そこ!私、私!
公開初日のレイトショー。それでもかなり入っていた。
20代くらいの若者が。
12人全員がメジャーってわけじゃないけど、個性が光っていて、これからが楽しみかもしれない俳優、女優陣。
登場人物13人。
若手ばかりだけどレベルは高い
一昔前、この年代を集めて映画を撮ったら、大根がまじってりしていたものだけど、この映画は主演が誰なのか?最初はわからなかった。
今週になって番宣に杉咲花がかなり登場して「主演、杉咲花?」って感じ。
まぁストーリー的にも中心ではあるかもしれないけど、それでも全てのキャストがメインって感じのストーリー。
この本が出版された当時、何かの番組でストーリーを取り上げていた。
読んではいないけど、映像化は難しそうだなって思った。
「子どもたち」ということ、その対象が中学生くらいなのかと思ったから。
今回の「子ども」は10代って設定だけど、高校生くらい?
マイが制服で来ているわけだから、高校生設定か。
12人の死にたい子どもたち・・・
それは安楽死をしたいと望む子どもたち。なぜ集団自殺を望む人がいるのか私にはわからないのだけど、一人では出来ない、最後の勇気を求めているのだろうか?
管理人サトシの司令で集まった11人。
廃病院。昔の廃病院のイメージではない。受付とかも昨日までは人が居た雰囲気が残っているし、電気がまだ繋がっている。
そこに誰だかわからないまま、一緒に誘導されていく。
まぁみんなある程度普通の役。
高杉真宙が管理人のサトシ。一番に来たようになっているが、物語が進むうちに最初に到着した人間は実は違ってくる。
ケンイチが雑誌を読んでいる背後では人が動いている。
廃病院という暗い雰囲気ではないが、人気がないはずの場所で動く人があるのは不気味だ。
でも、ホラー的な要素はない。
ミツエはゴスロリ。まだ残っているのね。無名の女優さんだけど、かなり存在感はある。ゴスロリだからってこともあるけど、それでもよくいる芸能人の死に後追いするファンって設定。
帽子とマスクでほとんど顔が見えないリョウコ。多くの観客はリョウコ目当てなのか?
ケンイチが読んでた雑誌はリョウコがグラビアを飾っていた。
橋本環奈演じるリョウコは映画の中でもアイドル。自分とかぶった役で本音がありそうなセリフが続く。
シンジロウもある意味、新田真剣佑には見えない。かなりイケメンオーラを消してる。そして途中ではカツラを外す。うーん、自毛をハゲカツラ被ってさらにカツラを被って・・・手が込んでる。
黒島結菜演じるメイコはかなり強気な役。
そして主演になるの?
杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜
の順にタイトルではなっている。
その下に橋本環奈オンリー。
うーん、誰が主演?
杉咲花もまた黒尽くめの服装でまだ髪が長かった頃の撮影なのか?
以前の雰囲気のままの様相。彼女の特徴は「耳」それが髪からでているのが可愛く思う。
タカヒロ役は吃音症の青年ってことで大変だっただろうなって思う。
北村匠海のノブオ役もイケメンオーラはまるでなし。
セイゴ役の青年がレベルが下がってたかな。あぁ言う役だとどうしてもそういう感じになってしまうのかもしれないけど。
そしてマイ。彼女が制服でいることで高校生くらいの設定ということがわかる。
最後に登場するのがユキ。
これで12人。
のはずが、既に1人ベッドに横たわっている。
この役が一番大変だろうな。「死体」という役で微動だに出来ないわけで。
12人は「安楽死」をすることを目的で集まるが、「死体」があることで、問題提起を起こすメンバーがでてくる。
「なぜ?」な感情。
集団自殺をしなくても自殺が出来るタイプとそうではないタイプと。
そうではないタイプは最後の踏ん切りがどこかつかない。
そして「死体」が自殺なのか?他殺なのか?を探り出す。
いろんな場所に見られた遺留品。
それをグループに分かれて探しに行く。
マイとケンイチとセイゴのグループでマイはケンイチに言う。
「いじめられてた?」
ケンイチとの短い時間の中で彼の空気の読めないタイプであることを感じて彼女が言った言葉。
ケンイチは中学の時にまず担任からのイジメを受け、それが広まってしまったと。
ツッパリ風のセイゴはまだそんなに時間が経っていない関係性なのに「そんなの俺がどうにかしてやったのに」と。
マイも「空気が読めないタイプって人気者になる要素もあるんだよね」と。
自分が痛みを感じている者同士わかり合えるのか?
それぞれに死にたい理由は違う。
他人が聞いたら「そんなことで?」と思うことでも当人は真剣に向き合っている。
でも、他人の「そんなことで?」を聞いているうちにそれぞれの中に違う感情がでてくる。
そして、「死体」だと思っていたゼロバンのイビキが聞こえる。
生きていた。
そのことでまた別の感情がでてくる。
「生きて!」
自分たちと一緒に安楽死をさせてはいけない。
でも、このままでは死んでしまう。
シンジロウが解いていく一連の流れ。
そして最後はシンジロウが管理人サトシに決議を要求する。
「この会を中止にしたい人」
全員が挙手し、安楽死を回避し笑顔でそれぞれの場所へ戻っていく彼ら。
それを見ていてアンリはサトシに言う。
「何回目なの?」
3回目の開催であった。
まだ実行されたことがないことでサトシが集めている。
サトシは死にまとわりつかれていると言うが、安楽死したい人間同士を引き合わせて他人の「そんなことで?」を感じさせることで自分の「死にたい」と向き合わせているのかもしれない。
サトシはほとんど会話に参加しない。
参加者で自由に議論させることで彼らが本音でぶつかり合っていくことで変わっていく。
内容がすごく重いわりには展開がいろいろあって楽しめる。
時間もあっという間で同じ空間の若者たちも引き込まれているのがわかる。
そんな作品。