【小説 空に住む】感想。原作を読んでみた

映画が先で原作を読みたくなった

映画を観て、原作を読みたくなったんだ。

映画の2時間に描かれている世界の背景をもうちょっと知りたかったから。

原作通りのパターンも観てみたかった

映画では多部未華子さん演じる直美は出版社に勤めている設定。

原作では出版社を退社していたので、出版社のことは描かれてない。

まぁ出版社の部分は原作にはない部分になるわけで、そこにもかなりの物語があったのだけど。

もし、原作のままだったら?と思ってしまった。

原作通りなのは叔父さんと直美の関係。タワマンに住むということ。時戸と会うということ。

原作で登場する親友の美雨は会社の後輩の愛子な感じかもしれないけど、ちょっと違いすぎる。

時戸の奔放なイメージは、岩田剛典で想像してしまってるから、違和感なしなんだけど、最後の場面は原作通りだとやりすぎだった?

でも、出版社の話につなげるのってかなり無理があったような感じもするのだけど。

原作のままで動物病院の先生が出てきて欲しかったような気もする。

2時間の枠だと難しいのかな。

でも、原作の方が優しいエンディングだったと思う。

猫のシーンは映画よりも原作の方がリアル。

それがまぁ泣ける。なんだろうね。つたう涙じゃなくて、落ちる涙がぼたぼた落ちる。

映画のときもそうだったな。

自分の中の弱点がやっぱり動物の死なんだろうな。

我が家の猫も犬も12歳と10歳。これから犬犬猫を見送らなきゃいけない現実が迫っていることを嫌でも考える。

3倍の悲しみで済むのか?

40代の私の人生を癒やしてくれたのは間違えなく、犬犬猫の存在。

今の私が私で居られるのも彼らが居たから。

中学生からの12年と大人になってからの12年。

受け止め方は違うのかもしれないけど、それでも悲しみは変わらない。

映画では猫の死を見ないようにグッズを捨てるシーンが印象的だった。私に捨てる勇気が出るだろうか?

映画は、原作では現実を見つめられるまでかなりの時間が必要だったけど、こうしたらすぐに現実に戻れるんじゃない?な展開になってたのか?

きっと猫の死というのが原作にも映画にも根幹にある。

そのことを主要な登場人物を変えずに組み立ててるわけだけど、原作からどうやってあの脚本になるのだろう?と思った。