【映画 his】感想。上映前の舞台挨拶はとても良いものだと知った

まだ競争率は低かったか?

先週の日曜日、「his」の公開が週末だということでどこに観に行こうかと思っていた時に、舞台挨拶付きの上映がまだ応募できることを知って、応募した。

抽選結果は2日後に来た。

初めて当選した。しかも席はD列1番目。登場するドアのところだった。

登場からずっと見られるという位置。ただ、壇上でスピーチをしているのに、その関係者の人の配慮がまるでないことに驚く。

ドアはひっきりなしに開くし、開けば、周辺の人の視線はそちらへ向く。そして、資料をペラペラめくる音が気になるし。

とりあえず、非日常を楽しませてくれ!と言いたい。

同じお金を払ってるんです。はい。そして座席は抽選で決められているのです。なので、そこは配慮で済むはずで。

と言う思いがありながら上映が始まりまして、作品には何の罪もありません。はい。良い作品です。

子役の演技を褒めたい

私にとってLGBTはどんな存在かわからない。

身近に当事者が居ないから。

だから、「気にしない」とも思えるし、どうなんだろう?

今回、舞台挨拶を先に見てからの作品鑑賞となり、今泉監督の思い、演者さんの思いを聞いてから観ることになった。

また、私が宮沢氷魚という役者さんを知る前に主演となっているが、この役は彼が一番合っていると思えた。

って、ドラマがあったのね。だからメーテレなんだ。

なるほど。って、映画はその13年後ってことのようだけど、ドラマの流れはまるでない。

舞台挨拶では宮沢氷魚と藤原季節という二人の役者さんの個性と役柄が合っているという紹介があった。

ウィダーインゼリーの飲み方で。

映画の中の二人もそのままだと思った。

几帳面な宮沢氷魚演じる井川迅と前向きだけどいろんなことに大雑把感のある藤原季節演じる日比野渚と。

藤原季節は・・・私が観てきた映画に出演してきているが、どの役かわからないくらい。今泉監督の「アイネクライネナハトムジーク」なんて「青年役」ってどの青年よって思うくらい。ドラマ「朝顔」にも出てたのね・・・多分、あの役だった人?的な。

それが、今回の映画できっと知名度が上がる。きっと。

突然、子供を連れて過去の想い人が現れるのは、きっとそれが異性だろうと同性だろうと気持ちとしては複雑だ。

子役の空ちゃんがかなりいい感じだ。

まぁ小悪魔的なパパが甘えさせた感じの子供。

うーん、他人事に思えないくらい。自分もあの頃は父親べったりであんな感じだったんだろうなと。。。

いつの話だ。

それはいいとして、突然、母親から離れて父親と一緒に父親の友達の家に潜り込む。

でも、それが岐阜県の白川町。きれいな川の景色に寝る迅。

なぜ迅が自給自足で田舎暮らしをしているのかわからない。

そこに突然、「別れよう」と言っていたはずの渚が娘を連れて現れる。

戸惑い

迅の戸惑い、渚の自分勝手さが伝わってくる。

空は、パパもママも好き。

パパの姿がない朝、迅を起こし、パパがかっこよくできる片手卵割りを強いる。

それに従う迅もいいやつなのか?

迅は渚の本心がわからずにモヤモヤして過ごしているのがわかる。

そして、渚の離婚調停で真剣争いをしていることを知り、迅も一緒に育てることを決めるわけだけど、そんな居住地で大丈夫なのか?と思ってしまう。

が、そこには味方になってくれる町民がたくさん居た。

最初に理解してくれた緒方さんはお亡くなりになってしまったが、空ちゃんの言葉に自分から町民の人へ自分たちのことを打ち明けることでより町民になっていく。

うーん、そういうものなのかもしれない。

勝手に憶測されたくないと思えば、詮索されるわけだけど、本当はちゃんと話せば、人は興味を持たなくなるのかもしれない。

そして、親権争いの中、渚は自分の自分勝手さを感じていく。

最後は堀部圭亮、戸田恵子というベテラン俳優が弁護士役で出てきて、すごい迫力のあるものになっていくのだけど、和解することに。

フリーランスの通訳としてキャリアを上げたい、空の母親役の松本若菜。きっとシングルで子育てと仕事の両立って大変なんだろうな。

両親が居たとしても愛情のかけ方はそれぞれで、空が自転車に乗れるのを助けながらも自分は乗れないことをそっと迅に打ち明ける。

何が正解なのかなんて誰もわからない。

普通ってどんな形?

自分の家が一番と思ってるのはいいとして、それを他人に押し付ける権利は誰にもにないし、否定する権利はもっとないってこと。

だから、子育てもそんな感じでしていってほしい。自分の家が一番と思う家庭でしがちなのは、他人の家の批判をすること。そしてそんな親に育てられた子供は間違えなく、批判の対象となる子供をいじめる。だって、親がそう仕向けているから。

男同士でも愛し合っているという家庭の中で育つ子供は幸せだと思う。

男女で憎しみ合っている家庭で育つよりずっと。

これからも宮沢氷魚作品は注目したいと思っていたら、すぐに「騙し絵の牙」に出る。それは・・・大泉洋作品ですからね。観ますよ。絶対。