ペンギンは何科?
海の中を飛ぶように泳ぐ姿を見ているとペンギンって何科なんだ?とふと疑問に思ってしまった。
海の中を泳ぐけど、空を飛ばないで海の中を飛ぶけど、「鳥類」
人間っぽさもある。
どこから撮影したのだろう?
12年前の前作はアカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞していた。その頃の私は映画館にはほとんど行ってなかったから見てなかった。
そしてまた撮影をしたリュック・ジャケ監督。
水中写真家のローラン・バレスタ、野生動物写真家のヴァンサン・ムニエ、ダイバーのヤニック・ジャンティらで撮影を開始。
以前より撮影技術が進化し、ドローンやデジタル4Kカメラでより鮮明な画像を観ることが出来た。
43歳のオスのペンギンをメインにしているのだが、ペンギンの寿命って20年らしいのだが、人間と同じような年齢なのだろうか?
でも、そのオスペンギンには貫禄を感じる。
皇帝ペンギンはなぜ過酷な南極での生活に順応したのだろうか?
皇帝ペンギンは夫婦で子育てをする。と言ってもただただ過酷だ。
メスが産み落とした卵をオスは自分の足の上に乗せなければならない。メスからオスへのリレー。それをのんびりとはしていられない。20秒ほどでリレーしなければ、卵は冷たい氷の上で冷やされてしまう。
そして、オスはそこから120日間の絶食生活に入る。
メスは海へと向かう。
多くのオスが身を寄せ合ってメスの帰りを待つ場所「オアモック」
海から遠く離れたこの場所で皇帝ペンギンは集団で子育てをしている。
そう、その場所はただ子育てを集団で行う場所である。
海から100kmほどもある繁殖地。
抱卵の間はただ自分が石のように卵が孵ることに向かうが、ヒナになると今度は夫婦で交互に海へ行かなければならない。
ブリザードによって道がなくなる。一気に険しい道になる。その道をいつのまにか行列になって一路海へと向かう。
海に入る前に一度立ち止まる。
空気を体内に大量に吸い込んでいるという。その後20分くらい水中をまるで空を飛ぶように泳ぐ。
飛ぶという表現の方が合っているのかもしれないが、空を飛べない鳥が海の中を飛んでいる。
その姿が美しい。
南極の海のきれいさ、深海には見たことのない景色が広がっている。
そこで大量の魚を体内に保存し、氷の世界へと戻る。
そうするといつの間にか、また行列を作ってコロニーへと向かう。
そこには大量のヒナの姿。すべてが同じに見えるのですが・・・状態から我が子を探し出す。
目測で近づき、鳴き声をあげて確認して歩く。
ヒナはどうやって自分の親だと認識するのだろう?
そして夫婦はどうやって見分けをつけるのだろう?
まず、夫婦になるためには最初に踊り合ってシンクロしてから交尾になるということで、夫婦は踊ってお互いを確認し合うようになっているらしい。
ヒナになれずに無残にも氷の上に残されている卵。
デジタル4Kカメラの性能で皇帝ペンギンの皮膚の突起がよくわかるし、足がすごいごっついことがわかった。
ブリザードにも負けない彼ら。
繁殖地ということでお互いに暖め合う。
夏が近づく頃、まず母ペンギンが子供から離れていきます。
子育て終了ということで、もう会うことはないらしい。
何か本能に刻まれているのかしら?
ヒナは1年ほどで海へ行き、5〜6年ほどで繁殖開始年齢となりコロニーに集まり、そこで相手を見つけるらしい。
そしてヒナが成長したことを見届けて海へと戻る。
オス親もすぐ後には子供の元を離れる。子供は追いかけるが、まだ海へ行くために必要なものが足りないことを知っているのだろう。コロニーに戻る。
コロニーはホワホワの綿羽が抜け出した頃、ファーストペンギンにつられて他のペンギンも後を追う。
数羽の大人ペンギンの姿もまだ残っているからその大人ペンギンのマネをして海へと進む。
100km先の海の方向がなぜわかるのか?道なんてない。
そしてなぜコロニーに戻れるのか?不思議だ。
何日もかけて海へと出ることが出来た。既にお腹は空っぽだろう。
でも、海の中を知るペンギンは居ない。
どうしたらいいのか?
誰もファーストペンギンにならないまま2日が過ぎた頃、空腹に耐えかねたファーストペンギンが海へとダイブ。
それに続くように次々とダイブというか、もうね、泳ぎの下手な人が溺れているような状況。
ペンギンが溺れてる・・・
そんな感じ。
それでもすぐに慣れて海の中でもなぜか行列になって水面をまず泳ぎだす。
そして彼らは5年〜6年海で生活し、繁殖開始年齢の頃に再びコロニーへと帰る。
なぜ覚えているのだろう?
鮭の遡上のようなものなのだろうか?
きっと繁殖に戻ることを「ただいま」としたのか?
皇帝ペンギンにはまだまだ謎が多そうだけど、また10年後とかにあるだろうか?
フランスの南極基地の近くにコロニーがあって研究が進んでいるらしいのだけど。
こういう映画は大きなスクリーンで観るのが一番いい。
ほんと繊細な描写がきれいに見えることに感動する。
そして夫婦で育てる大切さに。
自分たちの子孫を残すための行動が過酷だけど、世の中で一番すごいのかもしれない。