科研究大会が行われる。二人一組だが、ジュリアンがジャックは自分たちと3人ですると先生に言うが、ジャックは「ルールの通りでやる」と言う。

ジャックとオギーがまた繋がっていく。

ヴィアの演劇の公演も近づく。

主役のミランダには誰も観に来ている人がいない。ジャスティンから「大丈夫、ヴィアの家の人達が応援しているよ」と教えてくれる。

そこにはオギーと両親の姿が。

ミランダはヴィアと主役の交代を申し出る。

突然主役となったヴィアは戸惑いながらも無事に演じきる。

夜はミランダ、ジャスティンともにヴィアの家で成功を喜んでいた。

ジャスティンが室内にあったものに関心を寄せる。

それはオギーとジャックの研究作品だった。

彼らはなんとカメラの原理の箱を作成する。

その作品は優秀賞を受賞する。

オギーの周りには人が集まるようになり、ジュリアンのイジメが度を増していった。

醜い似顔絵や集合写真からオギーを消した写真。

学校側もジュリアンの両親を呼び出す。

ジュリアンの両親は多額の寄附をしていることで、ジュリアンの行為に罰が与えられることを良しとはしない。

正常な精神に生育されることが難しいだろう類の親に育てられたジュリアン。

見える醜さと見えない醜さ。

見えない醜さは他の人を不幸にする。

2日間の停学となった時、ジュリアンの両親は学校を辞めると言い出す。

友達も居る学校から親のちっぽけなプライドで転校させられるジュリアン。

どこに行ってもうまくいかないのだろう。

サマーキャンプ。

オギーは他の学校の生徒に絡まれる。そこをジュリアンと仲良くしていたグループが助けてくれる。

いつの間にかオギーの周りに敵はいなくなっていた。

5年生の修了式。

オギーにとっても両親にとってもいろいろなことがあった1年だ。

修了式にオギーは優秀賞を送られる。

オギーの勇気は周囲を変えたことに対する賞だ。

見た目で人は判断できない。それは子供であれば最初こそ戸惑うがお互いの勇気が存在を確認する。

もうね、ずーーーーっと涙が出てきてた。

しんみりするシーンもあるけど、イザベルの母としての愛情や勇気、ネートの父として男としての在り方とか。ヴィアの存在も。

サン

Sunであり Sonである。

そして奇跡を起こしていくオギーの強さが周りの人を動かす。

普通じゃないことは不幸ではないし、時により強力な力を持っている。

見た目で判断するような世界は決してなくならない。それでも、人は優しくなれる。

その人の本質を見極められるようにいたい。そう思う。

【映画ランキング】万引き家族が首位で良かった

理解できない日本人

是枝監督作品は海外での評価と日本の評価が割れる作品が多い。

その中、とても良いタイミングでの「パルム・ドール」効果はしっかりと初日の公開に現れて良かった。

「Vision」がランクインされていない

「Vision」がランクインされていない。

先に書いたように是枝監督と同様、河瀬直美監督作品も日本人にはわかりづらい。

EXILEの岩田剛典が出演していたのに、ランクインしないんだ・・・。

ライブビューイングの時、全国130劇場でって言ってたから、130劇場なんだろうね。

他は300以上だったりするのに。

1位になった「万引き家族」は「パルム・ドール」効果で一気に公開館数が増えたらしい。

それでもガラガラだったら意味がなかったけど、きちんと成績に反映されて良かった。

そして、「終わった人」が公開関数が238の中、4位ってことで、人気の高さがわかる。

そして「羊と鋼の森」が公開関数318で6位。

「名探偵コナン」が上映9週でなお、5位で公開館数もぶっちぎりの360はすごい。

トップ10に入っていないけど、「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています」が11位なのに、コメント欄で紹介されている。しかも全国73スクリーンで11位はほんとすごい。

1スクリーンあたりの興行収入は実はトップだって何かの記事であった。

私も感覚的な人数の多さは

1位:万引き家族 2位:家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています 3位:Vision 4位:終わった人 5位:羊と鋼の森

って感じかなと。

まぁ初日の最初は「万引き家族」しか観られてないから初回は違ったのかもしれないけど。

2位の「デッドプール2」とかが公開館数が363で「コナン」よりも多い。日本人はこういう系が好きなの?

今週はいよいよ

「ワンダー 君は太陽」

「空飛ぶタイヤ」

「ゆずりは」

が公開される。

来週が

「焼肉ドラゴン」

「猫は抱くもの」

それが終わるとしばらくは観たい作品が「未来のミライ」までなくなってしまう。

6月になぜこんなに詰め込んじゃった?って感じなんですけど。

来週以降のランキングも楽しみ。

「空飛ぶタイヤ」が首位を取れるのか?

あのメンバーで取れ無きゃおかしいと思うのですが。

長瀬智也に高橋一生にディーン・フジオカよ。

もうね、3人共カッコいい。

ディーン・フジオカがスーツ姿の普通の役。

「ワンダー 君は太陽」はハンカチ、ティッシュ持参じゃなきゃ駄目だと思う。

予告観てるだけでも危ないからね。

感動は間違いなし。

人間の弱さと強さを観られるのだと思う。

【マンマ・ミーア!】8月公開の「ヒア・ウィ・ゴー」公開前に見ておく

2009年公開の作品

私が生まれて初めて興味を持った洋楽が「ABBA」の「ダンシング・クイーン」

だから、公開当初も気になっていたけど、ミュージカル風映画が駄目だったので、やっと観ることができた。

ABBAの名曲の数々

舞台はギリシャ・エーゲ海に浮かぶ島。

それだけでもキレイで素敵だわって感じ。

そこにABBAの曲が盛り込まれている。

メリル・ストリープがすごすぎる。還暦間際の撮影だったってことよね?

2007年とか。今68(今月69)だから・・・

それでも、はっちゃけた感じが凄すぎる。

娘のソフィ演じたアマンダ・サイフリッドもキュートでいい。

キュートって言うのは彼女のような女性に使うんだね。

ストーリーはメリル・ストリープ演じるドナの娘ソフィが結婚式に自分の父親候補の3人を勝手に内緒で招待してしまうドタバタ劇って感じ。

ソフィは自分の父親が誰だかを知りたいのだけど、ドナは教えてくれない。

それならばとドナの日記から父親を割り出して招待状を送ってしまう。

ドナの名前で来た招待状を見て、父親候補3人も島へとやってくる。

突然現れた昔の男に慌てふためくドナ。

結婚式の後まで内緒にしてと言うソフィだが、事態は急展開していってしまう。

全員が「自分がパパだ」と思い始めてしまう。

ママ要素のソフィは父親が誰なのか見当もつかない。

困ったソフィは婚約者のスカイに打ち明ける。

そうすると、スカイは結婚式はただの父親探しだったのかと激怒する。

どうにか結婚式は開催される。

そこでドナは父親を明かす。

それはサムだった。

サムは島でホテルをしたいと夢を語り合っていた。が、婚約者が居たため破局した。

が、ドナを忘れられずに戻ってきたら既にドナは次の男にいっていたために婚約者と結婚したという。

父親がわかったソフィは突然「結婚を延期しましょう」と言い出す。

大勢の人が集まっているのに!

しかしサムが突然、「なら私達が結婚する」と言い出す。

サムは離婚していた。

そのままドナとサムの結婚になって終わるというのが最初の「マンマ・ミーア!」で今年公開の「ヒア・ウィ・ゴー」はソフィの結婚式なんだろうな。

劇場予告だとドナの母親が登場するんだよね。

ヘリコプターで。

「サプライズ!」とか言って。

ちょっと楽しみだ。

明るい気持ちになれるから夏が楽しみだ。

【映画 終わった人】感想。熟年夫婦へ。定年後の生き方を模索しておくべき。

仕事しかしていない人間

あと10年ちょっとすれば我が家にも降りかかりそうな問題。

仕事以外に何もない男は仕事から開放されたとき、何をできるのだろう?

週末、寝ているだけの人が陥るであろう問題だ。

自由にすることの出来ない人たち

60歳定年説。

まだまだ元気な年齢でいきなり昇っていたハシゴを外された人はどう生きるのだろう?

特に大手だけで終わった人は敷かれたレールに乗って生きてきた人生じゃないのだろうか?

舘ひろし演じる田代壮介という人は東大の法学部を卒業し、大手銀行に就職し、15年前までは役員への道が約束されていたはずだった。

が、

レールは切り替えられ、役員の道ではなく子会社へ出向し、専務取締役という役職で定年のその日を迎えた。

黒塗りのハイヤーが廻されて自宅まで送られる。

それはまるで「生前葬」しかも本人主体ではない押し付けられた形の。

まだこんな感じの人がどのくらい残っているのだろう?

年功序列が崩れ、リストラがあったりして最後まで働ける人はどのくらいいるのだろう?

自宅では妻の千草役の黒木瞳と娘役の道子の臼田あさ美とその娘役のしおりの野澤しおりと千草の従兄弟役の俊彦の田口トモロヲが退職のお祝いに駆けつけている。

自分の意思で動けない状況から見ても先行きは不安だ。

今まで忙しかったのだから、ゆっくりしてください。

千草は壮介にそう言う。

壮介は今まで忙しくてろくに旅行にも行けなかったから行かないかと誘うが千草には仕事があった。

温度差のある夫婦。

突然、家にいることになった壮介だが、やることが見つけられない。

しまいには妻の仕事場に迎えに行ってしまう。お抱えの運転手は要らないからと無下にされてしまう。

今までの距離感に慣れた妻が突然自分に構ってちゃんになられたら、「定年ウツ」になる妻が増加するって話もある。

自宅に居て何もしない人間。

人を使うことしかしない人間。

妻を何だと思っているのだろう?な人間。

夫は妻を娘が幼い頃に行った公園へ連れていく。桜が見頃だった。

それを見て「散る桜 残る桜も 散る桜」と詠み始める。

自分に対するあてつけなのか?夫の真意が理解出来ない妻は不快になる。

壮介が古本屋で石川啄木の本を手に取る。それを広末涼子演じる浜田久里が残念そうに見つめる。

娘に恋でもしてみたら?とけしかけられた壮介だったが、この時点ではまだ何も起こらない。

街中で壮介は高校時代のチームメイトとバッタリと会う。笹野高史演じる二宮だった。

二宮は一緒に飲みに行こうと誘うが、1件用事を済ませてからという。

その間、時間を潰しておこうとすると、用事の場所に連れて行かれる。

二宮はなんとボクシングのレフリーをしていた。

若者の戦いをさばく姿。

勝者の若者に何かをつぶやく。

壮介は飲みながら何と言ったんだ?と聞くと「敗者の気持ちも考えろ」と言ったのだと。

大切だよね。

帰宅した壮介はそのことを妻に聞いてほしくて話す。が、妻は聞いてはくれない。

夫の愚痴など聞きたくないと相手にしない。

壮介は居場所を見つけようとするが、どこに行っても年寄りだらけだ。

そこでジムに通うことにする。そこで出会ったのが今井翼演じる鈴木くん。新規開発のマーケティングのためにジムへ通っていると言う。

そして、壮介の履歴に興味を持って話しかける。そして壮介に「会社を手伝ってもらえませんか?」と切り出すが、プライドが邪魔したのか断る壮介。

ジムは今やちょっと元気な老人の集会だ。

これではいけないと就職活動を始めるが、下町の夫婦経営の会社では高学歴過ぎて使えないと言われてしまう。とても失礼な話。ハローワークから紹介されたときにあまりにも高学歴だから、面接だけでもってことにしたらしい。

高学歴でも仕事がなければタダの人だ。

そして壮介は大学院に入ることを決意する。

千草は大賛成だ。自分だけに向かう興味ってほんと重いし、うざったいし。

うんうん。共感しちゃうよ。

大学院に行く前にコミュニティセンターで勉強することを俊彦に提案される。

コミュニティセンターで石川啄木の講座が2つため、受付で説明を求めると、そこに居たのは本屋で会った久里さんだった。

久里さんは困った場面で方言が出るらしく、お互いに岩手出身ということで意気投合する。

死んだようだった壮介が生き生きとし始める。

久里さんに「恋」をした壮介は久里さんに気に入れられようと「男」として頑張る。

それでも、30も下の女性はすぐには落ちるわけもなく、娘は「そんなね、ご飯だけおごってもらって捨てられるだけよ」と図星をつく。

そこでまた鈴木くんから声を掛けられる。IT会社の社長をしている鈴木くんの会社の顧問を引き受けて欲しいと言う。

ベンチャー企業のデメリットは人脈がなく、信用もないことだ。そこで高学歴で銀行出身の壮介を顧問にすることで融資をもらうことに。

千草が帰宅すると、「髪を染めてくれないか?」と言う。

現役中は毎月髪の毛を染めていたようだ。

千草は喜ぶ。

そして銀行へ行き融資を取り付ける。

全てが動き出したかのように見えた矢先、社長の鈴木くんが突然死んでしまう。

幼い子供を残して。

今井翼〜、今彼自身が休養中でもし元気だったら舞台挨拶に参加してるよねぇ〜って思うだけに役と重なってしまうでしょ。

今井翼としてのキャリアが死にかけているってことで。

壮介は会社を辞めようと決める。自分を採用した鈴木くんが亡き後は新しい社長の体制でいくべきだと。

しかし、社員は「自分では役不足だから社長を引き受けて欲しい」と言ってくる。

真剣に悩む壮介。

それでも勝手に決めてしまう。

千草は大反対する。自分も新しいことを始めようと相談したかったのに、自分のことには耳を傾けようとしない夫。

それでも会社の社長となる。

久里さんから連絡がある。壮介は「熱海で会議があるから良かったら来ないか?」と誘う。ただし、1泊しなきゃいけないがと。

OKを聞き喜び、妄想を広げる。

熱海に来た久里さんと話をすると、久里さんは童話作家として自分が落選し、友達が当選したことを妬んでしまい、そんな自分が嫌だと言う。

壮介は「久里さん、もう童話作家辞めなさい。」と厳しい言葉を言う。久里さんは「やってきた10年が無駄になる」と拒むが、壮介は「今は10年で済むが、辞めなければ一生が無駄になる」と続ける。

そうなんだよね。

始めること、辞めること、諦めること、そのタイミングがほんと大切で。

自分のこの半年も同じ感じだったなと。たった半年だけど残り時間が少ないこの時期には意味が大きいってことも感じたわ。

ホテルへ行くが、久里さんは「駅前のビジネスホテルを取ったので」とやんわりと断ってくる。

うまくはいかないわね。

部屋に入ると千草から電話で「相談したいことがある」と。

浮気?がバレたのかと焦る壮介。離婚か?と悪いことしか思いつかない。

帰宅した壮介に千草は「ハンコ押して貰える?」と。

離婚届か!?と思ったら、自分のお店を持ちたいからと言う。ホッとする壮介。

俊彦の家で内装などの打ち合わせに道子と壮介も一緒に行くとそこになぜか久里さんが。

久里さんは俊彦の彼女だった。

俊彦と旅行に熱海に行くという。野暮用で行ったレストランが良かったと。

野暮用にされてしまう壮介。そんな壮亮の態度に道子は「パパの好きだったの彼女でしょ」とすぐにバレてしまう。

会社はすぐに危機に直面する。ミャンマーの仕事で入金が頓挫したのだ。そして支払われる要素がなくなったという。

倒産するしかない会社。

倒産の日、壮介を心配する社員に「いや、今度妻が店をオープンするから養ってもらう」などといい出す。

社員は反発する。

自分たちは露頭に迷うのに、社長夫人は美容院をオープンする。表だけをみたら誰でも妬む要素満載だ。

そして、社員がオープン前の千草の店へ行き、罵倒していったようだ。

一度、うまく廻ったはずの歯車がまた空回りを始める。

千草は荷物をまとめる。それを見た壮介は「出ていくのか?」と引き留めようとするが、「同じ空気を吸っているのも嫌なので出ていってください」と追い出す。

わかるわ。

自分のこと以外何も考えない人間っているのよ。これで仕事がうまく廻っていたとすれば、周りが優秀なんだろうなって。

私はその周りにはなれないタイプだわ。駄目は駄目。

まぁ追い出すことはしないけど、自分が出ていくわ。

自分より弱者の世話も出来ない人間はろくなものではないと考えております。

そして追い出された壮介は自分の母校の高校のラグビー部が県の決勝に進出していることを知る。

二宮に連絡をつけて久しぶりに地元へ行く。

そこには後輩の姿が。

壮介はラガーマンであだ名は「ラガン」キャプテンだった。

先月のアメフト部の問題とオーバーラップするようなセリフ。偶然なんだろうけど。

キャプテンとして勝たせたいと思うあまり「反則してでも勝つ!」と喝を入れるが、「16番」と呼ばれていた選手に「そんなラフプレーで勝ったところでどうなるんだ」と反対されて揉める。

「16番」はチームの監督の息子だった。

この「16番」のような選手が一人でも日大アメフト部に居たら、こんな国を巻き込んでの大騒動にはならなかったのに。

チームは負けてしまう。

そして壮介は「16番」の自宅を尋ねる。そこには監督とそっくりに成長した「16番」の姿と痴呆になってしまった監督の姿があった。

飲み会には大勢のOBが集まっていた。

そこで壮介は自分のことを語りだす。地元へ帰ってこれなかった自分。

キャプテンで東大に入学して銀行に入ってと出生コースを歩んでいたことでそこを踏み外した自分をどうしても見せることが出来なかったと。

それでも周りは同じようなおじさんだという二宮。突然、カツラを脱ぐ。

だよね。笹野高史さんなのにズラってって思ってたんだ。

そして、地元のNPOを助けてほしいと言われる。

実家には母親と妹役で高畑淳子さんがいる。ちょっとイメージがソフトになった感じがする。

東京に戻り、千草の店を尋ねる。

そして「離婚しよう」と切り出す。壮介が考える最良だったのだろうけど、相談とか話し合いという単語がないだけに話が突然すぎる。

千草は「私、離婚しないから」と言う。まぁ、離婚するデメリットはあるかもしれない。

そんな両親を見た道子は母親を凶弾する。勝手すぎると。自分にも子供がいる中、両親の離婚を後押しするような娘。

まぁ離婚しても自分にとって親は親だしね。

好きでもない関係の二人が夫婦でいることが現代社会においてはナンセンスなのかもしれない。

そして二人は「卒婚」することに。壮介は地元に帰る。

春の季節。

桜が満開の頃、声を掛けられる壮介。千草の姿が。

千草は「髪の毛を染めに来た」と言う。そして、「2ヶ月に1度染めに来るから」と。

離れてみてわかるお互いの良さがあると思う。

近すぎて見えないもの、負担に感じるもの、それら全てから開放されたい願望がある。

2年前から自分の中で還暦をどう迎えるかを考える。まだまだ先の話だけど、それでも今に不満があるから考えるのだろう。

なぜなら何もしなければ彼の蓄えを気にして自分が生活をしなければいけないかもしれなくなるわけで。

そんな自分にはなりたくないと思った。

千草のように自分のお店を持つまでの気概は持てないけど、自分でどうにかなるようにはしておきたいと思っている。

それが夢に終わるかどうかはわからないけど。

「卒婚」まぁ我が家には子供もないからそういう感じはない。

共同生活の解消って感じになるだろうか。奴隷契約の解除だろうか。

男の人の家事に対する対価が低すぎるし、家に縛り付けていることへの罪悪感の欠如に驚く。

私は私の生きたいように生きる!

「終わった人」は何を終わりとするのかわからないけど、現役中に模索していない人はその時になって振り回されてしまうことを知っておくべきだ。

現代社会で「終われる」のはいつなんだろう?

病気になったとき?

死んだとき?

舘ひろしと黒木瞳の夫婦役。

もう68歳になった舘さんだけど、63歳の設定。それでも彼の雰囲気や立ち居振る舞いが年寄り臭さを感じない。

黒木瞳さんはかわいいおばさま路線になって、変わらずキレイ。

カッコいい、美人な役者さんだった二人の年齢なりのチェンジを楽しみにしている。

舘さん、あと少しで70にはほんと見えない。

【映画 「家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。」】感想。月が綺麗ですねを知らないと大変だ。

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夫婦という名の他人の関係

この映画のニュースが出たときにタイトルがすごかったので、原作を漫画化されたものを読んだ。

その時は、なぜ死んだふりをしているのかってことまで読んだっけ?

妻はなぜ死んだふりをしていたのだろう。

ちょうど1年前の5月に公開が決定し、11月に小出恵介の出演シーンが代役になった。

主演の二人はどんな気持ちだったのだろう。

それでも、大谷亮平になって良かったと思う。うん。

「月が綺麗ですね」

国語の教科書で教えるべきだわ。夏目漱石を教えるなら。

そうしないとこの夫婦のように気持ちが伝わらない。

妻のちえさんの榮倉奈々。この映画の最初の報道の時は出産前だったんだ。

2017年5月25日にこの映画化が報道されて出産が6月12日。

まぁドラマ出演中に出来婚しちゃったってことで、仕事関係では多大な迷惑をかけたから、キャンセルすることは出来なかったのだろう。

それにしてもいつから撮影が始まったのかわからないけど、体型が全然変わらない。

胸も全然大きくなってないし。すごいな。

ちえさんはお父さんと二人暮らし。お父さんはお寿司屋さんの職人さん。

出会いのシーンが映画用にもう少し詳しくなっている。

そして、ちえさんと安田顕演じるじゅんさんは2年の中距離恋愛を経て結婚する。

でも、じゅんさんはバツイチであることがある意味トラウマになっていた。

そのことで結婚前に「3年目にお互いにその後を話し合おう」ということになっていた。

その3年が近づいた頃からちえさんの「死んだふり」が始まる。

おっちょこちょいの予測不能妻に冷静夫はついていけない。

それでも、ちえさんのことを好きな気持ちはあり、じゅんさんは「ちえさんのこと、好きだよ」と言う。

それに対してちえさんは「月が綺麗ですね」と返してしまう。

すれ違う気持ち。

この言葉を知らない人にとっては、はぐらかされているような気分になるのだろう。

平穏な暮らしを求める夫に日々過激さを増す「死んだふり」の出迎え。

それにしても、なぜ、鍵を持っているのに、チャイムを鳴らすのかが私にはわからない。

帰るメッセージはいい。

でも、夕食の準備をしているのになぜ鍵を開けさせ、ドアを開けさせようとするのだろう?

日本という文化なのか?

不思議でならない。

ちえさんはそんなことが不服だったわけではないのだけど。

不服があったのかって言えばそうでもない。

ちえさんはちえさんなりに考えた行動で、理解して欲しいとかって気持ちはないのかもしれない。

初めての死んだふりをされたじゅんさん。

驚きのあまり、救急車を呼ぶのになぜか「117」で時報が聞こえる。

人間、焦るとそんなものね。

じゅんさんは会社の後輩の大谷亮平演じる佐野壮馬に不満をぶちまける。

他人から見たら、惚気に聞こえる。が、それが何日もとなると、気持ち悪がられる。

どうしたら?と悩んでいるじゅんさんに佐野は「花とかケーキとか買ってあげたら」と提案する。

じゅんさんは一人でいることに対する不満なのかとクリーニング店のパートの仕事を持ち帰っていた。それをじゅんさんがリストラされたと勘違いするちえさん。

あまり乗り気ではないものの、クリーニング店へ行く。

そこには猫を抱いた女性が受付にいたので、挨拶をすると「私は違うわよ」と言われてしまう。そこに戻ってくる店主役の品川徹。似合ってるわ。

一人暮らしの老人でコンビニまで弁当を買いに行っている間の留守をお客の女性がしていた。

気が乗らなかったパートだが、父親とオーバーラップしたのか、行くことに。

そのお祝いとしてじゅんさんが花とケーキを買って帰ると、「死んだふりはやめてくれ」と言われたちえさんは今度はゆうれいをしている。

それに付き合って、花とケーキを墓前にお供えするじゅんさん。

気持ちは暗くなる。

どうしたら普通に待っててくれるのか。答えが見つからない。

そんなじゅんさんに壮馬が「一緒に食事でも行きませんか?」と誘う。

そこには壮馬の妻の由美役の野々すみ花も来る。

佐野夫婦は結婚5年目になるという。

そして壮馬は二人の馴れ初めを聞く。ちえさんはじゅんさんを「なんとなく半分こが良かったから」と言う。

由美はちえさんに二人でランチに行くことを提案する。

なぜかバッティングセンターでハイヒールでバッティングをする由美。

問題のなさそうな夫婦だが、もしかしたらちえさん夫婦よりももっと深い闇があるようだ。

ちえさんはなかなかバットにボールが当たらないが、由美はホームランを狙っている。なかなかうまくいかないと言う。

「よく来るのですか?」と聞くちえさんに由美は「病院の帰りに」と言う。

病気なのかと心配するが、そうではないと。

気づくちえさん。

それでも慰める言葉はかけられないと正直に申し出るちえさん。

そんなちえさんに感謝する由美。ちえさんは「優しい言葉はかえって相手を傷つけるから」と言う。

優しい言葉がほしいわけではない由美にとってちえさんの言葉は良かったようだ。

なかなかそれでもいろんなことが止まらないちえさんにじゅんさんが「何が言いたいのか言って」と言う。

ちえさんは「だったらお願いがある」と言う。

それは佐野夫婦を自宅にお招きすることだった。

元気がなく約束をキャンセルした由美を気遣ってのことだろう。

表向きばかりいい夫とそれに従う妻という役割に限界がきていた夫婦。

由美の知らない面が明らかになり、自分が知らないことが多かったことに気づく。

そんな夫婦は終わりにすることになった。

由美から別れることを知らされるちえさんと壮馬から聞かされるじゅんさん。

夫婦それぞれがいろんな気持ちを抱えていることがわかる。

壮馬は不妊治療に行き、妻ではなく自分が原因で不妊だということを医者から告げられる。その瞬間にホッとした表情になった由美の顔が忘れられないと。

不妊は妻の責任のように思われる現代社会だが、その要因なんてどっちにあるなんて関係ない。子供がいなければ夫婦じゃないのか?なぜお互いの存在だけで十分と思えないのか?

世間は勝手に心配するフリをして傷つけていることを認識すべきだ。

そして離婚にいたってしまう夫婦は多いだろう。

酔っ払ったじゅんさんを車で迎えに行くちえさん。真っ直ぐに自宅へ戻らないことに不審に思うじゅんさんだが、「道は繋がっているのだから、いつか家には着くのです。」と言うちえさん。

翌朝、じゅんさんはちえさんに「どこか行かないか?」と言う。ちえさんは「じゅんさんはどこへ行きたいですか?」と聞き返すが、返せない。

夫婦の関係ってどっちかが主導権を握って動かさなきゃどこにも行けない。

ちえさんのスマホが鳴る。それはお父さんが倒れたことを知らせる電話だった。

大急ぎで病院へ向かう二人。

発見が早かったから後遺症は残らないけど、年は取ってきているから気をつけてくださいと医者から告げられる。

ちえさんはなかなか病室に入れない。

それを見ているだけのじゅんさん。

ちえさんは「お父さんには私だけなんだから」と言わせてしまうじゅんさん。

違うだろ?

家族になるってそういうことじゃないだろ?って思う。

じゅんさんもお父さんの家族なんだってことをじゅんさんがもっと認識しなきゃってことなんだと思うんだ。

じゅんさんも気づき、ちえさんの手を繋ぎ病室へ。お父さんと会話をし、入院手続きをしてくると部屋を出るちえさん。涙が止まらない。それを受け止めるじゅんさん。

手続き中、お義父さんと会話をするじゅんさん。

お義父さんはちえさんが泣くのは母親が亡くなったとき以来だと言う。

小さかったちえさんと二人になり、寿司職人だったお義父さんは大変だったと。泣いてしまったこともあったと。

そうしていたら、ある日から突然家に戻るとちえさんがかくれんぼをし始めたと。

疲れているのに探さなきゃいけなくて大変だったと。

ちえさんのしていた行動は幼少期から続いてきたことだった。

お義父さんはまぁめんどくさかったけど、それでもやらせていたと。

子供なりにお父さんを元気づけたかっただけなんだろうな。

二人は実家に泊まることに。

そこでじゅんさんはやっと「月が綺麗ですね」という言葉の真意を知る。

そしてずっと自分に気持ちを伝えていたことも。

じゅんさんは行きたい場所を告げる。

それは二人が結婚前にデートした場所。

飯能市の「あけぼの子どもの森公園」だな。きっと。

そしてそこで今度は「わたし、死んでもいいわ」と告げる。

「月が綺麗ですね」の返答のような言葉らしい。

二葉亭四迷って人が言ったらしいのだが。

お父さんが結婚をするときに二人に「夫婦なんていつか夫婦になる」と言っている。

ちえさんがなぜ死んだふりをしていたのかはわからない。

ちえさんはじゅんさんが結婚3年目にトラウマを持っていることを感じていて元気づけたかった。また、死んだふりをしている間は3年目以降の話にならなくて済んだ。などなどいろんなことを考えていたのではないだろうか。

これが実話ってことだからほんと驚く。

すごい死んだふりのバージョンがあり、笑える。

それでも、身につまされる。

ちえさんの望む家族はクリーニング店のお客さんのご夫婦なんだろう。

「あれ」でわかり、「それ」で気づく。

2010年にYahoo!知恵袋に投稿された実話ってことで、それから8年。本当のじゅんさんとちえさんはどうされているのだろう?

夫婦のあり方を考える機会になるかもしれない。