【映画 哀愁しんでれら】感想。足のサイズしか知らない二人は幸せか?

お互いを知らない結婚の行く末は?

「シンデレラ」は本当に幸せだったのか?

そんなことを考えさせられる。

そして、夫婦の価値観、家族の価値観が社会と乖離するとき、それは怖さしかない。

自分たちだけが正しい

今の時代、モンスターペアレントという言葉が定着し、もし子供がいて、自分がそのモンペにならないか、同じクラスにモンペがいたらどうするのか?

田中圭演じる医者の大悟は娘を溺愛する父親で、娘のヒカリ役がCOCOというこの歳で世界的に有名なキッズインスタグラマーなんだとさ。 すごいね。

初めての映像作品ってことだったけど、独特の世界観に引き込まれる。

表情の作り方がほんとにすごかったと思う。

主演の土屋太鳳演じる小春はこの父と娘と出会い、結婚することで自分の価値観が崩壊して人格すらも変わってしまっていく。

保身なのか?

母親に捨てられた記憶のある小春は児童相談所のスタッフでネグレスト母子を訪問し、強引な方法で接触をしようとする。

子育てをないがしろにする母親に対してトラウマなのだろう、敵対心を持つ。

ある時、祖父が風呂場で倒れ、なぜか父親が車で搬送する。

なんで?って感じしかない。

救急車を呼ぶほうが懸命だろう。って思ってしまう。

まぁかなりズレた家族観を感じる。

父親は事故を起こしてしまい、自分が飲酒運転であることに気づく。

そしてやっと救急車を呼ぶが、その車内で自宅が火災になっていることを知るという・・・まぁ不幸の上乗せが続く。

父親の経営していた自転車屋さんだけ焼け落ちる。

2階の自宅は大丈夫だったのね。

小春は警察で事情を聞かれ、その後「彼氏の家が近い」と彼氏の家へ行くとそこには自分の彼氏と職場の先輩がやってる最中で。

こんな不幸な人ってほんとに居るのか?

その帰り道に線路で倒れている人を見つける。

心の葛藤は・・・自分より不幸な人を見たいだったのか?

結局は助ける。それが大悟だった。

そこからシンデレラ・ストーリーが始まる。

父親に納棺師の仕事を紹介してもらったり、祖父を私立の病院に転院させたり。

父親の存在は物語のキーポイントだ。

納棺師を紹介されたときの父親は「死体なんて触れない」と一度は拒んでいたわけだが、その仕事も慣れていく。

結局は知らないことに対する恐怖でしかないのかもしれない。

父親はインスリンを注射していた。

自暴自棄になった父親はインスリンを多く打ったら死ぬんだよなと死にたいようなことを言ったりする。

小春の妹の千夏が山田杏奈。

ん?この前なにかで見たな。この顔。

あぁ先週の「菜もなき世界のエンドロール」のヨッチ役だったわね。

ってことで同じく昨日公開の「樹海村」では主演ってことで同時に3作品に出演中ってすごいな。

大学受験を控えた千夏は火事のあとは大学受験を諦めたが、大悟の登場で勉強を教えてもらうことになる。

娘のヒカリが懐いたことで大悟は「結婚」を求める。

いざ結婚すると・・・

この父子には裏の顔があった。

違和感を感じる小春。

中でもヒカリの嘘つき体質を大悟が信じない。

ヒカリは小春の言うことも何も聞かない。

母親になることと母親でいることは違う

大悟の母の言葉がズッシリとくる。

好きな男の子の意識を引きたい、その男の子と仲の良い女の子をゲームオーバーにしてしまう。

その葬式に参列する際、黒の革靴を履くように必死に言うが、結局ヒカリは赤い靴を履いて参列し、「継母だから」と世間は言うし、自分の父親からも言われてしまう。

そんなことはわかってる。

それを理解してくれる人がいない。

壊れていく小春。

ヒカリの煽りについ叩いてしまい、追い出される小春。

ヒカリは小春のことをどう思っていたのだろう?

ヒカリは小春が出ていくことを泣き叫んで拒む。

大悟は小春を探し、今度は大悟が小春を助ける。

そこから小春は考えることを停止した。

この二人の世界に入ることを受け入れたのだろう。

ヒカリのやりすぎのイジメられ演出でモンペになっていく二人。

しかし、子供は本当のことを言い、周囲もそれを信じる。

「女の子を突き落としたのはヒカリ」

モンペから非難される存在となり、二人の発想はとんでもないことになる。

怖いなぁ〜。

今の核家族化した社会で小さい社会がそれぞれで正当化し、大きな社会から乖離していっている集まりになっている?

子供を育てるのが本当に大変そうな世の中だなぁ〜って。

子供が居る人との再婚なんてほんと無理って感じでしかないわ。

土屋太鳳、昔ほどの映画出演はなくなってきたけど、大学卒業できるのかな?