ある意味ヤングケアラー
最近、ヤングケアラーがやっと社会問題として取り上げられるようになってきているが、父親の苦悩はわかるが、果たして父親としての役割を果たしていたのか?と思ってしまった。
過去にドラマ化されている作品なわけで
重松清さんの原作「とんび」は新聞掲載の小説だったのか。
父親のヤスの破天荒さが今の時代に浮き出てて、なんかちょっと引いてしまって。昭和のあの時代はこんなタイプの人は多かった印象はあるのだけど。
阿部寛さん演じるヤスがあまりにも身長が高いものだから、昔ながらの日本家屋で不便そうだなぁ〜ってことに気がいってしまった。
子供が生まれ、可愛がる夫婦に悲劇が起きる。
が、ヤスは妻美佐子を失う。ヤスは妻を愛していたと思うが、息子を一人で育てる決断をする。
周囲の人の助けもある。
雲海和尚役の麿赤兒は説得力があった。その息子の照雲役が安田顕、その妻が大島優子。そして小料理屋の女将たえこ役の薬師丸ひろ子。
旭が幼稚園のとき、中学のとき、そして高校3年。
中学から北村匠海が坊主のズラで登場。さすがに違和感がありすぎ。
東京の大学へ行きたいと言うと難色を示す父親。
そして進学の際の手紙には父親の着替えの場所、野菜ジュースを買いだめしておいてあることが書かれている。
やはり家事は旭がしていたのではないのか?って感じがする。
シングルファーザーだからお互いに協力してってことになるのだろうけど。
まぁ親の心子知らずってこともあると思うが、親の言葉を素直な言葉で伝えることをしないために結局大学進学で地元に戻らなくなる。
都心へ行く用事ができたことで連絡もなしで息子の職場に行くとかはないと思う。息子とは言え、社会に出た大人相手に失礼だろうって。
そんなことばかりでなんか感情移入はまるでできなかった。
そしてまさかの杏さん登場で驚く。
一番笑えたのは杏演じる由美を旭がヤスに紹介したいと食事に連れていくのだが、そこにヤスの同僚役の濱田岳が連れて行かれるのだが、ヤスにピントがいっている映像の背景にボケでリアクションする濱田岳が素晴らしく面白い。最後のほうで出てきた感じなんだけど、すんごい良い。
最後、ヤスが亡くなって写真を選ぶシーン。旭と由美も年齢を重ねてって感じではあるのだけど、北村匠海を老けメイクにしたとして、子供役がまさかの井之脇海。北村匠海の方が実年齢下だよね?
キャスティングの妙みたいなものはあったと思うけど、作品としては丁寧で良い作品。ただ「泣ける」みたいなキャッチコピーはないな。