【映画 猫は抱くもの】感想。沢尻エリカが変わらずかわいい。

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猫は抱くもの

ロシアンブルーが出てたから

どんな映画なのか実際のところ全然知らずに行ったような作品。

沢尻エリカが精一杯のアイドルを演じていることもちょっと気になったけど。

沢尻エリカワールド全開の作品。

売れなかった元アイドル

沢尻エリカ自体、2007年からしばらく表舞台から去っていた。

当時の彼女は忙しすぎた。素直な彼女はプロになりきれなかったそんな感じのこと。

21歳。そこから26歳くらいまでは結婚をしたりしていて女優業をしてなかったことがもったいないと思っていた。

そして26歳で「ヘルタースケルター」で復帰。

それでも若い頃のような感じでは仕事が廻っては来なかった。そりゃあそうよね。

舞台挨拶をぶち壊したってすごい人だから。

それでも丁寧に自分のやりたい仕事を選んでいる仕事のスタイルを世間が認めてきている感じがする。

まだ32歳。

そんなに若かったの?って感じもしてしまう。

若い頃からキャピキャピした雰囲気はなく、どっしりとした女優さんって感じがあった。

確かな演技力。

それがこの作品でも出ていたのだと思う。

沢尻エリカワールド。

沢尻エリカ演じるのは元売れなかったアイドルグループの端っこで歌っていた沙織。

スーパーのレジを黙々としていて店舗で1位になるくらい。

その倉庫でロシアンブルーの「良男」を飼育する。良男は自分のことを「人間」だと思いこむ。思い込む良男を吉沢亮が演じている。

それ自体がまぁはっきり言っちゃえば人間の身勝手な行動。

たまたま売れ残っていた「良男」と目が合って飼い始めるが、猫の飼育の出来ないアパートだった。

そしてスーパーの倉庫に連れて行って餌をあげていた。

自分の愚痴を聞かせる。

妄想を聞かせる。

それは良男にしかしない行動だと良男は自分が人間だと思い込み沙織に甘える。

舞台演出の映画。

だからほんと演者の演技だけで情景が変わる。

スーパーのマネージャーが1位のお祝いに誘ってくれる。

普段ツンデレのデレ抜きの沙織は妄想ではとても喜んでいる。

自分の世界しか見えない沙織を寂しそうに見つめる良男。

マネージャーとハイキングへ行きホテル。まぁ大人だからね。

それを面白く思わない良男は倉庫でいちゃつく二人にやきもちをやき、ひっかく。

沙織はそんな良男の存在を見えないものとして扱うことが悲しい。

人間の身勝手な行動。

それでも沙織のことが気になった良男は夜中に倉庫を抜け出して沙織の元へ行こうとする。

でも川に落ちて流されてしまう。どうにかねこすて橋で助かる。他の擬人化された猫がいる。

そこで自分のことを「人間だ」と言い、他の猫から失笑を買う。きっと彼らも同じ思いをしていた時期もあったのだろう。

そこには「キイロ」と言う怪我をした猫もいた。

「キイロ」の話を聞いた良男は思いついた。沙織が話していた猫だった。

沙織のスーパーで万引きした少女を引き取りに来たオジサンの「ゴッホ」峯田和伸という人を私は知らないのだけど、シンガーソングライターさん。

この映画がそんな存在の人が多い。

キイロは水曜日のカンパネラのボーカルのコムアイだ。

沙織の前で姪に振り回されるゴッホ。姪は母親から預かったお金を渡すために万引きをしてゴッホを呼び出すことをしているらしい。

ゴッホは黄色い絵の具で汚れたまま来ていた。

それを見た沙織が勝手に妄想していたのだ。きっとあの人は画家でもしかしたら黄色い家で黄色い絵ばかりを描いて、猫には「キイロ」とかつけてそう・・・

沙織もハイキングの途中で黄色い家を見つけ、自分の妄想したことが実際にあることに驚く。

キイロは姪に川に落とされていた。そして怪我を負い傷ついていた。

怪我をしたキイロを良男は家まで連れて行こうとする。

それぞれを探している沙織とゴッホ。

二人が知り合いになる。

沙織は歌手になる夢を捨てきれずに一人カラオケで歌っていた。

カラオケにスーパーのマネージャーが友人と居た。そして自分のことを知った上で付き合おうとしていたことも。

それを知った沙織は傷つく。

アイドルがまた集結するというバラエティー番組に呼ばれる。

1回限りの復活。

それでも沙織は行く。

中村ゆうじがMCでほんとにありそう。しかも熱湯風呂とかで1組だけヒット曲を歌えるとかって・・・気の毒だ。実際の世界でも本当はそんな感じなんだろうな。

沙織は傷つく。

そんな傷を癒やされたかったのか?ゴッホの家に行く。ゴッホは起こされながらもカラオケに一緒に行って持ち歌を入れる。

一番驚いたのは猫のサビってかなり絡んでたのが藤村忠寿さんだったってこと。

そーなのー???

そっか。全然気づかなかった。

老猫が岩松了ってくらいで他はドラマなどに出ていてもわからないくらい。

で、カラオケをして自分の持ちパート以外を思い切り歌う沙織。自分の持ちパートはゴッホが歌うはずだったが、ゴッホは失敗してしまう。

そのことを怒ったのか?突然怒り出し、お酒をあおる。

ゴッホに対して八つ当たりをする。「売れない絵をなぜ描いているのか?」「姉からお金もらって何しているんだ」

他人に関係のない話し。

そこに自分の姿を投影しているのか?

ゴッホは「泣きたいのになぜ笑っているんだ」と核心をつく。

泣く沙織に突然ゴッホの絵描きの本能が動き出す。

すんごい近くでデッサンし、すごい勢いで絵の具を塗っていく。

それを窓の外から見ている良男とキイロ。

キイロはもう自分の存在がなくてもゴッホはいいということを感じて離れていく。

コムアイが歌うシーンがあるのだけど、やっぱりさ、本物は違う。

しっとりとした曲だからっていうのもあるだけど、透明感があって鳥肌がたった。

良男もモデルをしている沙織を見つめる。

身も心も脱ぎ捨ててモデルになっている沙織。

ゴッホは一気に大作を完成させる。

吹っ切れた沙織は良男を探しに行く。良男は自分のことを「猫だね」とやっと気づく。

それでも沙織は良男を必要としていた。

沙織は猫の飼えるところに引っ越し一緒に暮らす。

アルバイトで結婚式の披露宴で歌をうたう。

アルバイトの貼り紙を見て入った喫茶店。そこにはゴッホの姪っ子の姿が。追いかける。そこには自分をモデルにした絵がかけてある。

猫の悲しさや抱かれていたいという気持ちがヒシヒシとくる。

我が家にもロシアンブルーが居て、抱かれることが嫌いなので、猫によるものねと思っていた。

我が家の場合、猫は抱くものじゃなく抱かれるものって感じで枕の上半分に寝て私を両手両足で包み込むような感じで寝ている。

思っていたよりも猫感はなく、舞台演出を映画化しているのだけど、舞台のままの方がいいんじゃないかって思ってしまう。

リアルも入れられちゃうから。映画だと。

それでも沢尻エリカの演技はやっぱり好きで応援したいと思う。